なんか続けてみた10
「という訳で打ち上げといこうか!」
「待ってました、と言ったところかな」
「何で私の家を使うの。いいけれど」
「私がいてもいいの? だって今回の原因なのに」
そこは、浅間の屋敷だった。漣伽が属性を暴走させてから二日がたった日の夜中に四人は集まっていた。
打ち上げと九十九が言った通り、主に学生二人のテンションが高い。なぜ打ち上げをしているのか、それはとても単純な理由である。
暇であり、事件が解決してからそう時間が空いていなかったからという。そのため、四人が揃ったのは偶然に近いことである。主に揃わなそうだったのは浅間と美弥だが、美弥の予定はなかった。浅間に関しては、無理矢理巻き込んでしまった友達の機嫌がまだ直っていない。そのため暫く暇だと言っていた。
それぞれジュースだったり紅茶といったものを持ってゆったりしている。流石に学生がいる前でアルコールは自重しているのか、浅間も漣伽もお酒の類いは持ってない様子だ。
「普段とはまた違った状況。楽しいからいいか」
浅間は紅茶を飲みながら九十九達の高いテンションを眺めていたが、疑問を持っている様子の漣伽に目を移す。
「どうしたの。楽しめばいいのに」
「だって、私は緘廼や九十九を危険に晒したのに。下手すれば生きていなかったのに」
「今は生きている。こういうものは終わり良ければ全て良し」
漣伽は後悔をしているのだろうが、浅間は気にしている様子はなく漣伽に対して、楽しむ様に説得している。
「何でそんな簡単に割り切れるの?」
「昔に同じことがあったから。あのときに私も漣伽と同じことを言った、そして死にかけた」
「え?」
漣伽の問いかけに緘廼は遠い目をしながら答える。しんみりとした空気だったが、その空気を壊す様な衝撃の言葉を話す。その言葉を聞いた漣伽は驚く。だが、過去を思い返していた緘廼はその声に気づかない。そのため、話を続ける。
「私が死にかけた原因は漣伽を止めるときに喚んで貰った友達なんだけど。そうなった原因にこの屋敷が幻想だと言って破る馬鹿がいてね」
「へ、へえ。続けるんだ」
幻想を破る馬鹿、というところだけ語気が強い。その出来事は印象が強いのだろう。九十九達も緘廼達が何かを話していることに気づいて近づいてくる。
「どうしたの?」
「何をしているのかな?」
「私の過去を話してる。漣伽が何で簡単に割り切れるのか、と後悔していた様だから」
「ちょっ! 何もばらす必要はないでしょ!」
お酒が入っている訳ではないが、何だかんだで雰囲気に飲まれているのか浅間はいつもより饒舌であった。
九十九達も吸血鬼である浅間の過去が気になったのか静聴する姿勢をとる。
「では、始めから。それは友達と出会ってそんなに時間が経っていなかった。そんな時期のときだったの」
すっ、と周囲の光がなくなり薄暗くなる。漣伽は後悔はしている様子だが、気になってはいるのか邪魔をするつもりはないようだ。ポルターガイストを使って場の雰囲気を盛り上げる。
「いつも通りお茶会を二人で開いていた。そんなとき、あの馬鹿はどこからともなく現れた。幻想を排除するためだけに」
話を聞いていた九十九はそれが屋敷で書かれていたことだと気づく。
「排除されない様に抵抗していたんだけど、当時私はほとんど属性のまま使っていたせいで悉く消された」
漣伽はほとんど属性のままの能力という言葉に暗くて分かりづらいが、苦虫を噛み潰した表情をする。
「その馬鹿の目的は幻想の排除という言葉に偽りなく、屋敷を消そうとした。でも、その前に友達が止めたからギリギリで無事だったの」
本題とは関係がないのか、あっさりとその話を飛ばす。
「日記に書いた訳ではないのだけれど、そのときに私の属性が私の制御を離れた。丁度、漣伽と同じ様に」
美弥は浅間とは初対面なため何かと言える訳ではないが、属性というものに興味があるため熱心に聞いている。
「その馬鹿も制御が離れるとは思っていなかったんだろうね、かなり驚いた様子だった。そのときはその馬鹿が無理矢理私の意識を奪って終わった。このとき、友達が止めようとして怪我を負ったの」
程度なんて関係なく、怪我を負ったという事実が浅間にとっては響いたのだろう。表情は見えないが声が暗い。
「で、次の日に会ったときに謝ってたんだけど、途中から同じ話で後悔していることに面倒になったんだと思う。そのときは知らなかったんだけど、友達ってかなり横暴なところがあったんだよね」
笑い話の様に言う浅間だが、当時のことを考えると笑い話と言っていいのか疑問になる。
「吸血鬼であることは友達も知っていたんだけど、媒体にしていたのがロザリオでね。それも九十九と漣伽は知っていると思うけど、閃光を飛ばす能力なの」
吸血鬼にロザリオ、というか十字架が弱点というのは迷信とは言え万が一の場合は取り返しがつかない。それは、閃光にも言えることで。もし太陽の光という要素が閃光に含まれていた場合は危なかっただろう。
「反論とか言い訳とか言う間もなく死にかけた」
ある意味その出来事はトラウマとなっているのか浅間は乾いた笑い声をあげる。友達に対して無理矢理誘うといったことをしないのもそれが理由なのだろう。
「簡単に言うとこんなことがあった。だからいつまでも後悔していると、命の危険があるよ」
「その友達が異常だと思うよ!?」
「九十九のそのセリフには賛成かな」
「うわあ、それ聞いたら後悔していられないじゃん!」
話の落ちが何となくついたときに、解散の時間になっていたことに気づく。そのため、三人は浅間にお礼を言って帰っていく。
第一章はこれにて完結!
第二章と言えるものは何も決めていないため、現在未定です。




