第六十九頁ー参加してみよう
ワイワイ…ワイワイ…
朝の日差しが窓から差し込み始めた教室では
教室のあちこちには鞄が無造作に置かれ
あちこちで生徒たちが輪になって話している
小さな会話があらゆる方向から響いてくる
…
ヒソヒソ…
女子たちが輪になって集まっている
顔を寄せ合い
たまに目だけを上げて周囲を見回す
「やっぱりこれにするべきだったかな?」
「級長がすでに露骨すぎるって言ってたじゃない」
「別にいいでしょ?他の学校も着てるし何も問題ないわよ!」
「でもこの衣装、借りるのも結構高いんだよね」
「私、この学校の男子の前であの衣装は着たくない!」
…
…
ガヤガヤ…
男子たちが互いに寄り集まっている
腕を高く上げ、満面の笑みを浮かべ
「やっと実力を見せるチャンスが来た!」
「今度こそ他のクラスに顔を知らせてやる!」
「今年の優勝は俺たちのものだ!」
「オーッ!」
…
目を細め、まっすぐ男子のグループの方を向く
顔がわずかに引きつり、考えが頭をよぎる
「ただの体育祭だろ」
「俺たち、誰かと張り合うわけでもないのに」
…
…
バンッ!
「何ボーッとしてんだよ?」突然手が背中を強く叩く
…
ヨロッ…
「…」体が軽く揺れ、足が数歩前に進む
…
「レン…」目を細め、頭をわずかに後ろへ向ける
「どうして毎回そうするんだよ?」
「もっと優しくできないのか?」
…
ニカッ!
「悪ぃ悪ぃ!」レンが手を後ろ頭にやり、明るく笑う
「もう癖になっちまってさ!」
…
「それに…」レンが腕を組み、何度も頷く
「お前がボーッと立ってるから悪いんだよ!」
「他に方法がなかったから、こうするしかなかったんだ!」
「そう、不可抗力だ!」
…
「次からはせめて一声かけてくれよ!」目が垂れ、顔がわずかにしかめっ面になる
「あるいはせめて手加減してくれよ!」
「まだ朝なんだからな」
…
ヒラヒラ…ヒラヒラ…
「はいはい、わかったわかった」レンが手を何度も振り、丸い目でまっすぐこちらを見る
「でももっと大事なのは…」
「お前、どの種目に登録するつもりだ?」
…
ガックリ…
「…」顔を無理やり別の方向へ向け、まぶたが徐々に下がる
…
「どうした?」レンが目を丸くし、頭を傾けてこちらを見る
「何か変なこと言ったか?」
…
「いや…実は…」唇をわずかに動かし、頭を必死に逸らす
「その話は…」
…
…
ワッハッハッ!
「マジかよ?」レンが腰を曲げ、手で腹を強く押さえ、止まらない笑顔で
「どうしてそんなに簡単に乗せられちまったんだよ?」
「しかも二回も引っかかったのが怖いだろ!」
…
「何が面白いんだよ!」体をレンの方へ伸ばし、顔をしかめ、両手を激しく振る
「俺だってそうなりたかったわけじゃないんだぞ!」
「ただ…ちょっと忘れてただけだ…」
…
「まあいいさ、もう過ぎたことだろ!」レンが目を丸くし、ゆっくり体を起こす
「どうせお前が引き受けてくれてよかったよ」
「じゃなきゃクラス全体で一週間も揉めて、結局誰も決まらなかったかもしれない」
…
「は?」頭を軽く傾け、目で周囲を流し見る
「それは…別にいいだろ?」
「俺が参加しなくても、どうせ誰かがやるだろ」
…
はぁ…
「そうなってくれたらどれだけ楽だったか!」レンが手を横に出し、頭を何度も振る
「でもな、みんなは…」
「どの種目もやるって言うのに、バドミントンだけは…」
「やる気がないか、そもそもできないか」
「昨夜クラス全体でこの件で揉めたんだぞ」
…
ポリポリ…ポリポリ…
「でも…俺もそんなに上手くないし」手を後ろ頭にやり、目をわずかに伏せる
「せいぜい適当に打てるくらいだ」
「参加できる実力なんかないだろ」
…
グッ!
「問題ない!」レンが親指を高く上げ、目を輝かせてこちらを見る
「知ってるだけで十分だ!」
「結果なんてどうとでもなる!」
…
「でも…正直言うと…」あちこちへ視線を向ける
「俺、上手くないし…体力も…」
…
「全然大丈夫!」レンが親指を目の前に突き出す
「参加するだけでいいんだ!」
…
「わかった」軽く頷き、体をわずかに後ろへ引く
「参加する」
…
うーん…
「ただ、そうなるとお前にはちょっとキツいかもな」レンが手を顎に当て、目を天井へ向ける
「バドミントンが終わった直後に宝探し競争だろ」
「時間がタイトすぎないか?」
「級長に変更を頼んでみようか…」
…
ズーン……
「…」冷たい感覚が背筋をまっすぐ駆け上がってくる
…
プルプル…プルプル…
「…」レンの目が徐々に青ざめ、体が凍りついたように固まる
…
ゴゴゴゴゴ……
「ねえ…さっきもう話したよね?」ミズノさんの声が突然響く
「ハッチももう同意したでしょ?」
「なのに今になってなぜ変えようとしてるの?」
「それとも…本当に知りたいの?」
「言っちゃいけないようなこと…」
…
ガバッ!
「ハル!」(((;゜Д゜))) レンが両腕を強く掴む
「世界の平和のために…」
「この教室のみんなの命がかかってるんだのために!」
「今回だけは我慢して手伝ってくれ!」
「この恩は必ず返す!」
「お前が欲しがるものなら何でもやる!」
「だから参加してくれ!」
…
「あ…うん…」顔を別の方向へ向け、眉をわずかに寄せる
「わかった…」
…
ふふっ…
「それでいいのよ」ミズノさんの声が突然柔らかくなる
…
…
ふぅ…
「助かった」レンが両腕を徐々に戻し、顔を低く伏せる
…
モジモジ…モジモジ…
「でも…そうなると…」指先同士を軽く触れ合わせる
「俺が参加するのって…本当に大丈夫なのか?」
「つまり…勉強なら問題ないんだけど…」
「運動となると…少し…」
…
ガシッ!
「いい加減にしろよ!」レンが突然腕を首に回し、目を教室の方へ引き寄せる
「体力とかそんなの重要じゃないだろ!」
「いつまでも勉強ばっかりしてる必要はないだろ」
「たまにこういうイベントがあるんだからな」
「みんなと少し参加するくらいどうってことないだろ!」
…
…
にこっ…
「そうだな」軽く微笑み、目を周囲の生徒のグループから離さない
「こういう機会がいつもあるわけじゃないし」
…
コンッ!
「そう理解できれば上等だ!」突然本で頭を軽く叩く
…
スッ…
本がゆっくり下ろされ、見慣れた教師の顔がはっきりと現れる
「だがそれは後で話せ」
「今は授業を始めるぞ」
…
「そっちの連中もだ!」ハヤマ先生の目が部屋中を見回す
「一度いい結果を出したくらいで終わったと思うな」
「早く落ち着いて今日の授業を始めろ!」
…
バタバタ…バタバタ…
「はい!」生徒たちが慌てて席へ戻る中声が響く




