入学式へと
お久しぶりでーす!
こっちの方ばかり進めて申し訳ないです。
そして、まだもうしばらくもう1つの方の続きはないと思っておいてください!本当に申し訳ありません!
あ、そういえば、今日FGOのイベ終わりましたね。
「ハッ…ハッハッハ!一介の生徒ごときがここにしゃしゃり出てきたのか?自殺願望が強いようだなぁ!」
「いえいえ、そんなそんな。俺がそんな大層な男に見えますか?」
「ひゃっひゃっひゃ!男っつーか、女って感じだけどな!」
「よく言われますよ。」
俺は応答しながら、指をパチンと鳴らした。
今使った能力は、創造神の権能の1つ、催眠。
これは、夢を創るという意味を含んでいるため使用可能と、クーリが説明してくれた。
「さて、これで生徒や先生の目は無くなりましたね。」
「それはつまり、お前のダッセェ姿が拝められなくなったってだけだろ?」
「まぁ、そんな感じですかね。」
「チェ〜、せっかく見せしめに痛ぶって殺そうと思ってたのに。」
「何でてきてんのよ!」
いきなり後ろから声がしたことに俺はびっくりして後ろを振り返った。
ミスった……。さっき催眠の権能を使ったのは生徒側でこの壇上にはかけてなかったんだった。それはつまり、生徒代表のオーリアは催眠にかかってないということだ。
〈し、しまったぁ!おい、まずいぞクーリ!〉
《別にまずくはないかと。》
〈なんでだよ?〉
《私としては、私たちが有名になるのは特にまずいことでもありませんので。むしろ、貴方には有名になるだけの素質があると思っているぐらいですから。》
〈テメェ、もしかして後ろに生徒いること知っててやったな?〉
《さてさて、どうでしょう?》
〈ちっきしょう、後で覚えとけよ!〉
俺はオーリアの方は向き直った。
「あの場で相手を刺激するとか馬鹿なのか?」
「な、なんですって!」
「あー、もういい。後でにしろ。お前話長そうだから。」
「あ、ちょっと!」
「じゃあ後はよろしく、クーリ!」
《かしこまりました。》
相手の魔術師たちは不思議そうに首を傾げている。
「茶番が終わったと思ったら、何独り言言ったんだ?」
「おい。サーカス、気をつけろ。何かこいつやばいぞ。」
「何ビビってやがるんだ?テイロス。オメェがこんな雑魚相手にビビる玉かよ?それに俺はマーカスだ!」
「いや、あいつが独り言を言った後、周りの空気が冷たくなった気がするんだが、まぁ気のせいだ……。」
そう、テイロスというやつの勘は当たっている。俺はあの時にクーリと入れ替わったのだ。
『さて、魔術師。準備はいいですか?』
「はっ!随分と余裕そうだな?俺を相手にして勝算である風だが?」
『いえ、別に2人まとめてかかってきてくれても構いませんよ。』
おいおい、随分と煽ってるけど大丈夫なのか、クーリのやつ。
〈おい、クーリ。そんな挑発して大丈夫なのか?〉
《忘れたのですか?私は創造神ですよ?まぁ、私の実力を見ててくださいよ。》
◇◇◇
俺は少しは注意していたんだ。俺の仲間のマーカスは舐めていたようだが、あの男はまず間違い無く強い。そう、俺の勘が言っていた。だからこそ、俺はあいつの一挙一動に注意していたのだ。それなのに……それなのに、俺は他に伏せさせられている。
どうしてだ!?一体何が起こったというのだ。
マーカスの方は一瞬にしてあの銀髪のやつに地面に叩きつけられてピクリとも動かない。死んでいるわけではなさそうだが、もう戦えはしないだろう。
「キ、キサマ、一体何しやがった!」
『普通に頭を掴んで地面に叩きつけただけですよ。』
「一体どんな魔術を使いやがった?」
『敵である貴方に教えるとお思いで?』
ちくしょう、嫌なやつだ。だが、俺もやられたままにはいかない。
「はっ!今のは不意打ちでうまくいったみたいだが、次はこっちからだ。」
俺は雷系統の魔術を使った。
「行くぞ!ライトニング・ラッシュ!」
あの銀髪の男に光の雨が降り注ぐ。もちろんあいつの背後にいるマーカスには当たらないようにしてだ。
そしてもちろんこれが本命ではない。
「本命はこっちだ!アンリミテッド・バーン!!」
この魔術は俺が出せる最高位の爆発系統の魔術。間違いなくあいつは消し炭になっているに違いない。
「ふ、フハハハ!やったぞ!」
奴の死体を見るために煙の立っているところに目を凝らした。
『これが本命なのですか?』
カツカツカツ
聞きたくない、信じたくない足音と声が煙の方から聞こえてくる。
「あ、ありえねぇだろ。何故平然と立っていられる!?」
『何故、と聞かれましても困りますね。』
「なんだ……と?」
『あんなものを攻撃と呼ぶならば拍子抜けですよ。』
あんなもの?俺の出せる最強の一撃をあんなものだと?
いや、そんなわけない。何かトリックがあるに決まってる。いや、待て。聞いたことがある。魔術を防ぐためだけの術式の存在を。
「そうか、キサマ、対魔術防御障壁術式、通称"八咫烏の鏡"を使ったのか!」
クックック、なんの術式が使われたのかさえわかればこっちのものだ。
普通この術式を使ってくるやつは他の術式が使えない。そしてあの術式は一度使えばもう一度使用するのにかなりの時間を要する。ならば相手が次にしてくる行動は見当がつく。
そう、近接戦闘!!
◇◇◇
クーリには分からなかった。
"八咫烏の鏡"なんて術式は使った覚えがない。いや、そもそも先程の魔術を防いだのは魔術なんかじゃない。神の力、権能の1つを使っただけだ。
というか、私の体、もとい私たちの体に魔力があっても、現代、この世界に今使われている魔術は行使できないのだ。それがこの体の弱点。神の体であることの弱点だ。
そのかわり、神代の魔術なら使える、と思う。やったことはない。だから正確に言うなら分からないが正しい。
まぁユージが使いたいと言い出したら使えるかどうか試してみるのも一興だなと思っていた。
『さぁ、貴方の見出した活路とやらを見せてください。』
すると、テイロスは地面に素早く魔法陣を書いた。
「この術式がわかるか?これはな、錬金術って言ってよぉ、そのお得意の八咫烏の鏡じゃ、防げねぇってわけだ。まぁ、そもそもその技はしばらく使えないだろうがなぁ!」
テイロスが錬金術で作り上げた武器を投げつけてくる。
それを見て呆れたクーリは、ため息をつきながら、投げつけてきた一本目の剣を掴み取り、続いて来る武器を薙ぎ払った。
「なっ!」
『ユウジ、最後のいいところは貴方に譲りますよ。』
〈サンキュー!〉
「おい魔術師。」
「ヒイッ!!」
「私利私欲の為だけに周りの人を巻き込んで不幸にしたこと、後悔しやがれ!このクソ野郎が!」
バッキーン!!
殴り飛ばしたテイロスは泡を吹いて動かなくなった。
パチパチパチパチ
「いやぁ〜すごいねぇー。まさか1人で魔術師2人を倒しちゃうなんて。」
嘘だろ?気配すら感じなかったぞ?
俺は声のする方へと振り返った。
するとそこには、金髪の少女が立っていた。
「誰ですか?」
〈クーリ!アイツの解析頼む!〉
《かしこまりました。解析開始します。解析中……エラー。解析できません。》
〈おいおい、まじか。〉
《申し訳ありませんが、解析はできません。彼女の周りに解析を邪魔する障壁が展開されているのではと推測します。》
「気は済んだかい?」
まるで俺たちが解析を試みたのを知っているかのように尋ねてきた。
「残念ながら私のガードは硬いよ?」
「どうやらそうみたいですね。」
「じゃあ、大人しく話を聞いてくれるかな?」
「まぁとりあえず話だけは。」
「おぉ!君は物分りが良くて助かるよ!私の名前はクロハ。でこっちが、」
クロハが講堂の扉をさらに開けると、そこには黒いスーツを着た男とその背後には先程攻めてきた魔術師と同じ服を着た人が山積みになっていた。
「執事をしております。メルセデスでございます。以後お見知り置きを。」
「私は新入生、1A-5クラス所属のユーリと申します。貴方達は敵ではないみたいですけど、一体?」
《お気をつけください。あの黒スーツの男、詳しくはわかりませんが、かなり強いかと進言いたします。》
〈いや、あの後ろの山積みになってる魔術師見たらわかるよ。あれはヤバイね。戦ったら勝てると思う?〉
《確率で言うなら五分五分と言ったところでしょうね。》
〈クーリにそこまで言わせるなんて……。アイツ一体何者なんだ……。〉
創造神であるクーリがそこまで警戒する奴とははっきり言って戦いたくはない。できれば、見方であればいいのだが……。
「ん?あーそうだったね!私はここの学校の学園長さ!」
「え?学園長?」
「そう、学園長!それで君に謝らなければならない。」
「謝る?一体何のことででしょうか?」
「実はね……」
クロハ学園長が話してくれたことを要約すると、本当は侵入してきた魔術師達に気づいて全員倒すことも可能だったそうなのだが、わざと2人ほど見逃して、講堂に向かわせ、新入生の実力を測るつもりだったそうだ。
もちろんやばくなったら助けに入るつもりだったらしい。けど、そんな心配する必要のないくらいあっさりと魔術師2人を倒しちゃった新入生が現れた。そんな新入生がどんな人物かを見るために今ここにきて今に至るとのことだった。
「なるほど、でも俺に謝るのではなく、それだったら新入生全員に謝ったほうがいいと思いますよ。」
「おや、君は私のことを責めないんだね?」
「まぁ。」
事実、俺が戦ったわけではない。クーリがちょちょいと倒してくれたのだからまぁ疲れてもいないわけだ。
「おや?もう1人新入生がいるみたいだね。」
すっかり忘れてたけどそうだった。
「は、はい!はじめまして、新入生代表を務めさせていただいております、オーリアと申します。」
「オーリアちゃんね。覚えたよ!でも意外だなぁ、てっきりユーリ君が新入生代表かと思ったよ?」
「俺は違いますよ。ただの一般人ですから。」
「アハハハ!君が一般人な訳ないだろ?ねぇ?オーリアちゃん?」
「はい、全くだと思います。」
これは困った。俺の目立たないで学校生活を送るつもりだったのに、新入生の1人と学園長にバレてしまった。
「俺は、ただの一般人です。それ以上でもそれ以下でもないですから。」
「君は本当に目立ちたくないみたいだねぇ〜。魔術師なら普通、目立ちたがるものなのに。そういえば、君は本当に新入生代表じゃないんだね?」
「はい、そうですけど?」
「さらにその銀髪、そしてユーリという名前。うん!私の探していた新入生というのは君のことだったんだね!」
「探していた?」
「そう!だからこの入学式が終わった後に学園長室寄ってね!さぁさぁ!そろそろ自分の席に着かないとみんなにバレちゃうよ?君がこの魔術師達を倒したって。それとオーリアちゃんには今回の英雄になってもらうけどいい?」
「わ、わたしですか?別にいいですけど、私でいいのですか?」
「そうだねぇ、ユーリ君も目立たずに済むし、オーリアちゃんは名声をあげられる!まさに一石二鳥だよ!じゃあ催眠の解除はユーリ君、よろしくね?」
「はい。」
俺は指を鳴らした。
「んーっ!あれ?さっき侵入してきた魔術師達は?」
「あれ?何で俺たち寝てたんだ?」
俺はわざとらしく声を大きくして言った。
「おい!みんな!前見てみろよ!オーリアさんが俺たちのこと守ってくれたみたいだぞ」
効果は抜群。一気にオーリアへと注目が集まる。
「もしかしてオーリアさんが私たちのことを守って下さったの?」
「それだけじゃないみたいだぞ!!あの魔術師を制圧までしてある!」
みんなが一斉に騒ぎ出す。
「皆さん、静かにしてください!えー、入学式の続きを行います!オーリアさん、よろしくお願いします!」
あの司会担当の先生、全部あのオーリアって生徒に投げやがった……
「あれ?トイレから戻ったのか?ユーリ!」
俺に気がついて話しかけてきたのはクレインだった。
「あぁ、まぁね。今戻ったところだよ。それよりもみんな騒がしいけど、何かあったの?」
「そうそう!聞いてくれよ!さっきお前がトイレ行った直後くらいにヤバそうな魔術師2人が講堂に入って来てさ!」
「ほうほう、それで?」
「いやぁ、お恥ずかしながらそこからの記憶が曖昧でして……。でもな?どうやらその魔術師から守ってくれたのがオーリアさん、いや、オーリア様だったらしいんだよ!」
「へぇー。」
「なんだよ、感動薄いなぁー。」
「仕方ないだろ?俺はトイレ行ってて見てないんだから。」
「いーよなぁ、お前だけ難を逃れてさ!」
どうやらクレインは俺が壇上に上がって指をパチンッと鳴らしてみんなを昏睡させたことは覚えていないようだ。多分他の人も同様だと思う。
その後恙無く新入生代表の挨拶は終わり、在校生代表の挨拶が行われた。その後に予定では学園長の挨拶があったらしいのだが、急遽無くなったそうだ。
こうして、波乱の幕開けとなる入学式が終わったのであった。
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