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財閥令嬢にして美少女幼馴染の住む豪邸へいざ行かん


部屋を追い出された俺は幼稚園時代からの

幼馴染、真島マヒロの家に手ぶらで向かっていた。


さて、自己紹介が遅れたが俺の名前は山吹シンジ。現在中学二年生。


ベッドの下に隠した成人向け雑誌の回収という責務を全うせずして、俺はマヒロの家庭教師として派遣されることとなった。



マヒロの家は遠い。


いや、俺の家から目と鼻の先なのたが、

庭の門から玄関までの道のりがざっと一キロ弱あって、ちょっとした遠足みたいなんだ。

マヒロの家は豪邸だった。それ故に、庭も広過ぎて、庶民の俺らの感覚からしたら、門から

玄関まで遠過ぎて変な感じがするんだ。

財閥令嬢の真島マヒロ。

大体よ、金があるんだから、東大卒の家庭教師を雇えばいいんだ...!!俺は心の中でぶつくさ言った後に、今度は言葉に出した。


「あー、疲れた」


俺はよたよたと歩き、呼び鈴を鳴らした。


ピンポーンと、

気品あふれる音が鳴り響き、

すぐに使用人みたいなじいさんが顔を出した。


「お待ちしておりました...!

先生...!」


「あ、いや、俺、先生じゃなくて、

山吹シンジ。マヒロの幼馴染です、ただの」



「いえいえ、マヒロさまのご指導に

見えてくれたのですね!マヒロさまから

話は伺っています。何でもそこそこ頭はいいだとかで。では、靴の泥を落としてからお入りくださいませ」


「は、はぁ...」






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