第107話 訪問者
柴犬コボルドの里は以前より一回り大きくなった。
拡張工事は元々あった家などはそのままに里の外周を広げるだけなので、そこまで難しい作業ではない。
そのため比較的短い時間で工事は完了した。
拡張され広くなった場所にはまずクラウドシープの放牧地が設けられた。
もちろん彼らの好物の草もそこに併設して栽培している。
次に他のスペースについてだが、今のところ決まった使い道がない。
なのでコボルトたちが自由に過ごせる広場として利用されることになった。
気球で遊んだり、かけっこしたり、クッションの上でくつろいだりと思い思いに過ごすコボルトたち。
里の外に出なくても気軽に遊べる場所ができたのは、コボルトたちにとって良いことだった。
こうして柴犬コボルトの里の拡張工事は成功に終わる。
後日。サクラが広場の様子を見に行くと、
「あら?知らない子がいるわね」
コボルトたちがくつろぐ中、見慣れない動物を発見する。
「ココッ」
1匹のニワトリが広場を歩いていた。
鑑定してみるとニワトリはモンスターで、クラウドシープと同じ非アクティブモンスターだとわかる。
里の中に入れている時点で敵意のない安全なモンスターなのは間違いないだろう。
それにしてもどこから紛れ混んたのだろうか。
コボルトたちに聞くも、彼らが連れてきた訳ではないらしい。
「ねぇあなた、どうしてここに来たのかしら」
サクラはニワトリに尋ねる。
「ココッ」
ニワトリは理由を話し始めた。




