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愛犬もどきはあち子がお気に入り  作者: にいるず


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( 今日も、見えるょ........ )


それからも、不思議なことに、あち子にだけ、茶色い靄が見えた。


最近では、なぜか靄が、濃くなってきた気がする。


これだけ濃くなってきたから、家族の一人ぐらい、見えるんじゃないか。

しかも健太の靴下が、お気に入りなのか、健太の靴下の上に、靄は出てくるのだ。

あち子は、あの靄は、ぽちと関係あるのではないかと、思っている。


そこで家族が、揃っていたとき、わざわざ健太に、履いている靴下を脱がせて、

クッションの上に、おかせた。


父牧夫と母の美佐子は、テレビを見ていて、二人のやり取りを、気にもしていなかった。


健太も、いぶかしがりながらも、いつもしていたことなので、おとなしくいうことを、聞いてくれる。

そこであち子は、いつものように、じっと見ていることにした。


しかしである。

いっこうに茶色い靄は、靴下をクッションから、落とさないし、やはり誰にも、茶色い靄は、見えなかった。

あち子は、しまいにはあの茶色い靄に向かって


「 ぽちーー! ぽちーーーー! 」


と叫んでみたりした。

しかし何も、起こらなかった。


ただ家族に、かわいそうな子を、見るような目で、見られるだけだった。


家族から、したら変な行動を、数回繰り返した後、あち子は、これは自分にしか見えないんじゃないか、という結論に達した。

しかも、あの茶色い靄の好物は、健太の靴下。健太の靴下が、動くところを見ると、やはりぽちが、関係しているのではないかと、しか思えない。


( でもどうしてみんなには見えないんだろう。みんなだってかわいがってたのに。

やっぱりあれ?。私って心が清らかだから? )


家族が聞いたら、絶対に白い目で見られるだろうことを、考えていた。



*****



そんなことがあっってから、何日かたったある日、あち子が一人リビングで、ごろごろしていると、茶色い靄が、出てきたと思ったら、どんどん濃くなってきて、何か形ができてきた。


何かに、似ているなあと思っていたら、そのなにかは、ふよふよとこちらに、浮かんできた。


ぎょっとしている間に、そのふよふよしたなにかは、あち子がいる、ソファの手すりに、留まった。


大きさは、10センチぐらいだろうか。


近くに来て、やっとそのなにかが、何に似ているのか分かった。


どう見ても、てるてる坊主に見える。


しかも、てるてる坊主に、短い割りばしの、手と足を付けたような形をしている。

色は茶色い。

割りばしのようなものは、小さくて、てるてる坊主の洋服?のようなものから、ちょこんと出ている。顔は、点がついているのみ。


ただ、うまく点が配置されていて、まるで目・鼻・口のように、見えるから不思議だ。

よく見ていると、止まりながらも、少しゆらゆらしていた。


あち子は、好奇心に駆られて、つい手を伸ばしてみたら、手が突き抜けてしまった。



あれ?と思う間もなく、てるてる坊主もどきは、消えてしまった。




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