第十二話 戦慄。そして古屋。
「あ、あんたたち、お強いですな! こんな方達に武器を売れば【鋼を司る神】様の名も上がります! どうぞ好きな装備をご指名ください!」
店主は今の争いをみて急にペコペコしてきた。なんてお気楽なやつなんだ。さっきまで俺らを馬鹿にしてたじゃねーか!
「いや、そのことなんだけど、無かったことにするよ」
「な、何故ですか!【契約者】様! 私たちの作る武器は一級品! この世界のどの武器であっても敵うものは無いのですぞ!」
「俺が求めてるのは一級品じゃない。高みを目指そうと努力するものだ。強い奴にしか譲らない、名を汚すとか言ってるところの武器を買う気持ちになんてならないね」
なんか割りに合わないかっこいいセリフ言っちゃったな。あ、やべ、イズに怒られるかも……
そう思い恐る恐るイズの方を見る。するとなんとも満足気な表情をして
「よーく言いましたユウムくん! こんな所の武器はユウムくんにこれっぽっちも合いません! 早く行きましょ!」
「え、ちょ、イズ!?」
そう言ってイズはまた、にあわない怪力で俺を引っ張りながらこの場所を後にした。
◇
先ほどの騒ぎが街にものすごい勢いで広がってしまったので、ユウムとイズは少し街を離れることにした。
いやーしかし人間関係って難しいわ。ゲームなら一級装備ってだけでみんな虫のように飛びつくんだろうけど、実際に起こると話は変わってくるよなー……
「……そういえばイズ、この世界にステータスみたいなものはないのか?」
「あれっ、言ってなかったっけ?」
まぁこれはいつものことであるが……
ユウムは「聞いてないぞ」と返す。





