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「話はまとまったみたいだな。ルイア シェイナの世話を任せる。何かあったら知らせにこい」
そう言うと無言で部屋を出ていった。
「はぁ。やっぱり冷たい人だわ」
その後ろ姿を見送りながら独り言のようにボソッと呟いた。
「ティアス様のことですか?」
独り言に対し返事が返ってきたことにびくっと驚いてしまう。
「う、うん。なんか・・無口だし、威圧感?みたいなのがあって・・冷たい感じがするの・・」
「それはティアス様が仕事中だからだと思いますわ。この国の王子として他国になめられないようにとあのようにふるまっておいでですが、本当のティアス様はとてもお優しい方ですわ」
「そうなの・・?」
予想外の言葉に驚きを隠せない。
「はい。それにこの国1の剣の腕前でこの国1の美男ということで国民からとても人気のあるお方ですよ」
「そ、そうなんだ。殿下って強いんだぁ」
あの細身の体躯で強いというのがあまり想像つかず、シェイナは首をかしげてしまう。
「はい。きっとシェイナ様もティアス様と接してくうちに本当のティアス様がわかると思いますよ」
優しい微笑みをシェイナにむけるとさっそく侍女としての仕事にとりかかった。
シェイナがセルティア国に来て1週間がたった。
ずっと付きっきりでお世話をしてくれていたルイアとは主と侍女という関係というよりも親友のような仲になっていた。
ルイアの方も稀に見る美しい容姿とそのことを鼻にかけず自分のしたことに何でもお礼を言ってくれるシェイナの礼儀正しさに惹かれ実の妹のように思えて、シェイナの言うことは何でも聞いてしまいたくなっていた。
「ねぇ ルイア。あたしいつまでこの部屋にいればいいのかしら?」
中庭で発見されて以来、体の調子が万全ではなかったためシェイナは最初にいた部屋から一歩も外に出たことがないのだ。
「そうですねぇ。体調を良くなってきましたし、すこし殿下とご相談してみますわ」
「えー。殿下ってティアス殿下のことでしょ。あの人冷たいし・・・」
「シェイナ様はほんとにティアス殿下がお苦手なのですねぇ」
「だって・・あの笑わない顔って何考えてるのかわかんないんだもん・・」
「ふふ。大丈夫ですよ シェイナ様。そのうちわかりますよ。そのうち」
意味ありげな言葉をのべるとティアスに意見を求めるために部屋を後にした。




