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第92話 翼人Ⅱ


 少し時間が戻って・・・


(天空光輝翼都市アヴァロン)

(第9管理研究局室内)


 「イカロス、イカロスはいるか」


 「ああ、からだは球体へ変化してしまったが、なんとか生きているよオーガス」


 「そうか、そいつは良かった。

 俺もなんとか生きているみたいだな。

 からだが光の球へ変わってしまったと言うのが、生きていると言えるのかわからないが、消えてはいないので生存しているのだろう。

 しかし何だったのだあの光は?」


 「あの光が私達を消滅させる光粒子分散攻撃(イレイサー)

 と言う魔法だよ。

 私達の構成している光の粒子をただ分解霧散させるだけの攻撃だ」


 「そんな攻撃ありえないだろう」


 「古代神の技術は私達より遙かに進んでいる。

 私達の科学で肉体構造を解析して知っている知識よりも、その上を遙かにいっている知識をもちいて技術を流用しているのだ。

 皮肉なものだ古代神の方が私達よりも肉体構造を理解しているのだからな」


 「古代神が本気になったら我々を一瞬で消滅させられたという事か」


 「ああそうだな、痛みを感じずに、いや死んだという事もわからずに消え去るだろう。

 現にこの光の球体になった時に痛みとか感じたのか?」


 「いやまったくない、周りが輝き始めたと思ったらすでにこうなっていた」


 「そうだろう、ただ私達の構成されている光の粒子を分散させただけだからな。

 まったく恐ろしい攻撃だよ」


 「それは攻撃と言っていいのか?

 ほかの職員はどうしたのだ」


 「どうやら残っているのは私達ふたりだけらしい。

 この姿でだが気配を察知することはできる。

 オーガスお前以外はまったく感じられないのだ」


 「そうか、これからどうする」


 「エネルギー貯蔵タンクへ向かおう」


 「そこでできるだけ紫外線を補給吸収して肉体構造を作りなおす」


 「そうかそれでは早くいこうではないか」


 「行くのはいいが一言いっておこう。

 再生する時かなりの激痛が走るので覚悟しておいたほうがいいぞ」


 「なにそうなのか?」


 「ああ、俺は一度この状態になったことがあるからな。

 苦しくも二度目なんだよ。

 ジュブ・ニクラウスにやられたのだがな。

 とりあえず室内を出て紫外線を吸収しよう。

 ある程度力が溜まったらエネルギー貯蔵タンクへ向う。

 エネルギーを吸収しながら生き残りがいないか捜索するとしよう」


 ・・・


(中央管制室)


 「フェリオン生きている」

 イシスは声をかける。


 「なんとか生きているよ」


 「それは良かったのだけど、何なのあなた光球状態になっているじゃない。

  あんた馬鹿じゃないの管制室の職員守る為に、自分の力分け与えながら防御するなんて正気じゃないわよ。

 翼人をまとめるトップという存在が消滅するほどのことを選んで、職員を守るなんて頭おかしいと言っているのよ」


 「仕方なかろう、私が一人生き残ったとしても、中央管制室は機能しない。

 ここにいる職員の方が必要なのだ。

 それにこの状態だが、エネルギーを補給すれば元どうりに肉体が再構成される」


 「ふふん、そうなんだでも今の状態じゃ ぷかぷか浮いているだけで移動することがやっとでしょう。

 それじゃ私が持っていてあげるわね」


 「こら、私に触るのではない」


 「ふふふ、動きが鈍くて、ただ光っているだけの存在なんだ。

 いたずらしちゃおうかな」


 「こら、離せ、離さないか」


 「イシス様、おふざけはそこまでにしておいてください」


 レヴァータンは光球になったフェリオンをイシスから取り上げる。


 「助かった、レヴァータンまったくこんな状況なのにイシスはこれだ。

 レヴァータン管内の状況を大至急確認して報告してくれ」



 「わかりました、確認します。

 中央管制室内の私を含め18人全員無事確認できております。

 おまけでそこにいるイシス様の無事を確認できております。


 「ちょっとレヴァータンおまけとはなによ」


 「イシス様あなたは部外者なのでそう判断されました。

 気に障ったのでしたら謝りたいと思います」


 「まったくレヴァータンて昔からこういうところ、嫌味がある女なんだよね」


 「イシス、レヴァータンの邪魔をするのはやめろそれより確認するのを急いでくれ」


 「フェリオンてさ、昔からレヴァータンには甘くない?」


 「なにか言ったか」


 「別になんでもないわよ」


 「報告いたします。

 特殊戦闘員ワルキューレ 13名無事生存が確認できました。

 また待機させていた第8部隊ボルテック隊長及び8名の者は無事ですが、隊員の40名が光球状態になってしまっております。

 生存は確認されましたが至急エネルギーの補給が必要です。

 また管内にいた職員31名及び作業員の53名が光球の状態で生存が確認されています。

 他の職員76名が消滅、館内にいた作業員が156名が消滅いたしました。

 館外の職員及作業員また一般市民の確認はできておりません。

 おそらく消滅したと思われます。

 幸いなことに館内はフェリオン様の力と試作段階の結界が機能したらしく、この程度の被害で済んだようです。

 現状の状況ではこの中央管制室の維持が難しいので、非常事態システム( アリス )に移行し生命維持システムを委ねますが宜しいでしょうか。

 フェリオンさまご指示をお願いします」


 「ああ、かまわん移行してくれ、

 それと管制官代理としてレヴァータンお前に全権の指揮を一時預ける。

 あとのことは頼むぞ」


 「わかりましたご命令どうりお引き受けします。

 それでは( アリス )に生命維持システムを移行しましたら、手動操作で切り離された都市の捜索を開始します。

 また奈落のダンジョンの監視は凍結、一時退避しこの星の際も遠い安全圏内へ避難を開始します。

 フェリオン様、宜しいでしょうか?」


 「ああ、かまわんそうしてくれ」


 「ええええ、なんで私が管制官代理ではないの、レヴァータンでは役不足でしょう。

 フェリオン今からでもいいから私に代えなさいよ。

 今だったら仕事する気になっているのだから、それにあのローパーの攻撃を的確に指示してあげたじゃないの。

 いわば私のおかげで助かったと言っていいのよ。

 わかってたら管制官代理を私にかえなさいってば」


 「駄目だお前にまかせたら生き残れるかも知れないが、治安が不安定になる。

 それに元老院達が消えたので、お前は好き勝手に動きたいのではないのか」


 「失礼しちゃうわね。 

 それに元老院の連中達が消滅したとは決まったわけじゃないのよ。

 今確認している最中でしょう? 

 まあ、察知して反応が無いのでたぶん死んでると思うんだけどね。

 そんなの関係なく私に任せなさいよ」


 「今はレヴァータンのほうが的確だ。

 落ち着いたらお前にまかせてやってもいい。

 それより私をエネルギー貯蔵庫へ連れっていってくれ」


 「わかったわよ、それよりも先ほどの話、約束よ忘れないでねフェリオン」


 「わかった」


・・・


(エネルギー貯蔵室)


 「イカロスどうだったここへ来るまで誰か反応があったか」


 「いいや、まったく反応が無かった。

 一般市民街は切り離されているな。

 あの時フェリオン様がおこなったのだろう。

 私達も一緒に切り離されて、移動していた方が良かったかも知れないな」


 「それは仕方なかろう。

 元老院の方々に、多額の資金の援助をおこなって貰っていたのだからな。

 本年度の予算など、とうに食いつぶしてしまった。

 あの金額ではまともな研究などできはしない。

 奈落のダンジョンへ張っていた結界も元老院あってできる事だろう。

 皆口を揃えて言うぞ」


 「それはそうなのだが、市民から寄付と称して搾取しているのは元老院達だろう。

 この惨状では何も言えない。

 その元老院達も消滅したみたいだからな。

 それどころか結界を張っていた第9研究開発室も私達以外全滅してしまっている。

 元老院と研究部門又軍事部門も全員が消滅してしまったのだ。

 残っているのは中央官制室の中には多数の反応、生存が確認できているだけだ。

 おそらくフェリオン様の力あっての事だろう。

 そのフェリオン様に私達はなんて顔を向けたらいいんだ」


 「イカロス、それには」


 「最悪私らは地上へ落ちなければならんないかもしれない。

 第一級非常事態を無視したんだから、フェリオン様のいう事聞いていれば恐らくこんな目には合わなかっただろう」


 「・・・」


 「とりあえずエネルギー貯蔵タンクから紫外線を取り出そう。

 元の姿に戻ってから私らの今後の事考えようではないか」


 「そうだな今はそうしよう」


 ・・・


 「どうだイカロス回復したか」


 「回復して元の姿に戻れたがこの痛み二度目だ味わいたくない物だな」


 「ああ、そうだな俺もこんな痛みは二度と味わうのはごめんだね」


 「さてこれからどうするかだ」


  !


 「イシス様」


 「これはイシス様どのような用でこちらに」


 イシスは2人を見て殺気を放ち強大な力を解放する。


 「こらイシスやめないか」


 「フェリオンどうして止めるの、あなたこいつらがどうしてここへ来ているのかわかっているでしょう」


 イシスは人が変わったようにフェリオンに答える。


 「第9研究部門の都市は切り離してこの場にはいないはずよ。

 ここにいないはずのこいつらがなぜいるのよね。

 おかしいと思わないかしらフェリオン」


 殺気を出して2人を威嚇する。


 イシスがこれほどの力があると知らなかった2人は固まったまま動かなくなってしまった。


 力を持っていると聞いていたがこれほどとは内心二人は驚きを隠せない。


 「イシスやめろ今はそういう事をしている場合ではない」

 フェリオンはイシスを止めに入る。

 イシスそんなことしているより早くエネルギー貯蔵庫へ入れてくれ。

 2人の処遇は私が回復してから決める。

 それまでお前らは中央管制室へ行ってレヴァータンの手伝いでもしていろ。

 早く、早く行け」


 「あたなたち運が良かったわね、フェリオンがそういうなら私も従うしかないわ」


  イリスは2人の肩をポンと叩いてエネルギー貯蔵タンクのある部屋の中に入る。


 2人は青ざめたまま放心している。


 ・・・


 「イカロスどうする」


 「どうしようもない、我々は命令を無視した反逆者だ。

 フェリオン様が許してもイシス様が許さんだろう。

 この場が落ち着いたら恐らくイシス様の下に使わされる。

 恐らく人体実験のサンプルとして扱わされるだろう。

 イシス様は普段は優しい方だが、裏切り者に対しては容赦がない怖いお方だ。

 目を付けられてしまった。

 再生せず消えていたほうがましだったかも知れないな」


 「・・・」


 「オーガス地上へ落ちよう。

 せめて私はあの攻撃をしたローパーに一矢報いたい。

 地上に降りて汚染されて黒翼人になってもいいだろう」


 「しかしそうなれば本当に私達は反逆者だぞ。

 同胞の翼人達と争わなくてはいけなくなるかもしれない。

 翼人のルールでは汚染されたものは除去と決まっているからな。

 それにローパーのあの攻撃では黒翼人になっても一瞬にして消え去るのみだ」


 「そうかもしれん、だが策がある。

 黒翼人として人間に憑依し融合する。

 魔人として動けばローパーもわかることはないはずだ。

 やつの攻撃を受ける確率も下がる。

 人間を利用しあのローパーを殺すのだ。

 そうでなければ我々の面子もたたんだろう。

 ローパーを殺せばイシス様も交渉してくれるかも知れない。

 交渉できたならば、おとなしく地上で諜報活動などしていればいいだろう。

 それしか私達の存在が許されることはないだろう」


 「そうだな、それしかなさそうだ。

 地上に落ちるとしよう」


 ・・・


 2人は地上へ降りはじめた。


 ・・・


 「フェリオンどうやらあいつら地上へ降りたらしいよ」


 「お前があいつらを威嚇するからだ」


 「仕方ないでしょう、命令を無視して元老院の連中とつるんでいる奴らだったから前からムカついていたのよ。

 いまから追って始末していいかしら、一瞬で終わらしてくるわ」


 「それはいい、奴らには時間をかせいでもらう。

 奴らのたどる道はおおかた検討が付いている。

 黒翼人になり人間に憑依して魔人となる以外はない。

 幸い管理者は翼人、黒翼人、魔人と分けて考えているらしいが、どれも同じ翼人なのだがな。

 奴らに引き付けてもらい体制を整える。

 いくら時間がかかっても構わない。

 それまでおとなしくしている。

 管理者は地上界でなにもしなければ、私達など関知はしない。

 それに」


 「元老院達がいなくなったのは幸いだよね」


 「そうだなイシス。

 あいつらのせいで戦乱の火種が多くあったのだからな」


 「元老院達がいなくなったのだ。

 私達だけで今後の事考えて見てはいいのではないか」


 「あはは、それよりもフェリオン。

 なにその姿、再生しても子供のままの姿じゃないの。

 うふふ、かわいい」


 「こら触るな仕方なかろう。

 ここのエネルギーではここまで回復するので精いっぱいだ。

 それに職員たちを回復する為のエネルギーを残しておかなくてはならない。

 とりあえず、今はこれで十分だ。

 切り離した各都市の回収してから翼人たちの復興を目指そうではないか」


 「そうね、私も協力するはちびっ子フェリオンたん」


 「そのフェリオンたんと言うのはやめていただきたいな」


 「うふふ、そういうことは大きくなってから言って下さいね。

 フェリオンたん」


 「クッ、お前には敵いそうにもないよイシス」

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