こんな朝にはレモン水が似合う。
ママとの話し合いの末、あたしはまた勉強を頑張る事にした。
「不幸な未来を回避するために根回ししておくっていうのはとても大事な事だけど、あなたが前世を思い出して行動する事で、未来は変わっているのかもしれないでしょう?
もしかしたら何も起こらず、このまま生活する事になるかもしれないし。
どんな事が起こるか、いくつかのパターンで想定して、どうなった時もすぐに対応出来るようにしておくのよ。
もしも国外追放される事があったとしても、そうなった時に身を立てれるよう、
何が自分の出来る事を考えるの。
漠然と不安を感じで怖がってもしょうがないわ。
まず、自分が出来る事をするの。
その積み重ねが、あなたの不安を消してくれるわ。
大丈夫、追放される事になっても、パパとママが一緒よ。
1人になんてしないわ」
朝、薄暗い中2人でコーヒーを飲んでいる時、ママにそう言われて、鼻の奥がツンとした。
静かなキッチンで、穏やかに、でも力強いママの声が胸にしみた。
前世の記憶を思い出したって、あたしはただの12歳の子供なんだ。
おまけに、自分はこれから人に疎まれて、国まで追い出されてしまう運命に生まれてしまったのか、と
楽観的に考えようと思っても、不安なんだ。
不安はきっと完全に消し去る事はできない。
でも、できることをするんだ。
そう思うと気分が少し軽くなった。
「よし、じゃあ、お昼に皆で食べるパンでも仕込んでおこうかな!」
料理はママに似て苦手だけど、パンだけは好評なんだ。
「いいわね、ユーリのパンは柔らくてふわふわだから、小さい子にも好評なのよ」
きっとたた捏ねが上手だからね。
優しく笑うままの頬に朝日がさすのを見て、
やっぱり鼻の奥がツンとした。
「でも、ごめんね、ママ今日は固形物無理かも…」
うん。ママすっごいお酒くさいからね!!




