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第9話 ついてくるもの……


 母親ローパーからわかれて、幾年の月日がたったのだろう。


 私も成長し、今や体長が3メートル、大きい触手を入れれば全長5メートル以上の大きさになっている。


 母親ローパーよりも大きくなっている。


 ダンジョンの階段を登り、新階層へついてからも同じように狩りをし、食べて休みの繰り返しだった。

 と言うか、モンスターって生きるのにこれしかないのではと思っている。


 やることがないのでダンジョンの階層の探索をしている。


 すでに母親ローパーがいる階層から7階ほど登っている。

 光が射してくる形跡がないのでこのダンジョンは地下にあるのかもしれないと思っている。


 塔タイプのダンジョンであれば、外壁を沿りつづけていれば、光が必ず射して入ってくるはずだ。

 しかし、この階層に来る前も、一度もなかった。


 もしかして、光があたらない異世界と考えたが、ないとは言い切れないだろう。

 太陽がない世界があってもおかしくはないのだから。


 しかし、それも杞憂きゆうなのかもしれない。

 登っている階層ごとに違ったモンスターが現れる。

 光がなければ生きられないモンスターもいるのだ。


 それもおかしな事にどう見ても、私がオンラインゲームで知っているモンスターばかりいるのだ。

 光が射すとかもう、そんな事はいってられない。


 私って転生先がオンラインゲームの中ではと思ってしまった。

 もしくは、リアルでゲーム仕様に誰かが創ったダンジョンとしか考えられない。


 神か、神が気まぐれで創ったのか、それとも超異次元の高生命体、そいつが遊び半分で創ったの?

 そんな感じがしてならないのだ。

 

 それも創ったのが良いが幾年も放置されたダンジョンなのではと思ってきている。


 …… …… ……


 上の階層が行くほど敵はあきらかに弱くなっていく。


 私もそれなりに成長して強くはなっているが、あきらかに上の階層のほうが種族的に弱いモンスターが多い。


 地下迷宮ダンジョンの設定だったら、下の階層のほうがより強い敵が現れるのがお約束だと思う。

 上に登ればいつか地上に出れるかなと思っている。

 しかし、一向に先が見えないのだ。


 階層の探索も正直7階層を登ってくれば飽きてくる。


 飽きてくる理由は、なにもない、特に変わった事がなにもないのだ。

 宝箱も罠も隠し通路もイベントも何もないのだ。


 それにでかい、このダンジョン超がつくほど巨大なのだ。

 1フロア、20キロ~50キロくらいあるのではないか?

 普通に一つの街がはいるだろう、そんなところを探索しているのだ。


 歩くだけでも骨がいる。

 誰がなんの目的でダンジョンを創ったのかさっぱりわからない。

 これだけ探索してればなにかあるのではと思うが何もないのだ。


 一端、探索をやめてここで落ち着こうかなと考えてしまっている。

 上に行ってもなにもなさそうなんだ。


 このフロアの探索は半分くらい回ったか、拠点として寝床部屋は作っているので、そこへしばらく休みながらゆっくりと階層の探索をしようと考えている。

 正直、飽きて面倒になってしまったのだ。


 この階層を探索途中だが、それなりに強くやばそうなモンスターがいるのはわかっている。

 強そうなモンスターの真逆のエリアの、一番遠いところに寝床部屋を用意した。


 今のところは問題ないと思っている。


 …… …… ……

 

 いつもどおり起きてから石片を集め食べ終わり、狩りと探索に出かける。


 今日も同じ日課の予定なのだが、イベント? が発生したのだ。


 ……。 


 現在、索敵サーチスキルは常時使えるよになった。

 余りにも使いすぎたせいか常時使用している状態になってしまった。


 意識の集中次第で制度と範囲効果は変わるけど、自分の身に危険範囲内はほぼわかるよになっている。


 あくまで、ほぼなので失敗もたまにはある。

 敵が隠蔽いんぺいのスキルとか使っていたらさすがに集中しないといけないのだ。


 この階層は半分くらいしか探索していない。

 今日も探索していない新しいフロアに向かっている。


 調べていない新たらしい通路にさしかかると、同種族のローパーがいるのではないか?


 びっくりした、母親ローパー以外に始めてあったのだ。


 それもおかしなことに索敵の反応にひっかかっていない。

 精度はあげていないけど、目の前にいるならばわかるはずだが引っかからないのだ。

 と言うか精度をあげても探索には引っかかっていない?


 なぜ? 同種族なので索敵に引っかからないのか? 

 隠ぺいのスキルを使っている? 特殊な個体? 不思議でならないのだ。


 隠ぺいのスキルを使っているならば、私よりもできる相当な使い手だぞ、どう見ても見た限りはそんな気はまったくしないのだ。


 特殊な個体なのではないかと思っている。


 目の前のローパーを観察してみると、体長は母親ローパーと同じく触手ぬきで2.5メートルくらいはある。

 大きい触手の色も同じで赤色と黒色のしま模様があり、肌の色も白桃の肌色で見た目はまったく同じだ。


 雌のローパーかな? 私がまだ雄かわからないので判断がまだ出来ていないのだ。

 でも母親よりずっと若い感じがする。


 40メートルくらい先にいるが、あちらも警戒しているみたいで近づいてはこない。

 近づいてこないので、私はどう接していいのかわからないでいる。


 とりあえず、予定どおり、ダンジョンの探索を続けようと思い、探索していない別方向へ進む通路に移動する。

 しかし、追ってくるのではないか、それも距離が最初にあったと同じ40メートルを維持しているのだ。


 こちらが近づいてみると下がり、また引き放そうと早く走っても同じ距離を維持したままについてくる。

 いったいなんなんだあのローパーは、敵ではないと思うのだがどうしたらいいのかわからず困ってしまう。


 次の通路のとこで、まいてしまおうと思い、気配を消し俊足フットワーク使って一気に走り移動した。


 別の通路に入りついてこないのを確認したが、私は大きなミスをしてしまった。

 あのローパーのことを気にしすぎて、索敵をおろそかにしてしまったのだ。


 通路先の部屋には壁に張り付いている8匹のインプがいた。

 迂闊だった、あのローパーのことを気にしすぎて索敵を見余ってしまった。

 8匹か、こんなに数が多いのに気づかないとは……


 普段だったら索敵で調べ、気配を極限まで消し俊足フットワークで近づき先制攻撃でできる限りの数を減らす。

 数を減らしてから全滅させると言うパターンなのだが今回は正面から相手をしなくてはならない。


 幸いにもこのインプたちは、若い個体で戦闘経験が少なそうに見える。

 私が近づいてきたのに先制攻撃をせず、様子を見ているだけだった。


 経験のつんだモンスターだったら、近づいた瞬間に襲われ大ダメージを食らったに違いない。

 先制攻撃が圧倒的に有利だから、最大の力を使って襲ってくるのだ。

 

 先制攻撃は受けなかったのは良かったが、不利な状態になったのは確かだ。


 今までの経験でわかったことがあるが、インプでも個体差があり、戦闘経験によって強さの違いがでる。


 戦闘経験の豊富な個体は見た目にも違いが出てきている。

 インプの場合は肌が、灰色から黒に近い灰色になり、黒光りして硬く防御力がアップしている。

 武器なども所持し、多様な魔法とかも使ってくる個体もいる。

 武器をどこから手に入れたのか謎だが持っているのだ。


 同じ種族でもまさに別格の強さで進化した別種族といっていいほどだ。


 群れを成しているときにはリーダーらしき存在がいて、支持までして戦闘を有利に運ぶ隊長役をこなすやつもいる。


 単体でも群を抜いて強さを誇る。

 そいつらは慎重で狡猾だ無理な戦いはやらない。


 逃走判断も早く戦闘前に素早く逃げ出し、体制を整えうしろから襲ってくるやつもいた。


 母親ローパーといるときはそんな脅威ではなかったように思えたが、厄介な相手がいることもわかってきた。


 …… …… ……


 ちぃ、やるしかないか、硬質化ハードチェンジをかけ、体を硬くする。


 インプはやはり若い個体だ。

 一斉に全員で襲いかかってきた。

 愚策だな数で押し切ろうという安易な判断だろう。

 それに統率するリーダーらしき者がいない。


 私は瞬時に迎撃する。


 母親ローパーが前に使用した上位範囲雷撃魔法ライトニングバーストを唱える。


 「バシューン、バリバリバリ」

 上位範囲雷撃魔法ライトニングバーストを使い体から雷撃を広範囲に放出する。


 雷撃はインプたち全員にあたって床に転げ落ちた。


 全員を感電死するまでは、さすがにいかなかったが、追撃で大きな触手を使って頭部をたたきつぶした。


 「ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン」

 全員の頭をつぶしとどめをさす。


 呆気なかったと思ったが、インプを倒したうしろに何かがいた。


 やばいまたミスを犯した、素早くその場を離れる。

 

 今度はインプを気にしてまわりを見ていなかったのか?

 今日はおかしい、集中力のかき過ぎだ。


 うしろを見たら、そこには私をつけていた1匹のローパーがいた……


 

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