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付箋  作者: 日浦海里
5/5

追加の1枚 もう一枚の付箋

本編は4枚目までで

こちらは番外編になります。


加賀見くん視点です

朝起きると、

子供達の食事の準備までが僕の日課だ

女性の朝の準備は時間がかかるし

そもそも彼女は朝が弱い


子供達を送り出す準備を終えて

家を出るまでの間

子供達は教育番組のチャンネルを見る

それは子供達にとっての小さな頃からの日課だった


子供達が教育番組を見ている間、

僕や彼女は出社の準備を終えてしまうが

その日の僕はいつもより早く出社の準備を終えていて

子供達と一緒になってテレビを座って眺めてた


♪~


「お父さん、お母さんのコアラさんだよ」

「お母さんのコアラさんっ」


それは確かにあのキャラだった

昔、兄貴の子供にせがまれたときにも

そういえばアニメでやっているって話は聞いていたけれど

まさか今でもやっているなんて思ってもいなかった


呆然となりながら、

手元にあるカバンから

手帳を取り出し開いてみる

手帳に挟まったバインダーには

あの日彼女に貰った付箋が

今でも変わらず貼ってある


「お父さんもお母さんのコアラさん持ってる~」


それを見つけた上の子供が

手帳を貸してと手を伸ばす


「ダメだよ、これは。見るだけね」


そう言って、隣に座らせ手帳を見せる

そんな僕達を見つけた彼女が

テレビに映ったキャラクターを見て

「あっ」と驚いた声をあげ、


「これ、やってたんだ…」


と近寄ってきて、

その後、僕の手帳に視線を移して

もう一度、「あっ」と驚いた


彼女の言葉に僕は感情を抑えきれずに

思わず笑い出してしまう


「どうして貴方がこれ持ってるの?」


彼女はそう言いながら、ばたばたと寝室へ走り去る

何しに行くかは分かってるけど

戻ってくる前に会社に出ようか…

そんな意地悪なことも考える


「どうしてっ!?」


寝室からの彼女の声を聞き

僕はもう一度笑い出した

子供達は不思議そうに僕の事を見ていたけれど

それでも僕が楽しそうなので

よくわからずに笑い出す


きっと彼女は自分の手帳に

ちゃんと「あの日」の付箋があるから

それで驚いているのだろう


絵本のキャラとハートのマーク

それから小さな「スキ」の2文字

そんな付箋が全部で「2枚」

存在するなんて思ってないから…

最後までお読みいただきありがとうございます


これにて、付箋、終幕です

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