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魔術塾対抗戦 vol.3


「ちょっと!塾長!どういうことですか!!なんで入塾したばかりの奴が選ばれるんですか!それに、ルーナは先生でしょ!違反じゃないですか!」

男子生徒の1人が、机を両手で思いっきり叩き、立ち上がる。黒髪に黒ぶちメガネをかけた、いかにも優等生のような雰囲気の生徒だ。

その発言に他の生徒も便乗して口々にものを言う。


「はいはい。みんな静かに静かに。」

塾長が苦笑いをしてみんなをなだめようとする。


「みなさん!静かにしてください!ジャック塾長がお決めになられた事ですよ!」

クレアがめずらしく大きな声でみんなに呼びかける。

クレアがそんなに大きな声を出すとは思わなかったようで、ビックリしてみんな黙る。

そして、みんなクレアの方に注目してしまった。

クレアは顔真っ赤にして、うつむき気味で席に座る。


「ありがとう、クレアさん。まあ、みんなが不満に思うのも無理はないね。じゃあ、まずルーナちゃんが選ばれた理由から。選抜者の条件は、『今年23歳で魔術塾に在籍する者』。つまり、魔術師候補生じゃなくても魔術塾に在籍していれば参加できるということだね。だから、ルーナちゃんを選んだというわけ。ルーナちゃんの実力はみんなも知っての通りだしね。他の先生方も異論はなかったよ。それに、私のかわいかわいい娘の成長した姿を見たいんだよ〜」

そう言うとルーナに抱きつくジャック塾長。


「離れてよ、パパ!キモい!」

ジャック塾長のみぞうちにエルボーを入れるルーナ。塾長がよろける。


「もー、パパだよ!パパ!ちょっとぐらい良いじゃない!」

ジャック塾長が寂しそうな表情をする。


「くだらない事しないでください。ルーナの事は分かりました。あいつの事はどうなんです。」

黒ぶちメガネの男子生徒が発言する。


「あっ!翔太君はねー、んーとね、おもしろそうだから、私が勝手に選んじゃった!」

舌をペロっと出して、ドジっ子アピールをするジャック塾長。


「そんな理由、いくらジャック塾長が選んだとはいえ納得できません!」

黒ぶちメガネの男子生徒が立ちあがり、俺の方へ向かってくる。そして、俺の席の前に立ち、俺に指をさす。


「僕は、君を絶対に認めないからな!」

そう言うと、黒ぶちメガネの男子生徒は教室を出て行った。


「あーあ。出て行ってしまったねー、ユークリッド君。」

ジャック塾長が、小さくため息をついて言う。


「まあ、とにかく選抜者の5人は、これから魔術塾対抗戦に向けて、特訓に励むように!それじゃあ、バイバーイ!」

ジャック塾長は小さく手を振って、教室を出て行った。


そんな俺は、2日酔いの頭痛が早く治れとしか思っていなかった。

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