2-1 新たな旅立ち――二人になったパーティー
Dr.ジグソーと戦ったハルカ達。カイトのために復活の門を探すが…
——Dr.ジグゾーとの戦いから、二日後。
あの島から王都まで戻るのは、思った以上に大変だった。
転移させられた場所が遠すぎる。
ほんと、最後まで迷惑なやつだったな……あいつ。
「……はぁ……」
私は玉座の間を出た瞬間、大きく息を吐いた。
「緊張した……」
「ハルカ、毎回それ言ってるよね」
サクラが苦笑する。
「だって無理だって!!あの人怖いんだもん!!」
「王様なのに?」
「王様だからだよ!!」
少し前。
「よくやってくれた」
国王、アルケイ・シェルエ三世が静かに言った。
「ジグゾーは以前から危険視していた人物だ」
そして、少しだけ表情を曇らせる。
「……カイトの件は、残念だった」
胸が、少しだけ痛む。
「……いえ」
私は首を振った。
「私たちの責任です」
そう言った瞬間。
国王の視線がこちらに向く。
「ひっ」
「……すまんな」
謝られた。
逆に怖い。
「褒美を取らせよう」
「えっ」
「宝物庫から好きなものを持っていけ」
「いやいや無理ですって!!」
即拒否。
「これは“頼み”だ」
「……頼み?」
「市民を守ってくれた礼だ」
そう言われると、断れない。
「……わかりました」
そして現在。
「はあ……ほんと無理……」
「慣れなよ」
「サクラよく平気だね!?」
「ちょっとだけね……ほんのちょっと」
「父上も頑張っているのですよ?」
アイシャ王女がくすっと笑う。
「どう接すればいいか、毎回悩んでいますから」
「え、そうなの!?」
急に親近感わいた。
「こちらです」
宝物庫の扉が開く。
「うわあああああ!!」
思わず声が出た。
宝石、武器、魔道具。
キラキラしてる。
夢の国かここは。
「何を選ばれますか?」
「……これ!」
私は迷わず杖を取る。
「魔法使いはやっぱこれでしょ!」
「いい選択ですね」
「これ高いやつ?」
「かなり」
「やったあああ!!」
「私はこれにする」
サクラは短剣を手に取る。
「魔法付与できるやつ」
「実用的だね」
「ハルカと違ってね」
「どういう意味!?」
「そうだ」
私はふと思い出す。
「復活の門って知ってますか?」
空気が少しだけ変わる。
アイシャは考え込む。
「……申し訳ありません、聞いたことがありません」
「そっか……」
やっぱり簡単には見つからない。
「ですが」
王女が優しく言う。
「世界は広いです。きっとどこかにあります」
「……はい」
私はうなずく。
「それとお願いがあるのですが」
「はい?」
「最近、魔物の動きが活発なんです」
少しだけ真剣な表情。
「スタンピードの前兆かもしれません」
「……!」
空気が一気に変わる。
「北の森を調査してほしいのです」
「わかりました」
即答だった。
「こちらもどうぞ」
袋を渡される。
「……え?」
中を見る。
「五万ミル!?」
「多っ」
「あとパスポートも」
「三枚?」
「……あれ?」
二人で首をかしげる。
「予備……です!」
(絶対違う気がする)
城を出る。
「三枚もらっちゃった」
「二人しかいないのにね」
「未来の仲間用とか?」
「フラグっぽいこと言うのやめて」
馬車乗り場。
「北の森行きありますか?」
「ないね」
即答。
「最近危険だから運行してないんだよ」
「ですよね〜……」
「でも」
おじいさんがこちらを見る。
「あんた達見たところ冒険者らしいしどうせ行くんだろ?」
「えっ」
「なんでわかったの!?」
「顔に書いてある」
「やめて!?」
「近くの街までなら乗せてやる」
「お願いします!!」
即決だった
「その代わりモンスターなどが出たら頼む」
馬車の中。
サクラはすぐ寝た。
「早っ」
毛布をかける。
「おやすみ」
外を見る。
広い景色。
どこまでも続く道。
(……カイト)
ふと、思い出す。
あの最後の言葉。
「……」
考えないようにする。
でも、消えない。
「ふあぁ……」
眠気がくる。
そのまま、意識が沈んでいく。
——気づくと。
真っ白だった。
「……え?」
何もない。
上下も、距離もわからない。
「なにここ!?」
魔法を使う。
「瞬間移動!」
——発動しない。
「詰んだ」
歩く。
どこまでも白。
時間の感覚が消える。
「……誰かいないの……?」
そのとき。
遠くに、人影。
「いた!!」
走る。
近づく。
そして、止まる。
「……え?」
そこにいたのは——
私。
でも、違う。
半分は普通。
もう半分は黒く染まっている。
目の色も違う。
背中には黒い翼。
「なに……これ……」
恐る恐る手を伸ばす。
触れる。
冷たい。
その瞬間。
光が弾ける。
“それ”が笑った。
ありえないほど大きく口を開けて——
私を、飲み込む。
「——っ!!」
目を開ける。
息が荒い。
「ハルカ!?」
サクラの声。
「大丈夫!?」
「……うん」
なんとか答える。
「また夢?」
「……うん」
何度も見ている。
同じ夢。
(あれ、なんなんだろう……)
「そろそろ着くぞ」
おじいさんの声。
外を見る。
小さな街。
夕暮れ。
「今日はここで泊まろう」
「そうだね」
馬車を降りる。
「ありがとうございました!」
「気をつけろよ」
門をくぐる。
新しい街。
(復活の門、絶対に見つけてみせる!)
そして——
(あの“私”は……何なの?)
果たして復活の門への手がかりは見つかるのか!?
次回へ続く。




