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13代目の破壊神  作者: 千路文也
1st #1 生徒会長誘拐事件
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034  ラストラッシュ再び


家出と言っていいのだろうか。霧登風華は、これまで一度も家出をした事の無い優等生だ。


林や森を駆けて、とにかく走った。走りたい気分だったのだ。


「うわああああああ!」


そして、叫びたい気分でもあった。


道路で走りながら奇声を上げるのは色々と不味い。警察に職務質問されかねないので、風華は敢えて山の中を選んだのだ。


(ここなら私を邪魔する者はいない)


朝からストレスの雨が降りかかった風華は、もう限界寸前だった。ストレス解消に走って叫ぶ。古典的な方法ではあったものの、風華にとっては、これで十分だった。


それにしても随分と長い時間走り続けている。時間で言うと、軽く30分近く経過したはずだ。


疲れもピークに差し掛かったが、前方から太陽の光が見えた。「もうすぐ出口だ」と思い、風華は森を抜けた。


森の先は丘だった。そこからは碩大区全体を眺めれられる穴場のスポットである。


「あの、バカ執事っー!」


風華は最後の力を振り絞って思い思いに叫んだ。


「疲れた……」


肩で息をする風華。


「お疲れ様です」


称賛の声と、それを称える拍手が聞こえてきたので、顔を上げた風華。そこには、金髪にモヒカンで眼鏡をかけた男がいた。


「あんた誰?」


「私はDDD・ラストラッシュです。以後、お見知り置きを」


「何処かで聞いた事ある名前ね」


風華は思い出せないでいた。


「ヒント1。私はとても有名人です」


「自分で言わないで」


「これは失敬」


風華は、ラストラッシュの事を見た目の割りに、とても礼儀正しい人だと思った。


「屋敷に来た格闘家の方?」


「いいえ違います。あなた、ユスティニアヌス・オバミュラーと勘違いしてませんか?」


「ああ、そうね」


また考え始めた風華。


「ヒント2。私はヴォルフガング・ロドリゲスと知り合いです」


「その名前は今1番聞きたくなかった」


「おや、何かあったのですか?」


「ちょっとした口喧嘩よ」


「それは……好都合ですね」


「!?」


ただならぬ気配を察知して、ラストラッシュの攻撃を寸前で避けた風華。


「良い回避運動です。さすが生徒会長さんだ」


「あんた何者」


「ヒント3。私は盗賊ギルドの一員です」


「はっ!」


風華は、ようやく気が付いた。ヴォルフガングに「こいつは要注意人物だ」と何年も前から言われ続けていたのにだ。


「改めて自己紹介致しましょう。私の名前はDDD・ラストラッシュ。二つ名は優長な暴力です」


薄ら笑いを浮かべたラストラッシュ。


「盗賊ギルドが、私に何の用だ?」


「あなたを誘拐させていただきます」


「なんだと」


「黙ってついてくるなら、手荒な真似は致しませんので」


「あいにくだが、見ず知らずの男と付き合っている暇は無いわ」


風華は武器を手に取った。しかし、これまで実戦経験の無い風華にとって、勝てるかどうか分からない戦いだった。


「仕方ありませんね」


ラストラッシュも武器を取った。鉤爪である。


「では、決闘といきましょうか」




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