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エピローグ
崩壊していく街道を一人の騎士が駆け抜けていた。こうして走っている今も黒い雲が国を覆い、邪悪な魔術によって生まれた魔の集団が人々を襲っていた。やがて彼は国の端にある港へと辿りついた。港には一隻だけ小さな船が海辺に浮かんでいた。 ほんの一瞬彼の頭に城に残された母と妹の姿が頭を過ったが、国を囲むように閉じていく結界を見て、彼は船を漕ぎだした。この国から逃げるという生存本能が彼の心を支配していた。船で国外の海域まで出ると、遠くに見える祖国を見る。自分が生まれ育った国が闇にのまれていくのを、彼はただ見つめるしかなかった。
「母よ、妹よ、愚かな俺を許してくれ。皆を守るには、俺は弱すぎた。」
振り始めた雨は、騎士を責め立てるように打ち続いていた。




