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第二十五話 巨人。そしてギャップ。

「五千フォグ……思っていたよりも多かったです」


「そうだな。俺もてっきり千フォグくらいだと思ってたしな」


 質屋を出た俺たちはそんな会話をしながら街中へと入って行く。街はオレンジ色の綺麗な灯りでいっぱいになっていた。まるで昼の町並みとは別世界だ。


「ちょっとユウムー! たこ焼き忘れてないよねー!」


「はいはい覚えてますよー今向かってますよー」


 そう言うとイズは機嫌が良くなったのか、笑みを浮かべて、手を振りながらてくてくと歩き始めた。


 しばらくしてイズの言っていたたこ焼き屋が見えてきた。たこ焼き屋なのに店の名前が【クラーケン太郎】なのか、あと店でかすぎだろ、巨人がやってるのかここは……なんて事を思っていたら、横にいたイズが凄い勢いで店へと走り出した。


「ちょ、イズ早いって!」


「ユウムが遅いの! すいませーん!」


 イズの声が巨大な店に鳴り響く。……すると突然、地震のような足音が鳴り始め、奥から“巨人”が出てきた。ズシンズシンと足音を鳴らしゆっくりとこちらに向かってくる。そしてたこ焼き機の前に立った。なんて迫力だ。鍛え上げられた強靭な体格に威圧感のある顔立ち。俺もサフィアも思わず足がすくんでしまう。にもかかわらずその巨人を見ながらニコニコするイズ。なんなんだあいつは。


「……てめぇ、まさかイズちゃんか」


 図太い声でそう口に出す。……ん?イズちゃん?


「うん! ここのたこ焼きすごく美味しいから大好きなの!」


 そして沈黙が流れる。やばい、もしかしたら俺らここで死ぬのかもしれない。そう思った次の瞬間


「あらっ!本当に?イズちゃん毎回私のお店のたこ焼き買ってくれてたの知ってるのよ〜!」


「へっ?」


 突然おネエ化した巨人を見て口を開けたまま呆然としてしまう俺とサフィア。え、何どういうこと?


「プーちゃん色々すごい人だよってカルデアが言ってたけど本当におっきい人だったんだね! びっくりした!」


 いや、すごい人って言うのはそれだけじゃないと思うぞいイズ……


「あらッ本当に? でもイズちゃんもとても小さくて可愛いわよっ」


 顔を赤くする巨人店主。ギャップなんてものじゃない。



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