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第54話 巨大スライム……


 これは困ったことになった。

 15メートルはある巨大スライムだ。


 私の持っているスキルと魔法を駆使すれば倒せない相手ではない。

 しかし、危険な方法だ。


 一番手っ取り早いのは、瞬間移動テレポートで近づき、超重力圧縮魔法ブラックホールで吸い込んで消滅させる。

 これをやれば確実に倒せるだろう。


 どちらも空間系の危険な魔法だ。

 他の魔法も危険だが、暴走する魔法はほぼないと言っていい。


 空間系の魔法だけは暴走したらどうなるかわからない。

 暴走が予測できないから危険すぎる。


 瞬間移動テレポートは位置がずれて、床面にめり込んで現れてしまう可能性も考えられるからな。

 非常事態以外は怖くて使えそうにもない。


 うむ、どうしようか、私の中の正攻法で気配を消して透明化能力インビジブルで姿を消しながら近づいて神剣で魔核を壊すという方法ができる。


 他から見れば正攻法と言えないが私の中では成立するので良しとしよう。

 しかし、魔核の数が多すぎるので、壊すことができるか問題だ。


 魔核を切り裂いている最中、巨大スライムに覆いかぶされたら一環の終わりだ。

 もがいても何もできず消化液で溶かされて死んでしまうだろう。


 大きい魔核だけ壊して、様子を見るという手でもいいか。

 ありと言えばありだが、そのあとがどうなるかは不明だから問題が残ってしまう。


 透視能力ルビーアイで見た感じでは、本体と思われる魔核は、床から1メートルほど浮いていた。

 そのまわりに15個ほど魔核が浮いている。


 スライムの本体、丸まればかなりの厚みができてしまう。

 なるべく伸ばすように平たくなれば外皮が薄くなって魔核も攻撃しやすい。


 スライムの外皮は思った以上に頑丈にできているから、攻撃がきかない。

 私で通用する魔法が他に何かあるだろうか?


 スライムは炎系魔法で燃やすというゲームの定番な方法があるけど、私は炎系魔法は使えない。


 凍結魔法はどうだろうか? 

 厚みがあるため全体を凍らせることは難しい。


 3メートルのスライムだったら凍らせることができると思うが、さすがに15メートルは無理がある。


 雷系で使える魔法であの分厚い肉壁を崩すのには範囲衝撃破魔法では無理だ。

 そうなると雷連撃弾魔法サンダーガトリングが有効か、確実にダメージが通ると思う。


 しかし、雷連撃弾魔法サンダーガトリングはこの前のインプトの件で痛い目をみてしまった。

 似たような事がおきたらどうしようかと悩んでしまう。


 スライムの中にある色が違う魔核が気になるんだ。

 

 魔核の数も多いし、あれってなんか意味があるのだろうか?

 今回のスライムは不明な点が多すぎる。


 と言うか、でかすぎるだろう。

 どんだけこの階層のモンスターを食らっていたのか想像もつかない。


 あとは私で新たらしく覚えた魔法を試してみるしかない。

 重力を操るグラビトン系の魔法。


 強力な魔法なのだが使い慣れてはいない。

 それに発動時間が長いそこが問題だ。


 重力で圧縮し動けなくして、他のスキルを使い止めを刺す方法か。


 私の好きな漫画で、ライバルのキャラが使う重力の魔法があった。

 重力系の魔法のイメージはそのキャラを参考にしたから思い描ける。


 使えるのはわかっていたが他の魔法で十分だったので上位の魔法はまだ使えるか試していなかった。

 透明化と透視を優先して新たな魔法の開発を怠った。

 今になって必要としてくるとは……


 重力層魔法グラビトンの魔法は使えるが、広範囲では今は難しい。


 経験が不足している。

 使用頻度の低い魔法でも練習しておかないといけなかったか、まさかあんなでかいスライムを相手にするとは思わなかった。

 手数がないと今の私のように対策が詰まってしまう。


 いろいろ試案をめぐらすが、うまくいく考えが思いつかない。

 とりあえず、巨大スライムの位置を把握しとくか。


 …… …… ……


 おかしい、透視能力ルビーアイで確認したがさきほどまでいた場所からいなくなっている。


 移動したのか、あの巨体でそんなに速く動けるの?

 索敵制度をあげて調べてみよう。


 ! やばい、これは予定外だ。


 マジか、こちらの近くに来ているぞ。

 あの距離を移動してきたというのか、距離的に2キロ以上はあったはずだ。


 まずいな、このエリアに入ってくるとは、と言うか私の方向へ向かってきている?

 私の事を察知して近づいて来たのだろうか。


 母親ローパーがいる方向へはいかせられない。


 私はすぐに、巨大スライムのところへ向かう。

 まずは直で見なければ何とも言えない。


 …… …… ……


 巨大スライムのところへたどりついた。


 でかい、見た目はやはりおかしい。

 本体は透明化しているのだが、30センチの青い魔核だけが浮いているように見える。


 同じように直径5センチから10センチの魔核が15個ほど浮いているのだ。

 青い魔核が1つ、小さい色とりどりの魔核が15個で全部で16個であっている。


 どうする、この通路で仕掛けるか。


 この通路は幅20メートルくらいある。


 やつの大きさでも形状を変えずに余裕で通れる。

 だがあの大きさだから一方通行で私が壁になれば抜けられない。


 私も逃げるときは後退しかできない。


 ! 母親ローパーも巨大スライムが来たのを感づいたようで、避難している様子だ。

 こちらのエリアに来させるのはまずいな。


 俺のネジには後退と言うネジをまわしていないんだ。

 と言うなぜか漫画で見たようなセリフを思いだした。

 

 ここで仕掛けるしかないか。


 …… …… ……


 ええい、やぶれかぶれだ。

 先手必勝。


 神剣を使い魔法を付価させる。

 重力の波がスライムの本体の青い魔核を中心に上空から圧し潰すイメージをし唱えた。


 「重力層魔法グラビトン

 青い魔核は地面に落下し、床面とともに『ベコリ』とへこんで粉々に砕け散った。


 よし、成功だ。

 あっさり砕けたぞ。


 私は追加攻撃で上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイクを唱える。


 「上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイク

 「ドガシューン、バリバリバリ」

 スライムは上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイクの直撃を食らった。


 上位範囲雷撃魔法ライトニングブレイクは直撃したがまったく効いた様子はない。


 透明化している外皮で電撃が遮断されたのか。

 くそう、電撃上位の魔法でもダメージをあたえられないとは。

 しかし、本体の青い魔核は壊した動きはにぶるだろう。

 ここがチャンスだな。


 ? 巨大スライムは様子を変えた。 

 中にある1つの魔核が淡い白く光り、スライム本体全体が光り輝く。


 なんだ体が光ったぞ、光った部分がスライムの体の大きさなのか?

 でかい、目の前で見る限り、あまりの巨大さに驚く。


 私は危険を感じて一端下がる。


 様子を見ていたら、粉々に砕けた本体の青い魔核が再生して、元の状態へ戻っている。


 ! 魔核が再生した。

 まさか回復魔法ヒールの魔法か、いやヒールではない。

 こいつは上位回復魔法グレーターヒールだ。

 厄介な回復魔法を使いやがる。


 魔核が完全に再生したのか、やはり魔核は治るのだな。


 巨大スライムは魔核を再生して変化し、色を変えはじめた。


 本体の様子が現れてきた。

 色が虹色にところどころ変化している。


 マーブル? 比喩が悪いが色が虹色に混ざったスライムの体がみえるのだ。 


 危険だ。

 幸い人間の肌色とか赤とかでなくてよかったけど、危険な色合いに見える。


 …… …… ……


 私はスライムの危険性と言うか、前世での事だが、昭和時代のホラー映画の動画をネットで見た事がある。


 映画のタイトルは確かブロ〇、だったか。


 南極大陸の氷の下から〇ロブを科学者が発見をして、自宅の冷蔵庫へと持ち帰ってしまう。

 冷蔵庫に保管されていたブ〇ブは、缶の中から脱走する。


 ぺットの猫、科学者本人、妻へと襲い、町の人間へと次々に襲撃していく。

 知能を持たない〇ロブは下水道の中に潜んで、最初は小さな桃色の肉塊のようなものだったスライムが人を襲いながら大きく成長してとてつもなく巨大なスライムになると言うホラー映画だ。


 目の前にいるスライムと同じよに、15メートルくらい巨大だった。


 それも人間を半端に取り込んでいるために人間自体そのままな中に組み込まれているという気持ちが悪い姿だった。


 肉塊のスライム、襲う時は水道管から侵入し蛇口から現れたりシャワーの口から肉が飛び出るよに出てきたりと気持ちが悪い現れ方で人を襲ってでかくなり続けるという。


 マンホールのふたを開けて、人間を引きずり込むシーンもあった。

 あまりに怖かったので途中、飛ばしながら見ていたので全部は把握してない。


 最後は確か液体窒素で凍らせ燃やされたのだと思ったけど、どうだったかな。

 そこまでしか私は覚えていない。


 スライム最強伝説とか言っている人はまずこの映画を見た人と言って間違いない。


 ブロ〇と言う映画を見るだけでスライムの怖さが変わる。

 私は見てしまったのでスライムが最強かと理解できるよ。


 映画とスライムのイメージが重なって怖さが倍増している。


 目の前のスライムは終盤で人間と戦っているやつと色は違うのだが同じに感じられるのだ。


 怖い、怖すぎだ。

 ここはもう最終手段だ。


 超重力圧縮魔法ブラックホールを巨大スライムの目の前に出現するイメージをする。


 イメージはバレーボールくらいの黒い空間だ。


 「超重力圧縮魔法ブラックホール

 ! なぜだ、魔法を唱えるが発動しない。


 どういうことだ。


 私は雷撃槍魔法ライトニングボルト牽制けんせいをしてみた。


 「雷撃槍魔法ライトニングボルト

 雷撃の槍が巨大スライムにむかう。


 あたる直前に電撃が消滅したように消えてなくなった。


 これは魔法無効化魔法デスペルを使用していると言うことか。


 最悪だ。

 魔法無効化魔法デスペルが使用できるのか、肉弾戦では絶対に勝てそうにもないぞ。


 勝てるとしたらオリジナルスキルで対応するしかない、それでもどこまで通用するかが問題だ。


 もうすこしだけ様子を見る。

 場所をかえよう。

 モンスターがいないエリアに誘導する。


 近くに母親ローパーがいるので、気がきで戦えるような気がしない。


 落ち着け、落ち着いて攻略手段を見つけるのだ……

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