第35話 疑心……
索敵をするとこちらに何かが近づいてくる反応がある。
私はガゼルに「話は中断だ」こちらへ近づいてくる反応があると話す。
私は先ほど治したガゼル右足首をもう一度神剣で切り裂く。
ガゼルは痛みのために苦痛を上げる。
「グウ、なぜだ」
私はガゼルの体を触手で掴み部屋の端に放り出す。
「グウゥ」
右足を切られた痛みと放り出されたせいで蹲っている。
「そこでおとなしくしていろ」
私は相棒の彼女に声をかける。
何かが近づいてくる事を知らせ、反応の逆の通路に誘導する。
相棒の彼女も私の誘導に従い隠れだした。
どうするこの通路で迎え撃つか、それとも部屋の中に誘い込んで対応するか、まずはなにがこちらへ来ているのかわからない。
この反応がいまいち何かわからない、ただ大きいような物体が近づいてくるような気がする。
部屋の入口で待つか、いや目視できてからあちらが気づいたら部屋の中に入ろう。
部屋の中で対応したほうがいいだろう。
近づいてくるのを待っている。
「ズシン、ズシン、ズシン」
何か大型の物が動く足音のようなものが聞こえてきた。
生物ではないな、床面が割れるような音もまじって聞こえる。
近づいてきた相手が見えてきた。
ゴーレム? ゴーレムか、巨大な石のゴーレムが現れた。
10メートルクラスの巨大なゴーレムだ。
色は灰色でド〇クエに出てくるモンスターに似ているような気がする。
それに人間だ、人間が2人いるのではないか。
巨大な石のゴーレムの左肩付近に若い青年らしいやつが座っている。
もう一人はその後ろをついてきている。
こちらも若い青年のようだ。
くそう、私はバカだ、ガゼルの言う事を真に受けて話を聞いてしまった。
ダンジョンに来た冒険者はもういないと言った。
いたのではないか。
日本人の気質というか、疑っていてもそれなりに話のつじつまがあえば信用してしまう。
詐欺師に騙されるパターンと同じだろう。
言葉を巧みに使い肝心なことは言わず、ごまかし都合のいい相手の話だけに誘導され、信用し騙される。
私にはあの人間たちが増援に来るまでの時間稼ぎで、話をあわせてきたとしか思えなくなってしまった。
なんらかの手段で連絡をとったのか?
ちくしょう、ガゼルが言っていたことは話半分かもしれない。
私はすぐさま部屋に戻りガゼルにたいして 重力層魔法の魔法を唱える。
ガゼルをペシャンコにつぶす。
もういい、この世界の人間たちの情報は、話半分であてにはならない。
前世でいた世界よりも確実に怪しすぎる。
あいつらはこちらの部屋に入って来た時に確実に仕留める。
見えたら仕掛ける、誰だろうがもう関係ない。
私はゴーレムがこちらの部屋に見えたら発動するように魔法をイメージする。
もう手加減とかそういう問題ではない。
今ある能力をすべてだして対応するだけだ。
部屋の中で待ち構える。
ゴーレムに乗った人間と後ろからついてきた人間を確認する。
超重力圧縮魔法の魔法を使用する。
形振りなど構っていられない。
巨大なゴーレムの腹付近に、バレーボールくらいの黒い空間を発生するイメージをした。
「超重力圧縮魔法」
魔法が発動した。
突如として現れた黒い空間は巨大なゴーレムを瞬く間に吸いこみ、ゴーレムに乗っていた人間と後ろを歩いていた人間をも吸い込んで虚空の中へ消えていった。
2人の人間は悲鳴を上げる間もなかった。
ただ、体がつぶれながら一瞬の間に黒い穴に吸い込まれていく。
これでいい何者かを確認する必要もない。
生死のわけたモンスターの戦いでそんなことはまったく必要もないはずだ。
…… …… ……
私は能力不足を痛感する。
特に索敵系の能力が甘すぎるな、ゲームとかのイメージで魔法を使っていては駄目な気がする。
ガゼルはこのダンジョンが古代神が作った生物の遺産と言っていた。
神が作りそのうえ、地上にモンスターが出たとき人間界に甚大な被害が出たという。
その話を信じればとてつもない能力を秘めたモンスターがこの中にはいるのだろう。
私もその生物兵器とするならば、もっと高い能力が秘めている可能性がある。
ゲームで思い描いて使っていた魔法を参考にしてきたが、今度はまったく異質の力があるか試してみることも考えられる。
索敵と気配の消し方に関しては相棒の彼女のほうが上だ。
私と別の感覚でなにかを感じているのだろう。
魔法に関しては前の実験で風刃の件がある。
イメージは同じでも名前が違った程度では、イメージと同じ効果の魔法が発動する。
イメージさえあっていれば、名前など多少違っていたくらいではまったく変わらない。
それではもっと想像力をあげて、自分で思ったイメージと名前を付けて使ってみれば他の魔法が使用できるのかもしれない。
今こそ前世で得た知識と漫画脳をフルに使うべきだ。
確か漫画とかで、気とか念とかチャクラとかの人によって全く異なる能力が使えるが、私も自分だけ使える技のようなものをを考えてみる。
今度はスキルと魔法に加え、気とか念とかチャクラとかの技を試してみるんだ。
そうでないとこの異世界で生き残るのは厳しすぎる。
神が作った生物兵器と言うならば特殊系に特化した能力が秘めてあるはずだ。
気だ、気の能力で索敵をおこなうイメージで使ってみよう。
念でもいいか、少しでも制度があがればなんでもいい。
とりあえず今度は索敵のイメージを変え半径50メートルを、完全に把握できるイメージでおこなう。
曖昧な索敵をしていたがそれでは不十分すぎる。
常時50メートル範囲で完全に特定できるようにしなければならない。
できてきたら範囲を拡大して能力値を極限まで上げるのだ。
まずは相棒の彼女を索敵をできるかそれが一番の課題だ。
いまだに索敵で相棒の彼女の事がわからない。
彼女は私がいるところはどこでもわかるのに、彼女と同じくらいの索敵ができるようにならなくてはいけない。
とりあえず冒険者がいないか慎重に行動し、一端自分の寝床部屋に帰ろうとするか。
あとは、そこにある大量のアイテムをとりあえず運んでしまおうか、食糧になりそうなものを先に運んでしまう。
これらのアイテムは地上の情報を得るのに最適だ。
大量にあるが寝床部屋は近いので運ぶのは大丈夫だ。
相棒の彼女にも手伝ってもらおうかな……
相棒の彼女をこちらへ呼んできた。
先ほどミノタウロスを食ったので、おなかはまだ減っていないと思うがガゼルが出した、動物の肉のブロックがある。
それを食べさせてしまおうか。
それから手伝ってもらうとしよう……




