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月面冷戦の終結と銀河文明圏への進出

目次


一 総説

二 月面情勢ノ推移概観

三 A・B・C三国ノ行動及ビ其ノ帰結

四 Lunarian-α 母船出現ノ経緯

五 地球文明圏ノ構造変動

六 日本国ニ対スル Lunarian-α ノ評価

七 主星転送ゲート開通後ノ施策

八 銀河文明圏ニ於ケル我ガ国ノ位置付ケ

九 地球石器文明圏ノ管理状況

十 国境シールド運用ノ実績

十一 月面冷戦遺構ノ処理状況

十二 銀河資源流通制度ノ確立

十三 惑星間交流ノ現況

十四 銀河フィールド航路整備事業

十五 今後ノ展望

十六 結語

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日本国宇宙庁(JASA)銀河交流局設置三周年記念 特別報告書(令和20年4月1日)

― 月面冷戦終息後ノ地球文明圏及ビ銀河文明圏ニ於ケル我ガ国ノ地位並ビニ施策ノ概況 ―

-----------------------------------------


一 総説


本報告書ハ、令和17年(2038年)ニ於ケル「主星転送ゲート開通」以降、三カ年ニ亘ル我ガ国ノ宇宙施策ノ成果並ビニ、地球文明圏ノ現況ヲ総括的ニ取り纏メタルモノナリ。

我ガ国ハ、Lunarian-α との初接触以来、一貫シテ平和的対話ノ原則ヲ堅持シ、銀河文明圏ニ於ケル信頼ヲ獲得スルニ至レリ。


二 月面情勢ノ推移概観


令和15年(2036年)末、Lunarian-α 接触事案公表後、A国・B国・C国ハ急遽月面ニ滞在基地ヲ建造シ、各々ノ主義主張ヲ前面ニ押出シタル外交姿勢ヲ展開セリ。

然レドモ、三国共ニ攻撃兵器ヲ交渉材料トシテ保持シ、 Lunarian-α ハ之ヲ即座ニ看破シタルモノナリ。


三 A・B・C三国ノ行動及ビ其ノ帰結


(一)超資本主義 A国

経済的優位性ヲ背景ニ、「技術独占」ヲ主張シ、月面資源ノ専有ヲ企図セリ。


(二)超植民主義 B国

月面領有権ヲ当然視シ、基地周辺ノ「旗立テ」ヲ強行ス。


(三)超共産主義 C国

「共同管理」ノ名目ニテ、実質的影響力拡大ヲ図ル。


(四)帰結

三国ノ武装的姿勢ハ、Lunarian-α ノ強キ警戒ヲ招キ、「月面冷戦」状態ヲ惹起セリ。


四 Lunarian-α 母船出現ノ経緯


令和16年(2037年)初頭、月面南半球ニ於テ地殻ノ規則的展開ガ観測サレ、内部ヨリ巨大構造物(以下「母船」)ガ出現セリ。

飛来ニ非ズ、月内部ヨリ顕現セシモノト確認サレタルハ特筆ニ値ス。

母船外周ニハ高出力装置ガ存在シ、三国基地ハ大イニ動揺セリ。


五 地球文明圏ノ構造変動


母船出現後、Lunarian-α ハ三国ニ対シ通告セリ。


「石器時代からやり直すといい」


此ノ通告ニ基キ、三国ノ核保有地域ニ於テ高度技術ノ機能停止措置ガ発動サレ、文明レベルハ著シク低下シタリ。


六 日本国ニ対スル Lunarian-α ノ評価


日本国ハ、初接触段階ヨリ一貫シテ非武装・非核ノ姿勢ヲ堅持シ、Lunarian-α ヨリ「対話可能文明」ト認定サレタリ。


七 主星転送ゲート開通後ノ施策


令和15年末、 日本国代表団ハ主星転送ゲートヲ通過シ、 銀河文明圏ヘ正式参入セリ。


以降、

・宇宙資源ノ安定供給

・銀河知識体系ノ導入

・惑星間交流制度ノ整備

等ノ施策ガ進展セリ。


八 銀河文明圏ニ於ケル我ガ国ノ位置付ケ


我ガ国ハ、平和的対話ノ原則ヲ堅持スル文明トシテ高ク評価サレ、銀河文明圏ニ於ケル「調整国家」ノ地位ヲ確立セリ。


九 地球石器文明圏ノ管理状況


A・B・C三国ヲ中心トスル石器文明圏ニ於テハ、部族間紛争ガ散発的ニ発生スルモ、我ガ国ハ監督文明トシテ、環境維持及ビ観察ヲ継続ス。


十 国境シールド運用ノ実績


非武装国家群ハ、国境シールドニヨリ安全ガ確保サレ、石器文明圏カラノ攻撃ハ無効化サレタリ。


十一 月面冷戦遺構ノ処理状況


三国基地遺構ニ於テハ、武装解除及ビ安全化措置ガ完了シ、現在ハ観測拠点トシテ再利用サレツツアリ。


十二 銀河資源流通制度ノ確立


主星文明トノ協議ニ基キ、銀河資源ノ流通制度ガ整備サレ、我ガ国ハ主要拠点トシテ機能ス。


十三 惑星間交流ノ現況


交流航路ノ整備ニ伴ヒ、文化・学術・技術ノ往来ガ活発化シ、銀河文明圏ニ於ケル相互理解ガ深化セリ。


十四 銀河フィールド航路整備事業


我ガ国主導ニテ、新航路「銀河フィールド」ノ整備ガ進行中ナリ。


十五 今後ノ展望


今後ハ、

・主星共同研究拠点ノ増設

・地球文明圏ノ安定的管理

・銀河航路ノ商業化

・月面遺構ノ平和利用

等ノ施策ヲ推進スル予定ナリ。


十六 結語


我ガ国ハ、平和的宇宙交流ノ推進ト、地球文明圏ノ安定的管理ニ努メ、銀河文明ノ一員トシテ責務ヲ果タスモノナリ。


≪ 解説 ≫


超資本主義A国、超植民主義B国、超共産主義C国が慌てて月面上の周辺に滞在基地を建造し、それぞれの主義を剥き出しにして直接交渉を開始します。そうすると案の定、Lunarian-αからはどうしてもそれぞれが攻撃兵器を交渉に用いてくるのを見抜かれて「月面の冷戦」に突入します。

その後間もなくLunarian-αの母船が出現します。飛来したではない、まるでミカンの皮を剝くかのように月面の地殻がめくれ上がり、その巨船が姿を現しました。惑星破壊砲にも見える装置が地球を向く、ミカンの皮の上でうろたえる各国交渉基地。「石器時代からやり直すといい」。核保有国は全国民が原始人になります。

その一方で日本人はLunarian-αの主星転送ゲートに招かれて、宇宙資源と銀河フィールドの時代が訪れます。地球の石器文明圏は相変わらず戦争を繰り返していますが国境シールドに守られて非武装国家に石器攻撃は通用しません。

そうして平和な銀河宇宙時代が訪れてから、3年後の報告書です。

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