追放された最強女召喚師と愉快な仲間たちの冒険記
私はアリナン。
命名神?なんのこと?
召喚師だよ。
勇者パーティを追放された私はその夜妖精シルフキャットを召喚してムギューって抱きながら寝た。
シルフキャット……ニャンちゃんは戦闘で役に立つ妖精じゃないけどよく相談に乗ってくれるし可愛いし抱き心地も夢心地って感じ。
次の朝起きたらニャンちゃんがいない!?
どこ行ったの?って思ったら隣の部屋からいい匂い。
行ってみたらテーブルの上にご飯がたくさん並んでて「アリナン様、朝ごはんの準備ができたニャ」って。
可愛いね。財布から材料費がなくなってた。
うん。毛玉が入っててふわふわで美味しい。
もう二度と作らないで。
「アリナン様はこれからどうするニャ?」って聞いてくるけどどうしようかな。
Fランクモンスターに苦戦してる人たちに役に立たないって言われちゃったからなー。
新しいパーティに入るのも難しいと思うし、お金ももってないからまずは明日の食費を稼がないと。
「ニャンちゃん火の輪くぐりってできる?」
「無理ニャ!何させる気ニャ!他の雑魚に頼め!」
素が出てるよニャンちゃん。
うーん。やっぱりギルドの簡単な依頼を受けてくしかないよね。
ギルドの掲示板お一人様用依頼を見に行くと
お花つみ、薬草つみ、古塔……じゃなかった。アイテム配達、うーん。どれもパッとしないなあ。
とりあえずお花と薬草に決めて張り紙をはがして
ギルド受付カウンターまで持って行って
「この2つ、お願いしまーす」って言ったら
受付嬢のリーンさんが「非常に難しい依頼になりますが、本当に大丈夫ですか?」って聞いてくる。
なんかすごい馬鹿にされてる。
「そんな依頼パパッと終わらせますよ」って胸張って言ったら、リーンさんが後ろに向かって「ドラゴン討伐依頼と悪魔討伐依頼入りましたー!」って叫ぶ。
それを聞いてギルド中のみんなが私に注目する。
あれえええ?思わず手元の貼り紙を見たらほんとにドラゴンと悪魔討伐依頼になってる。
で、カバンの中から「アリナン様にピッタリな依頼を探しておきましたニャ」ってニャンちゃんの声。
悪魔召喚の儀に猫の頭が使えるのはニャンちゃんも知ってるよね?
今さら間違いでしたとは言いづらくて、結局依頼を受けてしまった。あーあ。
〜〜〜〜〜〜〜
依頼のドラゴンが出るのは隣の隣の隣村の近くにあるBランクダンジョン下層。
じゃあそっちのギルドで依頼を出せばいいのに。
遠いから早く出ないといけないし。
馬車に乗るための交通費もない。
こんなときはあの子に頼もうかな。
「出でよ!精霊馬『グルケンタウロス』‼︎」
グルケンタウロス……名前はキュリン。キリンでも麒麟でもキュウリでもGurkeでもケンタウロスでもなく精霊馬。でも特殊能力とかは特になくて、光速で走れるだけの普通の馬。乗り心地バッテン。
「アリナン様。私をお呼びで?」
「キュリン、隣の隣の隣村まで乗せてって」
「隣の隣の隣村?裏裏裏裏山みたいですね」
それ某アニメのネタでしょ。
受信料とられるからやめてほしい。
なんでこのキュリンを逃げるときに使わなかったのかっていうと……
「ひいっ!あ、アリナン様!前方に、も、も、も、モンスターが!!」
こうなるから。
「なんだ。スライムが3匹いるだけニャ。あれくらいキュリンなら抜けるニャ」
「無理無理!モンスターは苦手で……」
はいはい、私に降りて戦えって言うんでしょ。
さすがにスライムくらいなら倒せるはず。
私はキャリンから降りて召喚陣を展開した。
「出でよ!雷精霊『ファンタズマ・プラズマ』‼︎」
ファンタズマ・プラズマ……名前はプラスト。雷を司る精霊で結構高位の存在らしい。触り心地ピリピリ。
「プラスト!やっちゃって!」
「御意。最高位雷魔法『雷々ライジングパワーアタック』‼︎」
プラストの唱えた元ネタを突っ込む気にもならない最強魔法でスライム3匹はあっという間に消滅した。
「ではわしはこれにて……」って言ってプラストは召喚陣に帰って行った。いつもありがとね。
「さすがアリナン様ニャ!最強ニャ!」
「んーん。すごいのはプラストたち精霊や妖精だよ」
「そんなことありません。彼ら高位の精を召喚できるアリナン様のお力あってのことです」
「えっと、それがね。今の召喚で魔力が切れちゃった」
「今日まだ全然使ってないのにニャ!?プラストみたいな魔力消費の重い精を後先考えず召喚するからニャ!」
「じゃあ次モンスターが出たら私は……?」
「頑張って走って逃げてね。そのためにキュリンを呼んだんだから」
「なんでアリナン様が追放されたかちょっとわかった気がするニャ」
これは魔力を回復できる妖精を召喚できることをすっかり忘れている魔力の少ない私と、個性豊かな最強の精たちの珍道中。
続きません
続きませんが、ニャンちゃんは2話目でイケメン化するという設定です




