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第十六話 レベリング再び

第十六話 レベリング再び


 クレア達は無事に教育合宿を終えた。魔石集めは、リフリアが加わって5人組になったクレア達の圧勝だった。そして教育合宿後の特別休暇を含む週末の5連休、クレアは仲間を連れていつもの訓練場でレベル上げを行うことを計画する。

 合宿からの帰り道で仲間にレベル上げのことを相談してみる。

「確かにあの魔物が大量に湧いたらクレア様以外は今のままでは危険かも知れませんわね」

「それにもっと強い魔物もいるのでしょう」

「私、もっと強い魔物も自力で倒せるようになりたいですわ」とアナベラ達3人は乗り気だ。

「しかし、困ったことがあるのです。アナベラ様達を背中と両手に抱えて居ると、リフリア様をどうするか……」と言うクレアに、すかさずアナベラが提案する。

「まだ、前が空いているでは在りませんか。リフリア様に前から抱きついて頂けば5人で飛べますわ」

 なるほどと納得したクレアは、帰宅後に早速おんぶひもを1本追加した。


 翌日、学生寮の前に集まった5人は早速準備に入る。

 まず、クレアはアナベラを背中にくくりつけた。次にリフリアに前から抱きついてもらい二本目のおんぶひもでくくりつけようとしたが、ここで問題が発生する。二人の胸部装甲があまりにも立派すぎて密着しにくいのだ。

「うらやましい悩みですわ」とアナベラ達3人がぼやく。結局クレアとリフリアは一旦部屋に戻り、サラシをきつく巻いて胸部装甲が邪魔にならないようにしてから再び出発準備をした。


 背中にアナベラ、前にリフリア、両手にタニアとトリニアという陣容でクレアは飛翔魔法を使った。まるで肉の鎧を着込んだようにも見える。


「何よ何よこのスピード、どうなってんのよーーーー」初体験のリフリアが叫んでいる。

「確かに何度体験しても異常なスピードですわよね」

「でも、あなたは後ろを向いているんだから私たちよりましではありませんこと」と両腕のタニアとトリニアが言う。

「ものすごい勢いで景色が遠ざかっていくのよーーー。

 よってしまったらどうするのよーーーー」

 リフリアは乗り物酔いの心配をしているようだ。

「その姿勢でもどしたら許しませんことよ!」リフリアの言葉を聞いてアナベラが叫ぶ。

 もしリフリアがもどせば、そのゲロは負ぶわれているアナベラの顔面を直撃する未来が見えたためだ。

「それなら、もう少しスピードを抑えてよーーーー」

「大丈夫ですわ、リフリア様。結界魔法で空気抵抗をなくし、揺れもほとんど無い上に直進しているので横Gもなしなのです。これで酔うことはありませんわ。それとも少し結界を弱めて風を感じながら飛んでみますか?」

「無理無理無理ーーーーー」クレアの提案を全力で拒否するリフリアだった。


 オリンポロリス山脈にたどり着いたクレアたち御一行は前回同様2秒に一体の割合で神話級の魔物を屠り続けた。一日目は出発がごたついたせいもあって12時間で2万1千体と少し、二日目以降は一日14時間で2万5千体ほどの魔物を倒した。

 最初は悲鳴を上げていたリフリアやアナベラ達も、レベルアップに伴い平常心でいられるようになった。最終日はクレアを除く4人がかりで大きな竜を瞬殺することにも成功している。

 クレアが鑑定で確かめてみたところ、アナベラ、レベル7940。タニア、レベル7100。トリニア、レベル7010。リフリア、レベル6456となっており、みんなめでたく人外の仲間入りをしていた。

 今や、クレアに頼らなくても世界を滅ぼせる人材が4人も誕生していたのである。

 5人が門限ギリギリまでレベリングにいそしんで帰宅してみると、学園は一種異様な雰囲気に包まれていた。教師や戦える生徒達がグラウンドで何者か分からない2人組と対峙していたのである。


 5人が学園へ帰り着いたのはまさにそんなときだった。

 遙か上級からレベリングによって強化された視力で異常事態を察知したクレア達5人は相談の結果、この騒動の真ん中に降りることにした。というのも、最も視力のよいクレアが、闖入者2人の内の一人が先日倒した妖魔と同じ出で立ちであることに気がついたからだ。更に近づいて観察するともう一人の闖入者もクレアには心当たりがあった。


「あれは、間違いないわ。戦士が暴走した結果魔物化する暴走者よ」

「以前、クレア様が言っていたキンセンのお話の中の強敵ですね」リフリアが確認する。

「ええ、間違いないわ。人間離れした大きさと言い、手足が8本あることと言い、暴走者ならでわの特徴よ。皆さん、気を引き締めてください。暴走者の中には戦士を遙かに上回る強敵もたくさん居ます。あの個体がどの程度の暴走者かは分かりませんが、油断しないでくださいまし」

「「「はい、分かりました」」」アナベラ達は元気よく返事をした。


 かくして、空中でおんぶひもをはずして自由に動けるようになったクレア達5人は、大悪魔ルキフェリウスゴーマニゼリフィルと邪神の目の前に着地したのである。







レベルが上がって五人とも飛べるようになっていますが、クレアが一番速いので長距離移動時はおんぶひもの出番があります。

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