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13代目の破壊神  作者: 千路文也
1st #1 生徒会長誘拐事件
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035  優長な暴力


ポケットの中から屋敷の鍵を取り出した風華。


「破鏡」


合図と共に、鍵がレイピアに変化した。

風華はレイピアを右手で持ち、上空にて試し振りをする。


「首刈りのレイピア(くびかりのれいぴあ)」


それが、レイピアの名前だった。


「レイピア……16世紀ヨーロッパの主力武器ですね。実にあなたらしい」


「それはどうも」


「フフフ」


すると、ラストラッシュは両手を広げて、胸を出した。


「何の真似だ?」


「レディーファーストです。遠慮なくどうぞ」


罠だ。風華はそう思った。

しかし、罠にしては余りにも無防備である。


「………………」


「さぁ、来なさい」


ここのままでは、らちが明かない。風華はレイピアに力を入れて、斬り掛かった。


「フッ」


口角を上げて再び笑うラストラッシュ。風華は、ラストラッシュの不気味な顔を刈るつもりで、レイピアを振り落とした。


グサッ。という鈍い音が聞こえた。


「手応え十分」そう感じて、風華は目を開けると、あろうことか、レイピアは地面に刺さっていた。


「躱した?」


そう躱したのだ。あの至近距離を、いとも簡単に。


「驚きましたか」


ラストラッシュは、風華の後ろで背伸びをしていた。


「貴様、能力者なのか?」


レイピアを引き抜いて、再び構えた。


「いいえ。私は能力者ではありませんよ」


リズミカルに自分の肩を揉むラストラッシュ。


「では、今のは何だ」


「空間転移を応用した回避行動です。学校では習わなかったでしょう?」


「貴様ァ!」


足若丸高校を侮辱した言い方に、風華は怒りを覚えた。


風華が宙を舞った。

しかし、二回目の振りも、呆気なく躱された。


「くっ」


地面に手をついて、体勢を整い直す風華。


「攻撃を当てようと躍起になるのは、構いませんが……」


「その減らず口を閉じろ!」


今度はレイピアを叩きつける様に振ったが、当たらない。どうしても空気を切ってしまうのだ。


「あなたは」


「何だ」


「攻撃に気をとられて、防御を疎かにしている」


ラストラッシュの鋭い鉤爪が風華を襲う。


「っ!」


レイピアを盾にし、攻撃から身を守った風華。


「甘いですよ」


そう言うと、ラストラッシュはさらに切り込み、強力な斬撃でレイピアを弾き飛ばした。


「ちっ」


レイピアが手元から離れ、為す術を無くした風華であった。


「あまりの無神経さに、哀れすら感じますよ」


ラストラッシュが、風華の顎先を持ち上げた。


「唇を重ねる事も容易い」


「やめろ!」


本気で嫌がる風華。防衛本能で、ラストラッシュの腹を蹴り上げるも、当たり前の様に避けられる。


「接吻はお嫌いですか?」


「貴様とキスなど、こちらから願い下げだ」


「それは残念です」


ラストラッシュは、鉤爪をカチカチと鳴らした。鉤爪は、子供の脚の長さは有ろう。


「……………………」


「諦めはつきましたか?」


「誰がよ」


「為らば、少々痛い目にあって戴きましょうか」


ラストラッシュは、わざとらしく、ゆっくりと近づいた。










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