第63話 謎・・・
私は狩りをして寝床部屋に戻ってきた。
戻ってきたのはいいが、なぜか守護者のドラゴンがいる部屋に捨ててきた銀色の球が戻ってきているのだ。
守護者のドラゴンがいるところからだぞ、なんかしらこのダンジョンに関係するアイテムだろう。
目の前の銀色の球はそう考えてもいいと判断する。
考えても拉致があかないのでとりあえず部屋の角隅に置いておくことにするかな。
まぁ、こんなことで突っ込んだ事考えても、頭が疲れるだけだ。
ここは先駆者とやらが作ったダンジョンだ、なにがおきても不思議はないだろう。
冷静になるというかあきらめぎみに思う。
・・・
狩りをしてきたモンスターを彼女に渡し、食事をとってしまうことにする。
食べ終えた残りの分は非常食用倉庫に入れてしまう。
さてと、倉庫にも入れ終えたし、あとかたづけもだいたい終わった。
それではいつもどうり石片を食べて休もうとしよう。
休みながら部屋の角隅に置いた銀色の球を観察しはじめる。
・・・
ずっと見ていたら。
?
いきなり目の前に現われた。
嘘っ!
いきなり現れたぞ、これって瞬間移動か!
ずっと見ていたが、フッと浮く感じで目の前に現われたのだ。
床面に置いた状態になったけど、音もしなかったぞ、落ちればそれなりに音がでるだろう、それに転がりもしない。
なんなんだこの銀色の球は?
球ひとつに昨日から困惑させられている。
ある意味私は馬鹿ではないかと思えてきたよ。
うむ、仕方ないな、触れてみたらどうなるか試してみるかな。
あきらかに私になにかメッセージを発信している。
たぶんそう考えると危険なモノではないだろう。
私はからだから無数の触手をだし、恐る恐る銀色の球を触ってみた。
すると頭の中に風景が浮かぶ。
!
やけに明るい景色が見える、これって?
映像のようなものが流れてみえる?
いや違うな、もしかしたら地上か、地上の様子ではないのかな?
それも上空から地上を見下ろしている感じに見えるのだ。
180度の広い範囲で見えている。
私は全方向で見えるのだが、目線が前方向に感じられる感覚で見えるのだ。
一度、触手を放してみる。
うむ、たぶんダンジョン外の、地上の風景かな?
先ほど見た感じだったのは上空から見下ろしている木々の映像が頭に浮かんだのだ。
頭に浮かんだというよりも目の前に実際見てるような感じだったな。
もう一度触れてみるか。
私はもう一度、銀色の球を触ってみる。
触った時に球が動いたら、頭に描かれる風景も動いた。
これって球の角度?
というか動かすと見える範囲が変わってくるらしい。
角度を変えると下には人間の作った大きな町のようなものが見えるな。
レンガを積みあげたような家が多数、またその奥には取り囲むように何層もにできた頑丈そうな巨大な壁が見える。
城壁というやつか、3層ぐらい囲んであるぞ。
その奥には大きな中世の時代作られたような石のお城が見えるな。
これってどこかの国のお城かな、確かガゼルっていった冒険者、ネイビス大公国とか連合とか言っていたな。
そのどこかの国の一つかな。
私が見ているのはどこかの城下町といったところかな。
これはやはり映像ではないな。
この銀色の球を解して頭の中で描いてるって感じだな。
近未来でできそうな装置だなこれは、もしかして上空から地上でも監視しているのかな。
どうしてこんなものがここにあるのか、なぜ私にこのようなものを見せるのかわからないな。
これを私に持ってきた者の意図が不明だ。
もしかして地上の様子がどうなっているかと知りたいって言ったからシュマちゃんが持ってきてくれたのかな?
シュマちゃんは下の階層へは行くの許してくれたけど、シュマちゃんたちがいた階層の奥行に行くことは許してくれなかったんだよね。
あの階層にはこことは違って何か別のモノがありそうだったけど、さすがに見せてくれとは言えなかったからな。
でもなにか先駆者が関係するものがあっても不思議ではないね。
それを守護しているって感じだったからね。
それにシュマちゃんの能力が気になるな。
まるですべてを見透かしているような大きい眼玉が、からだ中央にあるからかな。
絶対何かの特殊能力は秘めていると感じられるんだよね。
あの階層から動けないと言っていたのに、やけに地上の事が詳しいし。
まるですべてが見えているような感じがする。
今ももしかしたら私の事見ているのかも知れないな。
気のせいだったらいいんだけど。
私が冒険者と戦っていたのも知っていたし、私の言った話を信じてくれたのでは無く、話のやり取りがまるで見ていて知っていた感じだったんだよね。
それにあのタコのモンスターの一族なんだけど、言葉がやけに人間じみていて流暢に話もできる。
まるで地上に行って人間と生活をしているように、言葉を理解して話しをするんだよね。
私に絡んできたあの若い連中も、話ができていたし、最下層から帰って来た時にあった、因縁をつけられたタコのモンスターなんか、おい兄ちゃんとか面貸しなとかヤクザ風なやり取りしていたし、やけに人間じみているんだよね。
もしかして遠くを見たり聴いたりできる特殊能力をタコのモンスター一族は持っているかも知れないな。
このダンジョン結界とかはってあると言っていたけど、それさえ関係なく透視とかできる能力を持っていたりしてね。
なんか怪しすぎるタコのモンスターなんだよね。
見た目もそうなんだけど。
でも私の前世で記憶にあるのは、確か宇宙生物ではなかったかな、それも宇宙征服をたくらんでいる高度な知的生命体だったはずだと思ったのだが。
まぁ、どちらの生物も怪しいことこのうえないね。
とりあえず地上らしきところをどこまで見れるのか、この銀色の球で見てみるとしよう。
私は銀色の球を方向を変えながら地上の世界を見渡してみる。
見られる範囲は固定された地域しか見られないみたいだ。
それに望遠機能とかは無いみたいだな。
頭に映像が浮かぶように映るので、私の特殊能力の望遠透視能力 も使えないな。
さすがに音も聞こえないし、地上がどんな状態におかれているくらいしか見えないようだ。
でもこれって調整すればできるのではないかな。
今この場では見えるだけかも知れないけれど、望遠機能とか、音を拾う機能とかあっても不思議ではないだろう。
もしかしてやり方があるのかな?
さすがにこの球を触っているだけではわからないな。
まあ、地上の様子が見れるだけでもいいか。
このアイテム、人間界を監視するくらいはちょうどよいアイテムだって感じだな。
・・・
それでは、ぐるりと回しながら地上の風景を覗いてみる。
かなりの森林地帯だな。
ここら辺は人間は入っている形跡はないか。
もう少し街よりのところ見たいのだが調整がなかなか難しく見られない。
お、広範囲で金色に見える農地らしい、畑が見えるな。
これって麦畑かな、上空から見ると光に照らされ金色に見えるよ。
なんかいい景色だな。
これだけの作物があるのだから、かなり豊かなところなのだろう。
他の畑らしいところも見えるけど、どうやらほとんどが金色に見える作物が見える。
麦を量産している地域みたいだな。
街のほう見たいのだけど、さすがに街中はどう角度を変えても見えずらい。
遠くから人がぽつりぽつり見えるが細かくは何をしているかまでは確認できないのである。
ただ商店らしい店かづらりと並んだ区域があるな。
人も結構多く見える。
うむ、せっかくなのだから近くによって見てみたい。
望遠機能できそうな気がするが、やり方がわからないな。
この距離で見た感じ、いわゆる中世のファンタジー世界ってやつかな、人々がそんな風に暮らしている街らしいな。
あ、城から少し離れた平地で300人くらいの兵士たちが訓練のようなことをしている。
ここはなんとか見えるな、かなり近くによるように見える感じがする。
この国の軍の訓練かな。
兵士たちの訓練はどの世界でもあるので普通の事なのかな?
まさか、戦争の準備とかしているかはわからないが、まぁ、それはないだろう。
訓練の様子を見てみるとどうやら隊列の並びや移動ばかりで戦闘訓練はおこなっていないみたいだ。
兵士の数も少ないし。
それに煌びやかな旗を掲げていて装備も銀色に輝く鎧を纏っている、これっていわゆる騎士というやつかな、その類の兵士たちが訓練しているみたいだな。
いろいろ角度を変えてみるが、さすがにこれ以上は詳しくは見えないか。
でも特に争い等がおこっている形跡はないみたいなので、一応、見えた感じは、いたって地上は平和って感じかな。
まぁ、あくまでもこの銀色の球から見える範囲なんだけどね。
私は一度銀色の球を床に置く。
うむ、地上らしき場所のの様子を見てみたが、別に私は見なくてもいいのではないかな。
今はダンジョンを出る気はないんだけどね。
どうして私にこんなもの見せたのかもわからないな。
管理者?
管理者が関係して、銀色の球を解して地上の様子を見せたのならば、なんか意図があるはずだよね。
いまいちわからんな。
ガゼルという冒険者が魔物の動向が活発になったと言っていたな。
その調査でこのダンジョンにきた、でもたてまえでほんとはここにいるモンスターを捕まえるというのが目的だったという。
地上で争いごとがおこる前触れでもあるのかな?
もしなにかおこるんだったら来訪者という異邦人がからんでるのは間違いないと思うけど、
自ら神を名乗るとは、よほどの力を持っているのか、貪欲な馬鹿とかしか思えないな。
まぁ、後者のほうと考えていいだろう。
このダンジョンにきた冒険者も、もしかしてそいつらの手引きかもしれないな。
うむ、今のところは様子見るしかないか。
というか私、なんか変な案件に巻き込まれていはしないかな。
すでに片足突っ込んでしまっているとかだったり。
これ以上この銀色の球を見るのはやめておこう。
管理者という者の思惑はわからないが、
怪しい案件に巻き込まれるのは遠慮したいね・・・




