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悪役同盟!〜同じ事故が原因で転生した4人の悪役令嬢は同盟を組んで断罪を回避したい!〜  作者: 里和ささみ


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94 梅仕事

お楽しみいただければ幸いです。

よろしくお願いします。

 会議が終わって午後二時半。


 さーてさてさて。先週末にオリエンスから送られてきた梅。そう、梅。送られてきたんですよ。箱が山盛りで。


 まだ青梅だったのでね。ジュース作りは作り方だけ教えて厨房に丸投げして。


 残りの梅は、追熟させて梅干しに!天日干しは旅から帰ってからになっちゃうかな。大丈夫かな?一応、天日干しの仕方は教えといたけど。梅酢も捨てないでね。漬物とかにいいからさ。生姜も高級品だし、茗荷は存在を確認してないし、何漬けるか決めてないけど。サラダのドレッシングでもいい。


 この世界では初めての試みなので腐りにくいように塩は20%で漬けることにした。赤紫蘇欲しかったなぁ。白漬けも好きだけどさ。お弁当には赤い梅干しだよね、やっぱ。


「洗ってヘタを取って水気が残らないようにしましたが、もう始めますか?」


 と料理長のトニー。王族の為の厨房を任されているシェフだ。


「そちらのたるはじょうりゅうしゅでしょうどくはすんでいるのよね?」


「はい、ご指示通りに。」


「では、うめもくさりにくいようにじょうりゅうしゅでしょうどくしましょう。ぜんたいによくまぶしてね。」


「かしこまりました。」


 今日は王族の厨房のシェフと、食堂のシェフ、あと第一師団からも十人ほど人手を借りて、人海戦術を取っている。騎士たちの報酬は私たち四人と魔力交換。

 この人数なら一時間で出来るかな?最近、訓練がないからか昼寝しなくても持つようになってきたよ。今日は淑女訓練で結構体力使ったのに眠くない。


 中庭を使ってのみなさんの作業を、お茶をしながらのんびりと香澄様と私たちで眺めている。わざわざ魔力交換のためだけに来るのもアレだからって、作業を見に来てくれた。


「楽しみね。」


「そうですね。」


「上手く出来るかしら。」


「わたくし、うめぼしたべられるかしら。」


「はちみつはいれないの?」


「祖母からもらう梅干しは甘くなかったのよ。買ったこともないわ。」


 おお、香澄様のおばあさまも梅干しをつけておられたのか。懐かしの故郷の味になればいいんだけど。


「ぴい!ぴい!」


「ぴい!ぴっ!ぴっ!」


「ぴい!ぴい!ぴい!


「ぴっ!ぴぃー!!」


「ゔぃお〜!」


「アーサー!ひなたちも!」


「あら、お散歩?」


 アーサーの後ろをアルテが歩き、アルテの後ろを雛たちが歩き、雛たちの後ろをお母様が歩き、お母様の後ろをマーガレットとモリーが歩き、マーガレットとモリーの後ろを騎士たちが歩く。って、おおきなかぶみたいになっちゃった。


「うわ!鳳凰鳥だ!」


「初めて見た!」


「かわいいなぁ!」


「これが鳳凰鳥……。」


「真っ赤ですね。」


「リンゴみたいだな。」


 作業員の中にアーサーと同じ感覚の人がおる。


 騎士の中にも初見の人がいるらしく、突然の鳳凰鳥の登場にみんな沸き立っている。


「陛下からお散歩の許可が下りたのよ。雛たちが外に行きたがるから、中庭だけならって。」


「大丈夫なのかしら。隠れるところ、多いわよ、ここ。」


「ふふ、それが、アルテが必ず見つけるのです。執務室でも色んなところに入ってしまうのですけど、アルテが匂いをたどって探し出してくれますもの。」


「まあ、立派なお母さんですね、アルテ。」


 香澄様が撫でると、アルテは手をクンクンしようとする。おやつが欲しいのかな?


「おばあさま、アルテはまりょくがほしいようですわ。」


「ああ、そうね。さ、召し上がれ。」


「ひゃん。」


 嬉しそうに香澄様の手を舐めるアルテ。なんか、前より大きくなってるよね?生後六か月の子猫なんだけどなぁ。いや、普通の猫から比べれば元が大きいんだけど。サーバルキャットくらい?パルはもっと大きい。


「ぴい!ぴ!」


「ああ、カルラもね。はいはい。」


 カルラにせがまれて魔力を与える。伝説の鳥とはいえ、なんとなくで会話が成り立ってしまうのがすごい。


 みんなで雛たちに魔力をあげる流れになって、癒しタイム。アニマルセラピー、効くわぁ。アルテのこともモフッとこ。


「終わりました。漬け始めてよろしいでしょうか?」


 おおっと、トニーに声をかけられた。アルテはふい、と離れて行って、アーサーに寄り添っている。しょぼん。


「おねがい。れしぴにあるように、つぎはつけものだるのそこにしおをふって、うめをしきつめて、しおをかけてをこうごにくりかえしてね。ふはいぼうしのためにヘタのくぼみのぶぶんを、ぶんりょうないのしおでうめておくといいわ。」


「かしこまりました。そのように致します。」


 ボウルに入れた塩で梅のくぼみに塩をつけ、樽に入れていく。三十人でやってるから、あっという間に終わりそうだ。結局、何個あるんだろ?送られてきた梅は全部で100kgくらいらしいんだけど、梅ジュースにも使ったからな。


「うめぼしづくりってたいへんなのね。」


「そうね。じみちなさぎょうだわ。」


 スカーレットとオリヴィアはしみじみしながら作業員たちを見ていた。ホント、みなさんには申し訳ないわ。こんな大事になっちゃって。


 しばらくして、アーサーと雛御一行は部屋へと戻って行った。


 大きな樽三つが梅で埋め尽くされた頃のは四時近く。シェフたちは慌ててそれぞれの厨房に戻って行き、騎士たちが樽を食糧庫へ移動した。


 お礼の魔力交換をして、はぁー、おつかれさん!


 今日はもう交換日記は開かないぞ!こんな日があってもいいよね。

お読みいただきありがとうございました!

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