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クズで無能な勇者が有能な仲間たちをパーティ追放しまくるお話  作者: 耳垢の一
盗賊シフティを追放!
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勇者に罪を着せられ投獄された盗賊、チート級盗みスキルで王国地下の巨大犯罪者ギルドの頂点に上り詰める!

俺は盗賊のシフティ。

某アニメキャラとは関係ねえ。


これ前も言わな……書かなかったか?


盗賊である俺は勇者レフの命令で城中の宝を盗みまくった。正直気が乗らなかったが、これも世界を救うためだと説得された。


だが結果はこれだ。

俺は勇者パーティに全ての罪を負わされ、

城の地下牢へと幽閉された。

あと人生初めての虫歯もできた。


俺の父親のような悪い盗賊にはなるまいと思っていたが、悪いなおふくろ。俺は今から親父と同じ、悪い盗賊だ。



とりあえず、

こんな臭え地下牢からは脱出しねえとな。


「盗賊奥義『脱退獄中(だっひゃいごくひゅう)』‼︎」


やっべ、歯が痛過ぎて噛んだ。


って、あれ?

発動しねえぞ?


噛んだからじゃねえ。

噛んでも普通に発動する技だ。

技名を叫ぶのは趣味だ。


しかし、効果がないってことは、

ここの牢屋はなにか特別なのか?

まあ転移系の技が使えない仕掛けくらいあってもおかしかねえか。



だったらドアのカギをこじ開けてやる


「盗賊奥義『鍵開術(かぎあきぇじゅちゅ)』‼︎」


ダメだ開かねえ。

噛んだからじゃねえ。

ほんとに開かねえんだ。


どうなってやがる。



「さっきから足掻いてるみたいだけど、ムダだよ」


背後から女の声がする。

さっきまでこの牢には俺しかいなかったのに。

俺は思わず叫んだ。


「な、なんひゃおまえ!」


また歯が痛過ぎて噛んでしまった。


「虫歯?辛そうね。『小回復魔法(リトルジェネレート)』」


「ん?あー、あー。おおっ!俺の虫歯が治ったぜ!虫歯って普通に回復魔法で治るんだな!」


「ここじゃまともな治療は受けられないわ。感謝なさい」


「ありがとよ姉ちゃん。これで俺の冤罪が晴らせるってもんだ」


「へえ、あんた冤罪だって?ご愁傷様ね。ここは地下牢でも最下層。新しい囚人が来るとき以外に人は来ないよ。尤も、囚人の話に耳を貸す兵士なんていないけどね」


人が来ることはねえだと?


「そんな馬鹿な。メシはどうするんだ?」


「食べ物なら出ないわ。少なくともあたいが収監された10ヶ月の間はね。普通だったら死ぬわね」


「10ヶ月食い物なし!?じゃあなんでお前は生きてるんだ!その前になんで俺の牢に入ってこれたんだ?ここにはさっきまで俺1人しかいなかったはずだ!」


「さあて、なんででしょう。ヒントは横の壁の少し周りと色が違うレンガを押すと現れる扉を抜けた先の空間」


ヒントしゃべりすぎだろ。

壁の先に空間?どういうことだ?


「このレンガか……」


俺は言われるがままにレンガを押してみた。

すると女の言った通り、本当に扉が現れた。


扉を開けると、たしかになんつーか、

ダンジョンのそれに似た空間が広がっていた。


「ここから、出られるのか?」


「いいえ。この牢からは絶対に出られないと言ったはずよ。あたいらに地下で生きる以外の道はない」


「なんだと?じゃあこの空間はいったいなんだっつうんだよ」


「大昔この地には魔王城が立っていた。初代勇者アレフが初代魔王を討伐したときに、人間は魔王城を改造して自らの城としたの。この牢屋も元は魔王城の地下牢を改造したものってわけ」


この城は元魔王城、うさんくせえ話だ。

魔王ってのは代々『闇の集まる島(ダークアイラン)』に建つ『魔王城』に住んでるはずだ。

こんな大陸のど真ん中に住んでたとは思えない。


だがダンジョンの空気感、壁から感じる今まで感じたこともねえような禍々しさは魔王のものだと言われると納得できる。


「初代勇者というと10世紀も前のことだろ。それにここが魔王城だったなんて歴史書にはねえはずだ。なんでそんなことをお前が知ってるんだ?」


「さあて、なんででしょう?ヒントはこのダンジョンの最奥部にある犯罪者ギルドのマスターが持つ……」


だからヒントしゃべりすぎだって。

この女は。


犯罪者ギルドが最奥部に?

ここからは誰も脱出できないんじゃなかったのか?

こんなところでギルドが成り立つとは思えない。



「とにかく最奥部へ行きましょう」


「ああ」


しばらく女の後をついていく。

(トラップ)も多く存在したが、女はあっけなく避けていった。

この女も腕利きの盗賊かもしれねえな。



しばらく歩いていくと、いきなり女が俺を突き飛ばした。


「伏せてっ!」


伏せてほしくてなんで突き飛ばすんだよ。


「なんだ?おい」


見上げると目の前にいたのは

巨大なコウモリのようなモンスターだった。


「げっ、ここはモンスターがいるのかよ!」


「食べ物がないのに私が生きてる理由、わかったでしょう?」


食べ物ってまさかこのダンジョンのモンスターを食うってことか?気持ち悪すぎる。

しかもコウモリを食うのはネタとしてギリギリだぞ。

このご時世。



「じゃあこいつを……」


「伏せてっ!」


ドンッ。

俺はまた突き飛ばされた。

2回目だぞおい。


「何すんだっ、て……ええっ!?」


見上げるとさっきまで普通だった天井がえぐれていた。

こいつ、ただのコウモリかと思ったらとんでもねえパワーを持ってやがる。



「そいつはSランの『邪蝙蝠(ダーキーバット)オメガ』‼︎油断すると死ぬわ!」


「なにっ!Sランなんて、勇者パーティにいた時ですら戦ったことねえぜ!!」


「『闇の波(ダークウェーブ)』が来るわ!伏せて!」


いてっ。

何回突き飛ばすんだよ。


邪蝙蝠(ダーキーバット)オメガ』が羽根をパタパタさせ始めた。


あそこから『闇の波(ダークウェーブ)』を放つんだな。

よし、


「盗賊奥義『絶対奪取』‼︎」


『絶対奪取』とは俺の盗み技の一つ。

モンスターが持っているアイテムを確実に盗むことができる。


俺は右手を高くかかげた。


「よっしゃあ!コウモリの羽根GET!」


「えっ!?」


邪蝙蝠(ダーキーバット)オメガ』は羽根を失いダンジョンの床にポトリと落ちた。



「ちょ、ちょっと待って、あんた今何したの!?」


「なにって、羽根を盗んだ」


「盗んだってかちぎったよね!?ねえ!?」


「ああ、まあそうとも言えるな」


「待って、ちょっと。ちぎれないから、普通、素手で、Sランの羽根は」


「なんでも盗めるっていう技だしな」


「えーーー」


なんかやたら驚かれてるんだが。

盗賊だし盗めるのは当たり前だよな?

なあ?

続きません

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