3 王太子妃になったら
ふふふ……これでわたしが正式にエドワードの婚約者……つまり未来の王太子妃決定ね! 王太子妃になったら絶対に叶えたい夢があるのよね!
わたしはうっとりと、大嫌いなパサパサのパンと硬い肉だらけの異世界食生活に思いを馳せた。
まずは何がなんでも『お米』!
東方の交易ルートをフル活用させてジャポニカ米的なコシヒカリ系の米を探し出させるわ!
白飯に醤油と卵を落とした卵かけごはんも食べたいし、王室のお抱え料理人に寿司を作らせるの。 酢飯の上に、魔法でキリッと冷やした新鮮な魚介を乗せてさぁ……ああっ、サーモンと炙りトロが恋しすぎる!!
あと、カリッと揚げた豚カツを甘辛いタレと卵で閉じたカツ丼も食べたい!
お味噌汁も絶対作らせる!
王子妃になったら真っ先に食文化の改善に全力を注ぐんだから!
お金と国家権力があれば、異世界だって無敵のパラダイスよ!!
わたしは心の中で未来への妄想を膨らませながら、ウルウルさせた瞳を取り巻きの令息たちに向けた。
「皆様ぁ……わたしのためにそんなに怒ってくださるなんて……なんて、お優しいの?」
エレノアには悪いけど、これでわたしは王子と結婚して美食エンド確定!
勝ち組ヒロインの誕生でーす!
会場を埋め尽くすモブ貴族たちも、みんなエレノアを蔑んだ目で見ている。エレノアの味方なんてほとんどいないんじゃない?
隣でエドワード王子が、勝ち誇った顔でエレノアに告げた。
「元婚約者の情けで聞いてやる。
——エレノア、最後に何か言い残すことはあるか!」




