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栄護士りぼん 異世界大豆生活  作者: 多胡真白
第10話 はじめてのおつかい
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ブツのありか

「とにかく、普通に食べられてよかったよかった。昨日の保存食とはちょっと違うけど、いいヒントになったわ」

「昨日の保存食って…ルカが持ってたショートブレッドフィンガーのこと?」

「そうそう。あれってザ・保存食って感じでちょっぴり味気ないじゃない?それで同じ材料でも食事らしい食事になるパウンドケーキを作ってみたの。友達に教わったケーク・サレってやつで、塩気があるパウンドケーキね」

「気が利くじゃない。でも、パウンドケーキじゃ遠出の携帯食にできないわね。新鮮な発酵バターをたっぷり使ったものが出先で食べられたらいいのに」

「食べられるよ?」

「え?」

「パウンドケーキは常温で長期保存ができるの。水分の多い具材を避けて、焼き上がったあとにたっぷりお酒をかけて染み込ませれば1ヶ月は持つんだから」

そう、実はパウンドケーキは意外ともつんです。女子会に友人が持ってきてくれた老舗のブランデーケーキは、なんと3ヶ月近い賞味期限がありました。でもアルコール分は飛んでいないので要注意です。ブランデーだけあってアルコール度数がすっごくきついので、下戸の方だと一切れで酔ってしまうかもしれません。

ただし、もちろん適切な方法で保存できた場合の話ですので、特に夏場は気をつけましょう。


パウンドケーキで小腹を満たしたわたしたちは、リフレッシュした気分で再び歩き出しました。やがて木々に挟まれたゆるやかな坂道に入り、山らしい独特の土のにおいが徐々に強くなってきました。

山より自宅で酒盛り派のわたしは起伏の多い山道にうんざりしながらのろのろ歩いていると、先を行くアンジェリカが足を止めました。胸ポケットから出した手書きの地図と道を見比べると、道を外れて歩き出します。

「ちょっと、そっちは道じゃないって」

「地図によるとこの辺りなんだけど…あの辺りかしら」

アンジェリカの先に、一面いろいろな草で生い茂っている斜面がありました。

「こりゃあ…探すのに一苦労しそうな場所だ。どんな草を探せばいいの?」

「絵をもらってきたから心配ないわ」

アンジェリカはリュックを下ろしてごそごそと物色します。ところがなかなかブツが見つからず、リュックの中身を次々に取り出し、終いには空になったリュックを逆さに振っても何も出てきません。

「しまった…。宿に忘れてきちゃった」

「えーっ、ここまで来て?絵の内容は確認したんでしょうね?少しでも思い出してよ」

「確か…葉っぱは楕円形で、茎側が丸っこくて、先端に向かって細く尖ってて…縁は丸くてぎざぎざがない…」

「極めて普通のよくある形じゃない…。何のヒントにもならない」

「し、仕方ないじゃない。実際にそう描いてあったんだから。そうだ、でこぼこになったかぶのような楕円形の球根を集めるんだったわ。球根は浅い場所にあるらしいから、少し掘ればすぐにわかるんじゃないかしら」

「それっぽい葉っぱの根っこを掘ってみるしかないか…」

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