ケーキの予約③
意を決したように自分の返答を待っていた店員にそう告げた。
「あっ、はい、バースデーのご予約ですね? ・・それではこちらのご予約シートにご記入をお願いいたします。次のお客様どうぞー、カウンターお願いしまーす」
女性店員は、レジカウンターから少し脇によけそっちの方に新地結菜を誘導し、ケーキの予約用シート一枚とボールペンを一本取り出し、記入するように促した。
レジカウンターには呼ばれて素早く別の店員が入ってきて、後ろに並んでいた女子学生への対応を始めた。
新地結菜はケーキの種類、個数、バースデーの人の年齢、予約者名、携帯番号を記入した。しかし、ケーキの受け取り予定日時欄で筆が止まった。何時受け取りにすれば良いのか分からない。
受け取り時間を早い時間帯にしてしまえば、最悪閉店までの間にいつでも取りに来られるだろうが、ケーキを取りに来るのが極端に遅くなってせっかくの最高においしいケーキの風味があまりにも落ちてしまうのはいたたまれないな・・としばらく葛藤した後、結局受け取り時間だけは書けずに申し訳なさそうに店員にボールペンとケーキの予約用シートを差し出した。
「・・はい、ありがとうございま~す・・ご予約者様は“新地”様でお間違えなかったですか?」
「・・はい、しかし、当日にケーキを受け取りに来るのは“渡村”という男の人です。あの、見てもらったら分かると思いますが、受け取り時間を記入していません・・。まだケーキを取りに来る渡村に何時頃受け取りに来られるか聞いていませんでした・・。すみません・・。後日分かったらお店にご連絡させていただきます」
「あっ、はい、かしこまりました、当日にお受け取りに来られるのは・・“渡村”様ですね・・。ケーキのお受け取り日は7月27日、お受け取り時間は後日ご連絡いただけるということですね・・。お受け取り日の前日の7月26日午後9時までに当店にご連絡ください」




