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G.W.S.-グリムリーパー・ウェポンズ・サービス-  作者: 来賀 玲
作戦記録0番:第2死神小隊「バレットエキスポ」の華麗なる?日常
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PHASE 4 :作戦は終了しました!(半ギレ

 チーン






「私が西側で好きな物の数少ない一つが……!!

 見ろよこの無残な姿をよ…………!!!」


 ウィプリィの愛車であるM939A2ビッグフッドは荷台が真っ黒に焼けていた。

 まぁ、幸い原型は縮めているし、おそらく動くが……


「ふざっけんなゴラァァァァ!!!!」


 収まらない怒りのまま黒こげの死体に足を叩き込むウィプリィ。


「私の車ァに何してんだぁーッ!!

 頭に来てんだよそりゃあよぉ〜!!!!」


 涙目で死体蹴りを続けるウィプリィ。

 他の面々も、なんとか取り出した弾薬のそばで息を切らしつつその悲痛な姿を見る。


「……オンリーさん、止めなくて良いんですの?」


「良いと思うよフェンサーちゃん……

 それにさ……」


 ふと、オンリーは、焼け焦げたコンビニ袋|(有料)を取り出す。




「私のお菓子を返せぇぇぇぇぇぇ!!!!」




 そして当然のように死体蹴りに参加したのだった。


「あー…………これ、どうしましょ……?」


「そーねぇー……?」


 たまたま近くにいたリュドミラに聞いてみる。

 うーん、と人差し指を顎に当てて考えたリュドミラは、



「考えてもみたらビールの仇じゃないのよぉ!!!

 危うくウォッカまで燃えかけたじゃないのぉ!??」



 死体蹴りに参加した。




「…………はぁ……」




 あらんかぎりに罵倒と蹴りを続ける3人に、なんだか疲れが湧いてくる。


「……ナンブさん、弾丸は無事ですの?」


「そりゃ弾丸が無事じゃなかったら、50AEじゃら12ゲージ00(ダブルオー)バック、果てはタンデムヒートまであらゆる弾丸に引火して私達は花火になってるからなぁ……」




「車ァ!!」


「お菓子ィ!!」


「ビール!!」




「その犠牲は大きかったみたいですねぇ〜??」


「フン!生きてれば良いじゃない」


 ニヤニヤ笑うパフェに呆れて吐き捨てるシュナイダー。

 まぁ直接被害が無かったので当然だ。


「あら、ナンブさんそういえばあなたの.38スペシャルは?」


「いつも身につけてるよ」


 と、G.W.S.のジャケットの下の、まるでタバコのカートンのように梱包されて封を切られていない弾丸の箱と、ホルスターに収められた自分を見せる。


「怖っ……ナンブパイセン、ホルスターで入れっぱなしなの怖くないんですかぁ?

 しかも上のカバー外していつでも撃てる状態だし」


「ごめんね。でもパフェと違って……38スペシャルじゃね」


「ナンブ、一理あるけど危険じゃない?

 撃つときまでは出しておいた方が、」


「悪いとは思っているけど、私は『日本のお巡りさんの銃』なんだよ」


「は?」


「……まず『実包は撃たない』。

 38スペシャルじゃ、生身で丸腰の人間でも殺せるか怪しいし、私ことM60じゃあ、軍用のみんなが普通に戦う距離じゃあ当たらないし、ボディーアーマーは無理」


「……アンタ、いつも思うけど、副隊長としての仕事は真面目で確実で堅実でも……そういうところは弱気よね?

 デスサイズ弾頭なら殺せない命はないでしょ?」


「ちゃんと表面を抜けばね。

 シュナイダーのモーゼル弾ほど威力はないし」


「私と比べたらまさに雲泥の差ですねセンパーイ??」


 ここぞとばかりに、『最強火力の拳銃』デザートイーグルであるパフェはニヤついてナンブを見てくる。

 が、ムッとするわけでもなくその通りとでも言いたげに鼻で笑うナンブに、すぐにムッとなるパフェだった。


「お巡りさんはそんなに簡単に撃たないの。

 もし撃つとしたら、」






「ヤバいこいつ生きて、みんな危な───」






 オンリーの声に、ほぼ全員が顔を上げる。


 ────キシャァァァッッ!!


 焼け焦げた肉塊から飛び出した小さな怪物が、鋭い牙の生えた3又の異形の口を開けて迫る。

 とっさな上に、みな密集していて撃てなかった。




 例えば、フェンサーはジャムるかもしれない上に5.56×45mm弾では対角線上の二人にあたっては意味がないと、ナイフに手を伸ばしていた。


 反対側のリュドミラは、「当たっちゃったら後でおごって許してもらおう」と自分(SVD)を構える所だった


 その時パフェは、50AEの最強火力の拳銃弾ではまず外すと、構えることも出来なかった。


 まずシュナイダーとウィプリィは『論外』だからこそ見守りつついざっていうときに備えていた。




 隊長のオンリーは、(そういえばプッタネスカちゃんどこ……?)と思いつつ、


 一番信頼している相手を見る。



 パンッ!パンッ、パンッ!!


 誰よりも軽い音と、小さな怪物の顔に空いた小さな穴。


 スゥ、と禍々しい紫の煙のような物が身体から分離し、霧散すると同時にどさりと落ちる。


「……ふぅー……!!」


 ニューナンブM60の銃口から微かに煙が上がっている。

 とっさに撃った三発は命中しており、魂は恐らく魔界へ帰り、この怪物の身体も灰になって消えていく。


「『可及的速やかに実弾仕様を求められる状況にのみ』。


 つまりこういう時しか、撃たないのが『日本のお巡りさん』、そしてその拳銃さ……!!」




 おぉ、とフェンサーをはじめとして周りが思わず拍手し、パフェは思いっきりむくれる。

 内心、(活躍してズルい!)と思っているのだろう。


「さすがナンブちゃーん!さすがです副隊長!」


「隊長、そういえば、

 こうなると思ってプッタネスカの奴をこの先の道の駅まで菓子買わせに行かせておいたんだけど」


「ナンブ大明神様〜、もう靴でもなんでも舐めますだー!」


「隊長、それは言い過ぎじゃないのぉ〜?」


「後リュドミラ、やっぱりウォッカダメになっていたから、あったら買っておいてくれって言っておいた」


「守護天使ナンブ様の御加護に感謝〜♪」


 大袈裟な二人に辟易し、それを見て周りが笑う。


 ふと、そこでがさりと音がする。


 見ると、まだあの悪魔が小さくなって生きていた……!


「しぶとい……!!」


「シニガミサマユルシテ……!!ユルシテ……!!」


 だが……だいぶ弱体化したのか、そう言ってオンリーにすり寄ってくる。


「…………許されると思いますか?」


 ふと、オンリーとは反対側にいたウィプリィが、小声でそう尋ねる。


「…………オモッテ………ナイデス……」


「…………でしょ?」


 ニコ、とウィプリィが笑う。

 ついでにオンリーも笑って悪魔をさする。

 ナンブとここにいないプッタネスカ以外、みんな優しそうな笑顔でやってきて、






『じゃあオラオラ死ねよオラァ!!!!!』






 ────良い加減鬱陶しかったのでマガジンが空になり続けるまで全員撃つ事にした。


「ビビらせんじゃないですわよオラァ!!!

 あっ、ジャムりましたわ……着剣して、何してんですわよゴラァ!!」


「イタイ!!ジュウケンヤメテクレェ〜!!」


「何が辞めてくれよじゃあ私は辞めなくて良いワケ!?喋れんならさっさと喋ってれば良いでしょうがこのクズ!!」


「パフェちゃんのこと驚かせたくせに命乞いとか聞きませんし??」


「お菓子返せ!!お菓子を返せ!!!」


「ウォッカまでやってくれた例は祖国の全盛期の面積倍にして返すわよ!!

 あ、弾切れ……銃剣着剣!!」


「イッタイ!イタイイタイ!!イタインダヨォォォォォォォ!!!!!」


「デスサイズ弾にデスサイズメタル製の剣が痛いのは分かってんだよオイオラァァ!!まだこんなもんじゃないぞなぁ!?!!」


 ついでに一番怒り心頭のウィプリィが、そろそろオーバーキルの所にRPG-29を構えてサーモバリック弾を狙う。


 皆離れ、フェンサーとリュドミラは銃剣で昆虫標本のように器用に生かしてある悪魔をそこに止める。


「ヤメテユルシテフツウニコロシテェ!!!」


「……隊長コイツ命乞いとかしだしましたよ?」


 さっきまで命乞いはしていたが、あえてそう言うウィプリィに、オンリーは静かにこう続ける。


「私のお菓子の恨みの分、

 もっかい焼いて良し。小隊長として許可します。

 はい許可しました」


「……じゃ、」


「いやまった。なんかこの悪魔が『分かってなさそう』だから今からこのやる事せこい癖して被害甚大な悪魔の『罪状』を読み上げた上で処刑します!!」


 しかし、直後もっと最悪な宣告がやってくれる。


          ***

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