表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/28

「 じゃあね、あっちゃんまた明日~! 」

これから、部活に向かう吉田紗枝と別れて、あち子は、学校を出た。


あち子が学校から帰ると、リビングでは、水曜日で部活が休みのためか、弟健太が、もう家にいて、テレビを見ていた。

いつものくせで、ぽちがよくいた、クッションを見ると、最近よくみられる光景があった。

健太のはいた靴下が、クッションの上に乗っかっているのである。


「 健太、また靴下おいてある。ぽちがくさいってよ。 」


「 ぽちは、僕の靴下が好きなんだよ。反対に泣いて喜んでるよ。 」


あち子は、言い返そうかとも思ったが、ぽちが喜々として、健太の靴下を、運んでいた光景を、思い出してやめた。

たしかに、あのぽちなら、天国から喜んでいるだろう。


「 今日は塾の日よ。まだ時間があるから、夕ご飯の前に宿題だけやったら。 」


母の美佐子の声で、健太は重い腰を上げて、リビングを出て行った。

母の美佐子は、キッチンで、夕食の下ごしらえをしていた。



リビングには、あち子一人。


学校には慣れてきたが、やっぱり新しい生活は、まだちょっと緊張しているようだ。

だら~りとしたい。

思いっきり、ソファでごろりと横になると、ぽちのクッションが目にはいった。


ぼ~と見ていると、なんだか違和感を覚えた。

なんだろうと、よ~くみていると、なにやらクッションの上に、茶色い靄のようなものが見える。


目の錯覚かなあと見ていると、今度はクッションの上の靴下が、動いているような気がする。


もう目が離せず、起き上がり凝視していると、靴下がクッションから、コロンと落ちた。


えーーーーー! うそっーーーーー!


風が入ってきた様子はない。地震もない。クッションが、動いた様子もない。


さっきは、クッションの上にいた、茶色の靄が今度は、クッションから落ちた靴下の上に、移動している。

たまらなくなったあち子は、母の美佐子を呼んだ。


「 おかあさーん!、ちょっと来てーーーー! 」


「 な~に 」


母の美佐子が、手をタオルで拭きながら、リビングにきた。


「 おかあさ~ん、さっきね、クッションの上にあった、靴下が落ちた。

それにね、見てみて。靴下の上に、なんか茶色い、靄みたいなのがある。見えない? 」


あち子は、茶色い靄を指さすが、母の反応は鈍かった。


母は、クッションのほうをしばらく見ていたが、


「 え~? なになに? そんなもの見えないわよ~。 」


クッションの横に、落ちている靴下を、拾い上げいった。


そのまま母は、靴下を洗濯機に入れるため、リビングを出て行った。



いつの間にか、茶色い靄は消えていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ