30.家族
村山さんと薫が逮捕されてから、俺は二人に会うことはなかった。
そもそも俺には二人が何処に収監されたのかすら分からない。
もう二人には会うことはできないかもしれない。
もし、次に会うことができたなら、今度こそ俺にとっての『幼馴染』とは何かを伝えようと思う。
それで高校はというと、仮校舎できるまでは他の学校の施設を借りて授業を再開するらしい。
いつまでも休校にはできないのだろう。
とは言え、休校期間はかなり長かった。
そう、長かったせいなのかもしれない。
俺と美里と陸は、いかがわしい行為を頻繁にするようになってしまった。
いろいろあったせいで、鬱憤晴らしをするかのように日に日にそれは激しさを増していった。
俺は肝心なことを忘れていた。
自分が行っているのはどうゆうことなのかを。
休みが終わりに近づいたある日のこと――。
「ねえ、カズくん! すごくいいお知らせがあるんだ!」
「なんだよ、急に」
「できたの」
「何が?」
「赤ちゃんだよ! 私とカズくんの赤ちゃん!」
「実は、ボクもなんだ」
休みが終わると同時に、心穏やかに過ごせる日々も終わりを迎えた。
子供ができたことによって、俺は父となり、美里と陸は母になった。
戸惑いはあったものの、自分がしたことを後悔はしていない。
だって俺は美里だけではなく、陸とも家族になれたのだがら。
本作はこれで完結となります。
最後まで本作を読んでいただき本当にありがとうございました。




