魔術塾対抗戦 vol.2
「みんな聞いてくれ!知っていると思うが、今年も魔術塾対抗戦が開催される。2週間後に開催されるのに発表が遅れて申し訳ない。ただ、今年の会場は、ここラグーンだ!今年は、何が何でも勝たないといけない!」
ジャック塾長が、どこかの政治家のように拳を握ってガッツポーズのような格好をする。
(魔術塾対抗戦?なんだそれ?)
ポカーンとした表情をしたままの俺。
隣の席に座っているクレアは、その姿を見つめる。
「あの!ジャック塾長!」
クレアが手を上げる。
「なんだい、クレアさん。」
「あのー、翔太さんはまだこちらの塾に入ったばかりです。しかも、別世界から来られたので、魔術塾対抗戦について説明していただけないでしょうか。みんなにも、もう一度理解を深めてもらうためにも。」
「あーそうだそうだ。翔太くんは、もちろん知らないもんね。表情もポカーンとしてるしね。さすがクラス長のクレアさんだね。」
クレアは、頬を少し赤らめて、いえいえと手を横に振る。
「我々の世界には、8つの魔術塾が存在する。その、8つの魔術塾から魔術師候補生を5人選抜して、魔術戦をトーナメント形式で行うのが魔術塾対抗戦。んー翔太くんの世界で言うと運動会?って言った方が分かりやすいのかな。」
ジャック塾長の言葉に少し納得する俺。
「将来、ラグーンの街を守る魔術師として、この街の人々にどれだけ成長したかを見せる良い機会なんだよ。」
ジャック塾長はみんなに語りかける。
「例年、魔術塾対抗戦に出場した生徒は、その後、魔術師教会の幹部候補に任命されるって聞いたことあるんだけど。塾長もその流れで幹部になったんだろ。」
セバスが目をギラギラさせて言う。
「セバスくん、誰もが幹部候補になれるわけじゃないんだよ。それだけの実力がある人が選ばれるだけであって、選抜者じゃなくても幹部になる人はいるよ。」
ジャック塾長が優しく微笑む。
「それでは、選抜者の発表をする。選抜者は、私が中心となって選ばせてもらったよ。それじゃあ発表するね…」
教室に緊張感が走る。
「1人目はルーナちゃん!私の愛娘!2人目はセバスくん!3人目はクレアさん!4人目はレイスくん!そして、最後の1人は…」
みんなが息をのむ。
「ダークホース、翔太くんでーす!!」
「えーーーーーーーーー!!!!」
教室中のみんなが驚きの表情を浮かべて叫ぶ。
そんな俺は、ポカーンとしたままだった。




