シヴァニの成長
名前:シヴァニ・メリディナル
種別:鬼人族
年齢:16歳
性別:女
職業:神官
レベル:3,641
攻撃力:43,819(2,190,950)
魔力 :47,473(2,373,650)
防御力:43,152(2,157,600)
精神力:87,804(4,390,200)
運 :148
スキル:【剣術(★★★★)】、【結界(★★)】、【灯り(★)】、【縮地(★★★)】、【治癒(★)】、【浄化(★)】、【鑑定(★)】、【防御(★)】、【身体強化(★)】、【耐性(★)】、【解毒(★)】
おお! レベル、3,641か……
シヴァニのステータスも、大きく上がっている。
いや、上がり幅の割合から見れば、セシリアよりも大きい。というか、レベルだけでみれば、この世界で指折りとなったんじゃないかな?
レベルはすでに、セシリアの倍以上。
もっとも、セシリアは「勇者」だからレベルアップ時のステータスアップの値が桁違いになる。セシリアの倍のレベルなのに、ステータスが1/4~1/5なのはまあ仕方がないだろう。
シヴァニは神官だけあって、「精神力」は他のステータスよりも一段高かった。なので、ここだけはセシリアの半分に迫っている。
スキルも、新しいものが【身体強化(★)】、【耐性(★)】、【解毒(★)】の三つ生えて、そして【縮地】の星が一つ増えている。
【縮地】は今の戦闘で何度も使ったからか。【けいけん】の千倍アップが効いているのだと思う。
上がったレベルは2,000以上。スキルが獲得できるチャンスはレベルが20上がるたびだから、100回のチャンスで3つの新しいスキルを得られたのはどうだろう?
俺の場合は、【ぷらすわん】のひらがなスキルがあるから、レベルが20アップするたびに、必ずスキルをゲットできていたから比較はできないし、よく分からない。
でも、セシリアはレベルが約400上がって二つの新しいスキルを得ていたことを考えると、これは「勇者」と「神官」の職業の違い、というところか。
そして、光っていた角もようやく落ち着きを取り戻した。
その色は――――薄い白色。
さすがに完全なクリアにまでは至らなかったが、濃い白色ではない。セシリアの角は俺が作ったようなものだから比較はできないが、角だけを見たならシヴァニの方が上位者に見える。
「ふぅ……師匠、どうですか?」
熱く、くすぐるようなレベルアップの体感が終わったのだろう、怪しく身もだえしていたシヴァニは、荒い呼吸を落ち着かせながら尋ねてきた。
「うん、十分強くなったんじゃないかな。たぶん、剣闘会でベスト4も狙えるんじゃないかな?」
今年の出場者のステータスがどれくらいなのか、詳しくは知らない。
でも少なくとも精神力だけ見れば、上から何番目、というのは間違いないと思う。もしかすると精神力はトップの値になるかもしれない。
「そ、そうですか!」
シヴァニは嬉しそうだ。
このまま【ふやす】のひらがなスキルをかけっぱなしにしておけば、優勝は間違いない。
それもダントツの成績で――――傷一つ追うことなく優勝できるだろう。もちろん、シヴァニの将来を考えて、そんなことはしないけれどね。
その時、自分の状態を確認していたセシリアが話しかけてきた。
「ルイ、今の魔獣って、強かったんじゃない?」
「うん。この迷宮のボスクラスのステータスがあった」
「迷宮ボスではないのね?」
「迷宮ボスじゃないと思う」
俺の【まっぷ】で確認すると、最下層にはボスの赤点が今も光っている。この赤点を【かんてい】してみると、今戦ったエルダーリッチと同じステータスを示していた。
「ただ、ボスとほぼ同じ力は持っていた」
「ボスが増えたってこと?」
「さあ……どうだろう?」
正直、なぜこんなことが起きたのかは分からない。
この階層の隠し部屋で現れるのはデュラハンだけだったはず。それに、俺たちがこの部屋から出ない限り、新しいデュラハンがリポップすることもないはずなんだけれど……
一応、【かんぱ】に確認しておこうか。
俺は、心の中で呼びかけた。
『【かんぱ】、今、いいかな?』
『是、なんでしょう?』
【かんぱ】に呼びかけるのは久しぶりのせいか、声のトーンが嬉しそうに感じられる。
『【かんぱ】、デュラハンしか現れないはずの隠し部屋に、迷宮のボスクラスの魔獣が出現した理由ってわかるかな?』
『留、エァフズマイズ迷宮で過去に同様の事例は確認されていません。ですが、他の迷宮では常に新しい事象は出現します。ただ、今回の新しい事象がなぜ起きたのか、またどういった意味合いを持つのかについては、データ不足です。分かりません』
なるほど。それもそうか。常に新しい出来事はどこかで出現している。今回は、それがたまたま発生しただけ、という可能性もあるということか。
ただ、気のせいか、ここ最近、今まで見たことがないことを経験しているように思う。アンラビフォン迷宮での出来事もそうだ。
とはいえ、俺の手に負えない出来事でないから、まだましか。
『【かんぱ】、ありがとう』
『是、いつでもお声掛けください』
どうやら【かんぱ】は、もっと自分を使って欲しいようだ。ただのスキルのはずなのに、なぜか人格のようなものを感じる。
まあ、それはいいか。
「ちょっとスキルで確認したけれど、分からないみたい」
「そう……」
セシリアの表情がさえない。俺が考えたように、彼女もアンラビフォン迷宮でのできごとを思い出していたのかもしれない。
「師匠は、スキルを使えばボスがなぜ増えたか分かるんですか?」
何かを考えているセシリアの代わりに、今度はシヴァニが尋ねてきた。
【かんぱ】のスキルのことは、ひらがなスキルの説明から始めないとダメだから、表現を変えておく。
「過去に、おんなじことがあったかどうかを調べるようなスキルかな」
「それって、オレにも生えますか?」
「うーん、どうだろう」
ひらがなスキルは、異世人にしか生えない。シヴァニの祖先が異世人なら、僅かな可能性があるかもしれないが、たぶん望み薄だろう。
それでも、絶対に生えないとは言い切れないし、今、セシリアには普通の【看破】が生えたばかりだ。もしかすると、【かんぱ】に似たAIのような通常のスキルが生えることがあるかもしれないからね。
なので、少しぼやかして返事をしておくことにした。
「シヴァニは、何か調べたいことがあるの?」
「オレは……いえ、いいです」
何かあるみたいだ。
それでもすぐに口にしないところを見ると、少しややこしい話かもしれないし、人には聞かれたくない話の可能性もある。
今は無理に聞かずに、いずれ、頼ってきたときでいいだろう。
「どうしても、ということがあったら話してみて」
「はい」
「よし。急なボス級との戦いだったけれど、しっかり倒せたし、しっかり成長もできたようだから、今夜はもう休もうか。番は俺がするから」
急な襲撃と、急なレベルアップで高揚しているけれど、これからは寝る時間だ。
「「はい」」
二人は、素直に返事をするとテントへと戻っていった。




