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デモンズ・ゲート  作者: 梅
第3章
42/50

誇り


 雷鳴の刻印を発動させたアレンの体は、刻印から発せられる魔力により強固な魔装に覆われていく。

 手に魔装を集中させ、アレンの首を割こうとするコリダロスの槍を掴んだ。

 「なっ! 馬鹿な!」

 コリダロスは予期せぬ事態に驚いた。

 世界樹の魔力を帯びた槍の刃を、素手で掴まれる事など初めてであったからだ。


 アレンは槍を掴んだまま、コリダロスの腹部を蹴り付ける。

 その蹴りは人間とは思えないほどの力で、半獣と化したコリダロスであっても傷みつけられて行く。

 しかし、それでも槍は離さなかった。


 「……っ! お前、さっさと手を離せよ!」

 

 「……私の魔装が無くなれば、この世界樹の槍であろうと今の貴様には破壊されるだろう。これは……この槍は私にとっては命より大事なもの! 破壊されては困るのだよ!」


 半獣の姿をした者が、その身からは似合わぬ人間臭いセリフを吐く。何ともチグハグな光景にアレンは攻撃の手を緩めてしまった。

 一瞬、ほんの一瞬ではあるがアレンの槍を掴む力が緩んだ。コリダロスはその隙を見逃しはしない。

 アレンへ体当たりをすると、槍を全体重を掛けた力でもぎ取った。


 「戦いの場で迷うなどあってはならぬ事。貴様のその底知れぬ力には驚かされたが、精神はまだまだ青いな」

 アレンが体勢を立て直した頃には、コリダロスは十分な距離を取っていた。

 それを見てアレンは相手の行動の意味を考える。


 槍が手から離れれば、槍の魔装は薄くなる。だから距離を取ったとは言え、槍を投げる遠距離攻撃をするためではなく。俺があいつの間合いに入った時に、攻撃を合わせる返し技狙いか?

 

 「S・エンハンス!」

 アレンは刻印により上がった身体能力とエンハンスの力で、高速でコリダロスとの距離を詰める。

 コリダロスはアレンの読み通り返し技を狙っていた。しかしアレンはその身のこなしに緩急へ入れ、不規則な動きとする事で返し技を打つタイミングをずらす。

 

 徐々に狭まって来る距離に、コリダロスは返し技を諦め自ら槍をアレンへ向け突く。しかし反対に、その突きに対してアレンが返し技を決めた。

 アレンの剣は、コリダロスの太ももを深く切り裂き機動力を奪った。

 

 激しい痛みにコリダロスが怯むと、アレンは更に斬りつける。

 肩を斬られながらも気力で槍を振るが、アレンは悠々と回避する。そこへ更に斬られていない足に向け、マナの水魔法が放たれ貫通した。

 コリダロスは遂に、膝を地面に付き動きが止まった。


 

 

 「さぁ、この村から出ていけ! 二度と現れるな!」

 コリダロスを見てアレンは言った。

 

 アレンは剣を納め、マナの元へ向かった。


 「今し方、青いと忠告したはずだぞ!」

 コリダロスは翼を羽ばたかせ宙に浮き、まだ戦う姿勢を見せる。

 「やめろ、そのまま向かって来ればお前を殺すことになる」

 「フンっ! このまま背を向け逃げるなど出来るか! この国の騎士ならば戦いの中で散るものだ!」

 

 コリダロスは死を覚悟した捨て身の攻撃を出すのだろう。

 今までとは違い穏やかな表情に見え、満足げな顔にも見て取れた。

 

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