第83話 村からの情報・・・
私は一端、狐族のいる村に戻り、一晩お世話になることにした。
別の案件で時間をつぶしたが、幸いにも臭獣人の手掛かりらしいものが見つかった。
この村で少し調べてから行動しようと思う。
狐の獣人たちは最初は私を恐れていたが、神様の使いで地上へ来ていると適当な嘘をついたら、豹変して高待遇でもてなしてくれた。
凶悪な見た目をしているモンスターの私でも神様扱いでもてなしてくれる。
あぁ、こういうことなのね、力があるものがこういう嘘を言って現地の何も知らない人を騙すんだ。
困ったことを解決してやれば、もう神様扱いの待遇される。
それで自分の勢力に取り込んで手下にするんだな。
悪いことだね。
・・・
私の場合は井戸の案件を片付けたのだからなおさらかな。
狐の獣人たちには水の事で悩んでいたみたいだから、生活に死活問題だったから特に仕方ない事だったのかも知れないな。
・・・
おっと、そうだ忘れていた。
狼の獣人の死体を放置したままだった。
人目につかないところに置いたのだけど大丈夫だろうか。
とりあえずアイテムボックスに入れとくか、腹が減ったが狐の獣人たちの前では食べられないしね。
こっそりあとで食べてしまおう。
私は狼の獣人の死体を収納すべく置いてあった場所にいったら、数人の狐の獣人が困った顔をしていた。
しまった、此処では駄目だったか。
こんなところに死体が積んであると迷惑だっただろう。
私はすぐに空間収納魔法アイテムボックス を使い空間を開け入れてしまう。
狐の獣人たちが私が空間を開けたのを見て狼の獣人たちをいれたのを見たら、おおおと声を上げなぜか膝まづいた。
なんで膝まづくの?
確かに空間を開けて入れてしまうのはすごいことだよ。
私も今でも不思議に思っているがね。
なんか狐の獣人たちは勘違いしていないかな。
こういう異能と言える力を見せたりすると、ほんとに神様の使いとかと思われてしまう。
たぶん小さな村だからすぐに話が広がって、話にお尾引いてでかくなり別の変な話になっていかないかが心配だ。
モンスターの私でさえこんな感じで神扱いされるのだから。
見た目が近い種族で異能力を見せたら、ほんとに神様になって崇められてしまうよ。
これってある意味怖いな。
たぶん過去にもこんな扱いされて、いい気になって神様気取りになったやついるのではないかな。
もしかして臭獣人とかそうだったりしてね。
・・・
なんか食事とか用意してくれているみたいなんだけど。
何を用意しているのだろう?
適当に嘘をついて断ってしまうか。
あまり神様扱いされると困るからね。
いけにえとか用意されたら困るしね。
神様のお使いで来ているから食べられないとか適当に言うか。
用意したものはもったいないので自分たちで食べなさいとか一言、言っておかないといけないかも知れないな。
なんかものすごく気をつかうな、
狂信的に扱われているんだよね。
神様の事見たこと無いと言っていた狐の獣人たちがだよ。
でも人間の姿でこういう待遇受けていたら、私でも変なことおこしてしまうかも知れないな。
まぁ、見た目がもろ凶悪なモンスターだから自制はできるし、でも最初にあった時と違って恐れなくなったのは少し嬉しいんだよね。
さてと、寝床はどうするかな。
適当に村のどこか開いている空き地にいさせてもらおうかな。
私は狐の獣人たちに話し、開いている空き地があるのでそこを使わせてもらう。
今日はここを寝床にするとしよう。
まぁ、外だけど別にいいだろう。
日が暮れてきて夜が近くなってきたな。
雨がしばらく降っていないと言うけど、私が外にいるとき降ってきたら嫌だな。
なんか私が外にいると降ってきたりしてね。
休んでいる最中に雨が降らないことを祈ろう。
・・・
日が暮れて真っ暗になってきたら。
松明の火が見えたな、誰かやって来たのかな。
うむ、食事をとろうと思っていたけど駄目なようだな。
どうやら村長の娘のリードットとかいうお嬢さんかな。
いったい何しに来たんだろうか。
・・・
リードットはこちらに来た。
「お話があります、宜しいでしょうか」
「何ですかな」
「宴を用意したのに断りましたと聞きました。
なにか失礼なことでもありましたか」
うーん、先に話はしたんだがうまく伝わっていないのかな。
まぁいいか、村長の娘さんだしもう一度説明しておこうかな。
適当に作った嘘の話だけどね。
私は神様のお使いでここにきているから、待遇を受けることを禁止されていると言った。
また先に神様に十分な褒美をもらっているので特にそのような接待を受けることは必要ないと言う旨を話した。
一応納得はしてくれたみたいだね。
あとは神様の事聞いてきたね。
まぁ、現存する神様は管理者でいいだろう。
とりあえず私は管理者という神さまに使えていることを話した。
世界を統治している神様で世界を見守ってくださる方だが、自分では動くことができないので私のような使い魔がよこされたのだと適当なこと言ってごまかした。
それと仕事って言ってたことが気になっていたらしく私はこちらも適当に合わせた。
臭獣人という者が神様の名をかたって悪いことをしているという事を伝えた。
それを懲らしめるように私が神様に使わされたのだと言った。
かなり驚いていたね。
神様の名をかたっている獣人がいるのが信じられないみたいだった。
まぁ、そうだろうな。
神様を見たことがないのに信じている人たちが、神様をかたって悪さしている者がいると聞けば理解だってできないだろうな。
狐のお嬢さんは、なんか頭がこんがらがっているみたいだね。
いい機会だな、この獣人界のことを聞いておくかな。
とりあえず魔王軍の事を聞こうかな。
狐のお嬢さんに聞いたら魔王軍の事はよく知らないと言っていた。
うむ、これは難しい質問だったかな。
それじゃ角度を変えて話をしてみよう。
10年前くらい前人間同士と争っていた魔物がいたことを知っているかという話を聞いてみた。
またその時、獣人界で争いがおきていなかったとかも聞いてみた。
さすがにこのことは知っていたらしく、当時子供の時に争いに巻き込まれて狐族の人たちがこちらの地域に引っ越してきたと言う話をしてきた。
この山には怖い神様がいて誰も近づかないから当時の族長たちの意見でこちらに引っ越してきたと言っていた。
なるほど、この狐の村はまだ新しくできたばかりか、まあ敵対するものに対しよりより強いものの近くにいれば安心だよね。
その族長の判断は正解だったかもしれないね。
たぶんこの狐族たちでは人間達と魔王軍の争いには巻き込まれたらあっと言う間に滅んでしまうだろう。
それで狐族全般がこちらに引っ越してきたらしい。
この近くに他の狐族がいる集落があるみたいだ。
あれもしかして他の部族も魔王軍とかに襲われているのではないのかな?
そのこといったら驚いていたけど、隠れ里みたいに住んでいるからわからないと言っていたね。
それから、この土地に勝手に住んでしまったので神様が罰をあたえに来たのだと思っていたと言っていたな。
あぁ、そうだったか。
なるほどよそ者だから気が引けたのね。
・・・
私は前に争いをおこしていたやつの親玉を討伐するため私は来たんだと言った。
それでその大きい熊の獣人を探しているのだとね。
魔王軍が動いていて10年前の争いごとがまた起こるのではないかと危惧した神様に私が使わされたと適当な嘘を言ってしまった。
まぁ、半分はあってるけどね。
その魔王軍を探しているので知っていたらなんでもいいから情報が欲しいとね。
誰でもいいからおかしなことが起きて知っていれば、私に知らせてほしいと告げた。
まあ、話はこんなところだろう。
あと、今日来た魔王軍はどちらの地域から来たのか教えてほしいと聞いた。
あ、明日明るくなってからでいいよ。
指でどちらから来たか方向だけ示せばいいからねと付け加えた。
私もこの地域全く知らないし、どっちが北か南かもわからない。
それに疑問に思ったんだけど。
太陽って西から昇っているんだよね。
なんかこの星には、太陽らしいものはあるんだけど、地球と逆な方向で動いている。
それも時間がかなり短いので早く動いているのだろう。
というか太陽が動くのではなく、この星が動いていると思うのだけど?
たぶんそうだよね。
異世界なので太陽が回っている可能性も否定できないがそれはありえないだろう。
先日ダンジョンから出る為、結界を解くのに夢中になってやってしまったけど夕方まで時間がかっていたのには驚いたな。
まさかあれだけ時間がかかったとは思わなかったけど時間の進みが短かかったようなんだよね。
日の落ちがやけに早いのだよ。
地球の24時間で考えるならば、たぶん20時間くらいかな、あくまで私が感じた時間でだが。
そのくらいの時間で1日が過ぎてしまうかもしれない。
私はまだ地上に出たばかりなのでまだ確定とは言えないんだけど日が落ちるのが早すぎることは確かなんだよね。
たぶんこの星の特性だから仕方ないだろう。
まぁ、太陽が2つも3つもあるよりはましかな。
1日中ずっと明るいってことがあっても異世界では不思議と言えないからね。
時間の事気にしていてたけどこれからは考えないことにしよう。
とりあえず日が出て落ちて1日たったとだけわかればいいや、地上に降りたら余計時間の感覚がわからなくなってしまったよ。
私ってどのくらい生きているのかも不明だしね。
まぁ、食べると成長が早い生き物だってことはわかっているんだけどね。
それにこの地域で季節とかもあるかも不明だし。
聞きたいことはまだあったけど時間が過ぎるのが早いのでもう真っ暗になってきたな。
私はそろそろ暗くなるなったから家にに帰りなさいとうながす。
狐のお嬢さんは帰っていった。
さてと今から食事だ。
腹減ったので食べて私も休んでしまおう。
これからは朝日と共に起きなくてはいけないか。
ダンジョンに居た時は腹の減り具合で動くので、結構めんどくさいことになったな。
私は食事をとったあと石片を少しだけ食べる。
一応、直視の宝珠で確認しておくか、宝珠を見てみると真っ暗な景色が映し出されるな。
うむ、夜だから仕方ないか。
あ、そうだ、直視の宝珠に話しかけて、臭獣人の居場所わかるんだったら映すように頼もう。
私は一方的に話しかける。
これでいいだろう、もしかしたら明日映し出されているかも知れないな。
・・・
日差しが差してきた。
私は起きてくる。
うむ、
やはり時間すぎるの早くないか、もう朝だよ。
それにお腹まだ減ってはいないのであんまり動きたくないんだよね。
!
てか。
私ってお腹が空いたら動き出すのか、確かに前からそうだったけどお腹がいっぱいだから動きたくはないと思ったことはなかったんだよね。
腹の具合で動いていたのをあらためて確認する。
うーん、仕方ない動き出すか。
少しだけ石片をだし口に入れる。
これは習慣だからしょうがないな。
さてと直視の宝玉を覗いてみるかな、もしかしたら臭獣人映っているかも知れない。
覗いてみたけど残念な事にいなかった。
ま仕方ないか。
見た感じ風景も森林地帯映しているだけだな。
さてとそれでは狐のお嬢さんに魔王軍とやらがどちらの方向から来たか聞いてみるかな。
それと望遠透視能力 で探ってみるか。
私は村の中心部へ向かう。
むかった先の広間には狐の獣人が集まっていた。
村長の娘のお嬢さんを中心になにやら話をしているな。
朝が早いのにご苦労様なことだ。
わたしに気付き近寄ってきた。
元気良く挨拶してきたね。
私も挨拶を返す。
この世界でも挨拶と言う習慣があるんだね。
狐のお嬢さんはどうやら昨日私が話していたことを皆に告げたらしい。
おいおい話が別の方向にいって間違えていなければいいんだけど。
みんなに変わったことがなかったか、聞き取りをしていたみたいだ。
変な匂い以外は特に情報はなかったみたいだね。
どこから魔王軍がきたのか聞いてみると東のほうをみんなで指を差した。
なるほどねあちらか。
それとこの獣人界で強い勢力のもった部族がいる地域があれば教えてもらおう。
そしたら北西の方向をさした。
斑猫族の一族の集落があると言っていたね。
見た目を聞いてみると猫族なのだがひときわからだが大きくしまもようが入っている毛並みでおおわれていると言っていたな。
牙と爪が鋭く力も強いので最強の部族と言われているらしい。
あれ、それって猫ではなく虎じゃない?
まいいか、魔王軍が仲間を集め動いているならば接触する可能性もあるだろう。
と言うかもう会っているのかもしれないな。
それにその先には人間界が近いと言う話も聞いたね。
とりあえず望遠透視能力 で見ながら歩いていくかな。
私は狐族に挨拶して去ることにした・・・




