転生!そして森に捨てられる・・・
はじめまして! 蒼河遥と申します。
本作に目を留めていただき、本当にありがとうございます!
この小説の主人公は、現代日本から赤ん坊の姿で異世界に転生しますが、
理不尽にも、森に捨てられてしまうところからスタートします。
ですが彼は、女神から与えられた能力を武器に、自らの運命を切り拓いていく・・・
そんな姿を描いたストーリーとなっています。
処女作ということで、まだまだ試行錯誤の最中ではありますが、
皆様に楽しんでいただければ幸いです。
それでは、この物語をどうぞお楽しみください!
「アナタは不幸にも、37歳で、この世の生を全うしました・・・・」
無意識のオレの脳内に語り掛けて来る、優しい女性の声・・・・
あぁ・・・・オレって死んでしまったのか。
オレの名前は大友 怜央
30代も半ばを過ぎた、未だ独身のオッサン会社員。
社会人になって、もう15年も経つんだけど、
毎日毎日、結構忙しく、仕事に追われる日々が続いていた。
かと言って、束の間の休日や、平日の夜などは、大してやる事もなく、
何となくオンラインゲームをやったり、サブスクで転生モノのアニメを観たり・・・
最近は、そんな感じだ。
子供の頃から、あんまり人生設計も立てずに生きて来て、
気づいて見れば、いつの間にか、こんな歳になっていたって感じなんだよなぁ。
都内の私立大学の理工学部へ進学して、
就職のときだって、"こんな仕事をしたい!"などといった熱い思いも無く、
いくつか受けた就職試験の中で合格出来た、そこそこの企業に入社。
そこではシステム・エンジニア系の部門に配属されて、
一応、目の前にある仕事には、全力で取り組んできたつもりだけど。
そして一方、女性関係の方では、
"仕事が忙しい!" を言い訳に、
今まで真面目に彼女探しをしてこなかったので、
オレは、生まれてこの方、恋人などと言ったものに恵まれたことがない。
風俗に行く勇気すらなく、この歳になっても未だ童貞・・・・・・
そういえば、30歳まで童貞を守ると、魔法使いになれるらしいけど、
オレってもう、バリバリのベテラン魔法使いだよなぁ(苦笑)
この歳になって、改めて人生を振り返ると、
"なんであの時、もっと頑張らなかったんだろう?"
"なんであの時、もっと目標を持って人生を送ってこなかったんだろう?"
そんな後悔が、次々と頭をよぎっていく。
「人生をやり直したいなぁ・・・・・・
異世界で魔法使いなんて良いよな。」
転生モノのアニメを見ながら、最近では、そんな非現実的な事まで考えてしまう始末。
今からだって頑張れば、この人生を盛り返すことだって出来るはずなのに・・・
そんな悶々とした思いで過ごしていた、ある日・・・
「運転手さん、神谷町までお願いします」
「神谷町ですね、わかりました」
この日、客先へのシステム導入の打ち合わせの為、タクシーに乗って客先へ向かうオレ。
最近は、なかなかタクシーの領収書も落とせないんだけど、
出掛けるギリギリの時間まで、部会をやってる部長が悪い。
まあダメなら、文句を言って何とかして貰おう。
「お客さん、この通り、ちょっと混んでるんで、次の道を左に曲がって行きますね」
「あぁ、そうですね、お願いします」
月曜日の朝9時37分、オレがタクシーに乗った通りは確かに混んでいた。
出来れば、打ち合わせ時間の10分位前には到着したい。
そして、タクシーは次の交差点を左折し、そのまま真っすぐ進んで行く。
片側3車線の通りを、そのまま順調に進んで行くタクシー。
このペースなら、10分前には到着できそうだ・・・
そんな事を思いながら、ボーッと窓から外を眺めていた時、
あの事故は起きた。
とある交差点に差し掛かり、青信号をそのまま真っすぐ進むタクシー。
すると・・・
「えっ!?」
後部座席で、窓から左の方を眺めていたオレの視界に映るものは、
横道から猛スピードで突っ込んで来る大型車両の姿・・・
"ズドォォーーーッ!"
まさに一瞬だった。
そう、そのトラックが、オレの乗るタクシーに、そのまま突っ込んできたんだ。
痛いとか感じる間もなく、意識が吹っ飛んでいくオレ・・・
で、その後、どうなったかって?
そう、あの声が聞こえてきたんだよね。
「大友 怜央、アナタは不幸にも、
明日の誕生日を迎えることが出来ず、37歳で この世の生を全うしました・・・・」
無意識のオレの脳内に語り掛けて来る、優しい女性の声・・・・
あぁ・・・・オレって死んだのか。
まあ、あんなデッカイ、トラックに突っ込まれちゃな。
そういえば、あのタクシーの運転手は大丈夫だったんだろうか?
「トラックは、タクシーの後部座席に突っ込んだので、
運転手は無事でしたよ」
再び、オレの脳内に語り掛けて来る女性の声。
そうか・・・
まあ、それは不幸中の幸いだよな。
そういえば、明日ってオレの38歳の誕生日だったっけ。
まあもう、めでたいって歳でもないんだけど・・・
「そして・・・
アナタは近年、もう一度人生をやり直したいと、強く願っていましたね。
ですので・・・
そんなアナタに、もう一度 新しい世界で人生をやり直すチャンスを与えましょう。」
えっ!?マジ?新しい人生?
それって、もしかして転生ってヤツなのか?
まさか、本当にこんなことが有るとは思わなかった。
"まあ、あの事故は、ちょっとしたこちらの手違いだったんですけどね・・・"
「ん、何か言いましたか?」
「いえいえ、今のはアナタの空耳ですよ」
「・・・・」
「そしてアナタには、新たな世界で生き抜く力を与えましょう・・・・
とても役立つスキルと能力をいくつか用意してあります。
詳細は自分自身を鑑定してみると分かるはずです。
良いですか?
新たな世界に転生したら、まず "ステータス・オープン"と唱えて
自分自身の能力を確認してみてください。
声に出さなくても、念じればOKですよ・・・・
各スキルの詳細を知りたい場合は、そのスキル名をタッチすれば大丈夫。
では、新しい世界を楽しんでくださいね・・・・・」
そこまで話し終えると、
オレに語り掛けていたその声は、徐々に小さくなっていったんだ。
「オレ・・・本当に人生をやり直すことが出来るのか。
それならば、今度の人生では、やりたい事を全部やるようにしよう!
そして、彼女もちゃんと作って、絶対に結婚してみせるぞ!」
目が覚めて、最初に視界に入って来たもの・・・
手・・・・小さい・・・・・・
てか、小さすぎないかっ??
「赤ちゃんから再スタートかぁーっ!」
オレは大声を上げて驚いた。
転生モノ・・・・色々なパターンがあるけれど、
正直、ゼロからの再スタートになるとは思わなかった。
ただ・・・
その時、オレの口から出た言葉は、
「バブゥ~」
それだけだ。
っていうか、ここってドコだ?
すっごく暗いけど・・・
この時、周囲を見渡すと、
オレは籐のゆりかごにすっぽり収まっているのが分かる。
更に、カゴの中には真っ白なマットも敷かれていて、居心地は凄く良い。
まあ、それは良いんだけど・・・
周囲を見渡してみると、
どう見ても、ここは森の中。
「赤ちゃんからの転生って、普通、王室や貴族の
豪華なベッドの上から始まるもんじゃないのか!?」
オレは叫ぶ。
でも、声として発せられたのは
「バブゥ~」 だけ。
ちょっと悲しい・・・
というか、赤ちゃんが森の中で1人。
しかも夜。
冷静になって考えると、これって、非常にヤバイ状況なんじゃないか?
もしここで、ケモノにでも襲われたら・・・・
てか、もしかして、異世界だから魔物??
「ちょっと女神様ぁーっ!
転生先の場所くらい、もうちょっと考えてくれよぉ~!」
このままじゃ、せっかくの新たな人生、あっと言う間にジ・エンドになっちゃう。
だったら、スライムにでも転生したほうが、まだマシだった。
とは言え、文句を言ってるだけでは事態は改善しない。
それは、前世で色々と経験済み。
なので、今の状況を何とかしなければ・・・
少し冷静になってきたオレは、
注意深く、周囲をキョロキョロと見回していく。
改めて見ても、周囲はやっぱり森。
しかも夜・・・・・・最悪だ。
辺りを見渡しても光源らしき物はないけれど、
唯一、月明かりだけが、オレと周囲を照らしてくれていた。
「それにしても、デッカイ月だなぁ・・・・
地球の月の5倍くらいはありそうだ」
森の木々の間から見える月。
今までで見たことの無い大きさだったんだ。
やっぱり、ここは異世界なんだな・・・・
改めて、そう思わされてしまう。
そして・・・
更に周囲を注視してみる。
近くには、家どころか人の気配すらない。
マジでヤバイ感じだ。
"新たな世界に転生したら、まず "ステータス・オープン"と唱えて
自分自身の能力を確認してみなさい"
その時・・・・
オレが転生する直前に聞こえてきた、女神様(?)の声が脳裏に鳴り響く。
「そうだっ!・・・・ステータス・オープン!」
咄嗟に心の中で念じていくオレ。
すると・・・
「なんか出てきたぞ・・・」
念じた直後、オレの目の前に、半透明の液晶パネルっぽいものが表示されてくる。
これが、今のオレのステータス・・・?
そのパネルを眺めて行くと・・・
上のほうからステータス値らしいものが表示されている。
HP:50 物理攻撃力:10 物理防御:10
MP:1000 魔法攻撃力:500 魔法防御 200
速さ:5 回避:5 命中:100 ラック:100
物理系のステータス・・・・・低すぎる。
まあ、赤ちゃんだし、仕方ないか。
でも、魔法系は、それなりに使えそう。
と言っても、この値が、この世界で、どの程度の強さなのか、
イマイチ ピンとこないけどね。
そしてスキル・・・・
通常スキルの項目を見ると
剣術[A]:Lv.1 盾術[C]:Lv.1 格闘[B]:Lv.1
土魔法[F]:Lv.1 水魔法[F]:Lv.1 氷魔法[F]:Lv.1
炎魔法[F]:Lv.1 風魔法[F]:Lv.1 雷魔法[F]:Lv.1
光魔法[A]:Lv.1 闇魔法[A]:Lv.1
召喚魔法 [S]:Lv.100
[ ]の中は、そのスキルに対する適性を表すようで、
右のレベルが、今の実力といったところらしい。
物理攻撃系の剣術は[A]ランク。
ただレベルは1。
才能は有るけど、今後頑張れ・・・って事なんだろうか。
盾 [C] と 格闘 [B]は、まあ及第点以上って感じなのかな?
知らんけど・・・
っていうか、属性魔法は全部Fランク・・・
魔法攻撃力が高いのに、攻撃魔法の素質が無いって、どういうこと??
意味不明。。
でも光魔法と闇魔法は[A]ランク。
光魔法って回復魔法とかだよね?
闇魔法は何だっけ?相手に弱体魔法とか掛けられるんだったかな?
ただ、2つとも、レベル1なのかぁ・・・
ヒールくらいなら、最初から使えるんだろうか。
あっ!でも、召喚魔法は 最高クラスの[S]だっ!
しかも、コイツだけレベル100!
これを使って、生き残れって事か?
でも、召喚魔法って、召喚獣が必要だよね?
「おぉっ、ここか?」
オレはパネルの下の方にある "召喚獣"の欄をチェックしていく。
"ナイト(精霊)" "アーチャー(精霊)" "キャスター(精霊)" "ヒーラー(精霊)"
どうやら、最初から4体の精霊が呼び出せるっぽい。
召喚獣なのに精霊・・・・意味不明。
でもまあ、使えるなら、今は文句を言うまい。
詳細説明によると、ナイトは剣と盾、アーチャーは遠隔攻撃、
キャスターは炎氷風土雷水の攻撃魔法、
ヒーラーは光魔法に加えて闇魔法も使えるそうだ。
そして召喚方法は
「召喚 + "召喚獣名"」
と念じるか、詠唱するらしい。
この4体の精霊の場合、名前は"ナイト"とか"アーチャー"とかで大丈夫。
今すぐ、召喚を試してみたい・・・
ただ・・・
そんな衝動を一旦抑えて、
取り敢えずオレは、パネル全体を確認していくことに。
パネルの真ん中から下の方を見ると、特殊スキルという項目があって
"偽装[S]:Lv.10(Max) 鑑定[S]:Lv.10(Max) 魔力マスク[A]:Lv.4"
って、なっている。
Lv.10(Max)って、どうもカンストしてるっぽい。
最初からフル機能が使えるってことなんだろうか?
"偽装"は、オレのステータスを偽装できるスキルっぽい。
"鑑定"は、今使ってる "ステータス・オープン"のことだろう。
自分以外の相手も鑑定出来るみたいだ。
後で試してみよう!
魔力マスクは、オレから溢れ出す魔力の量を抑えられるらしい。
コイツの効果は、イマイチ分からない。
あと、最後に固有スキルっていうのもあって、
"成長促進[S]:Lv.10"
って表示されている。
どうやらオレ、普通の人よりもパラメータの上がり方が大きいっぽい。
ナイス女神様!
さっきまで感じていた極度の不安から、
召喚という1つの希望の光が見えてきたんだ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
転生後、いきなり森に捨てられて、絶望してしまう主人公ですが、
自身のステータスを確認して、一筋の光明を見出すことに・・・。
と言う事で次回以降、どの様な展開になっていくのか?
今後の展開にも、是非ご期待ください。
もし「続きを読んでみたい」と感じていただけましたら、
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それでは、次回の更新まで、今しばらくお待ちください。




