第二十三話 たこ焼き。そして質屋。
【ワープナー】を使って俺たちはユグの広場まで降りて来ると、辺りはすっかり日が暮れていた。
「楽しかったー! こんなに楽しかったのは久しぶりだよーっ!」
いつにもなくとても機嫌がいい。まぁいつもこんな調子ではあるが……
「申し訳ないです……私の魔力切れのせいで十階層まで到達できなかったです……」
いつにもなく落ち込んでるサフィア。確かにサフィアの魔力が切れかかっていたと言うのもあるが、それ以上にーー
ぐぎゅるるるる……
「サフィア、ただ俺が腹減って死にそうだったから六階層に行かなかっただけだ」
激しいお腹の音が爆裂する。そしてイズが『はっ……!』っと何かを思い出し俺にニコニコした顔を近づけてくる。
「ど、どうしたんだイズ……?」
「えへへへーとぼけても無駄ですよー?約束したよね! たーこーやーきーっ!」
食べ物の執着ほど恐ろしいものは無いな……と改めて痛感した。
「あーわかった。だけどその前に今日のアイテムを買い取ってってもらってからだな」
何せ回復薬やら服やら宿やらでまさに金欠状態なのだ。イズは口を膨らませて「わかったー」と言い、サフィアも「了解です」と言ってくれた。
「ところでサフィア。アイテムってどこで換金してもらえるんだ……?見た感じ冒険者ギルドみたいなのってなさそうだけど……」
「少し前まで冒険者ギルドがあったですが、【世界掲示板】が出来てからはもうギルドの必要性が無くなって潰れちゃったんです。今は旧冒険者ギルドの建物を質屋として営業しているようです」
確かにあんなに大きくて有能な掲示板できたらギルドの必要性ってないな……
「よし、じゃあその質屋まで案内してくれサフィア」
「案内も何もユグの向かいにあるあの大きな建物がそうです」
指差す先にはすごく大きな異世界感満載の建物があり、大きく『質屋』と書かれていたサフィアがはぁとため息をついているようにも見えた。
「あー……よし、行こうか……」
そう言って俺たちはオレンジ色に光る質屋へと向かった。
「わぁ! すごく広いねー!」
中に入ると、そこは沢山の冒険者で賑わっていた。丁度日が暮れてユグから帰ってきた人たちが多いんだろうな……それにしても本当に広い質屋だ。さすが旧冒険者ギルドと言ったところか。あちらこちらに照明や華やかな装飾が施されている。
『あら! サフィアやないですか!』
質屋のカウンターから着物を着て、綺麗な茶色の髪をした容姿端麗な大人っぽい女性。まさに美女と呼ぶに相応しい人がサフィアに声をかけてこちらに歩いてくる。
「お久しぶりです。美咲」





