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補助魔術でも立派な魔術ですっ!~最弱魔術で世界最強へ~(仮)  作者: 凛音
chapter1 クロキア魔術学園編
4/16

story2 商人との別れ

 タイトル悩みましたが、まぁそんなこと気にする人はいないと思い適当に着けました。

 あとあれです。言うタイミングわからないので、ここで言います。

 この作品には魔物とかそう言うのは出てきません。対人をメインというか、この物語の中心に当てているので戦記モノに近いです。


 異世界転移とか転生とか希望してた方は申し訳ないです。


「ふむ、もうそろそろクロニアに着きそうだ。おい、センさんを呼んで来い」

「はい、わかりました。センさーん、クロニアが見えてきましたよー」


 サハルトを出発してから二日目の夕方。センと商人二人を乗せた馬車は順調に、その旅路を進んでいた。

 商人二人のセンに対する呼び方が敬称になっているのも、旅が順調に進んだ理由としてセンの護衛があげられるからだろう。


「ああ、わかっている。ソレイド王都、クロキアか」


 少し感慨深さを感じながらもセンはここからが本番だと自分に言いつけるようにクロニアの名前を声に出して言った。

 中年の商人はその声色に疲労が溜まっていると感じたのか、心配するような声をかけた。


「大丈夫ですかい? クロキアに着いたらひとまず宿をとって休めばいいです」

「いや、別に疲れてるわけでもないから、とりあえず街を探索することにするよ」

「そうですか」


 内心中年の商人はこれが同じ人間なのかと、驚いていた。

 というのも――



「ふぁあ、護衛と言っても仕事が無くて退屈だな。こんなので金引いてもらって大丈夫だったのか?」

「護衛と言うのは一種の保険のようなものですから、仕事がないというのは平和なことで何よりです」

「そうか」


 何気なく放った一言に商人の青年が応答してセンは、なるほどなと納得した。


「そうだ。いくら護衛がいるからって絶対の安心は保証されないし出ないに越したことはない。もっとも今回に関しては襲われても絶対被害を受けそうにないがな」


 と、このころはまだセンに対して敬語で話していない中年の商人がそう言った。


「平和が何よりです」

「……」


 一通り話した後センはぐっすりと寝ていた。

休めるときに休んでいないと後に響くと師匠にも言われていたし、昔、山にサバイバルに放り出されて、睡眠がとれない苦しさというのを知っているため睡眠を削って修行をするなどまずセンの中では論外なのだ。


「そうそう、平和がいちば……あ、あ、ああああああああああ!?」


 交代で御者をしていた中年の商人が叫んだのを聞いて青年の商人が外の様子を、その場から駆け出して見に行く。

 そこにはクマの大群が馬車を囲んでいる光景があった。

 それを見た青年の商人は反射的にセンのところへ向かっていく。


「急げ! 急いで起こしに行ってこい!」


 歯をガチガチと鳴らしながらも中年の商人は威厳のある声で青年の商人に命じる。

 幸い今のところ、物資に一つも被害が出ていないのが幸いだが、いつ仕掛けられるかわからないこの状況に耐えられるほど胆力は強くない。


 そして、どうこうするか考えている間に熊の一頭が馬車へ向かって襲って来たのを皮切りに次々と走りかかってくる。

 そして、次の瞬間。中年の商人が見たものは、自分が乗っている馬が無残に引き裂かれた姿――ではなく、ナイフを脳天に向かって垂直に突き刺されている無数の熊の姿であった。


「はぁ、こんなことでうろたえるな。ナイフ二十本で十分な相手だろうが」

「ッ!! 何をしたんだ?」

「いや、普通に見ればわかるだろう。熊を殺したんだ」

「それは分かるが、分かるけど」


 そしてそこへセンを起こしに行った青年が二人の元へ戻ってきて同時に言った。


「「普通じゃない!!」」



 ――というようなことがあったのに、疲労を見せず平然としているセンがそこにいたからである。


「クロキアっていうのはどんな場所なんだ?」

「そうですね。世界でも有数の発展都市ですね。……ああ、それと、クロキア魔術学園があります」

「なるほどな。その学園では魔術を習うのか?」

「魔術が基本ですけど、一般教養もしっかりしている国内屈指の名門校ですよ。もっとも、センさんからしたらお遊びのようなものなのかも知れないですけど」

「まぁ、暇だったら行ってみるのもいいかもしれないな」


 などなど。クロキアについての基礎知識を蓄るために、商人から情報収集をしていたらクロキアへ入るための門が見えてくる。

 それはそうと、商人は一般人が知らないような情報を持っているから、たまに話を聞いたりすると驚きの発見があるとレイネが言っていたのをセンは思い出した。


「――次の馬車、来てください」


 前の馬車の点検が終わり、次はセンたちの馬車の番になった。

 そう言われてから、御者をしている青年が馬を進ませて門番のところへ行く。

 前の馬車も後ろに積んでいる荷物の多さからして商人だろうとセンは思った。


「荷物の点検をします」


 そう言って門番のチェックが始まると、中年と青年は特にやることもないのか静かに座っている。

 センは興味深そうに門番の方を見ていたが、途中から飽きてきたのか視線を離してだらだらとしていた。


「点検終了、異常なし。商人ギルドカードを見せて下さい。そちらの方は護衛の方ですよね?」

「ああ、そっちの方は護衛だ。んー、と……はいよ。カードだ」

「……よし、異常なし。門を開けてくれ」


 俺が護衛であることを答えてから、商人は自分の服のポケットの中をしばらく探してからカードを取り出した。

 それを、門番が軽く偽造などがないか確認して、もう一人の門番に門を開けるよう命じた。


「門が開いたな。進んでくれ」

「はい」


 門が開いたのを見た中年は青年に進めと言い、馬車はまた悠々と進んでいった。



 門をくぐった瞬間、センは圧巻な光景に舌を巻いた。

 山では見たことのないような、様々な技術を駆使して作られた建物。行きかう馬車。露店で戦っている商人や平民の主婦など、人の行きかいや文化に対しての好奇心を収められないでいた。

 

「で、センさん。どこで降りるんです? 適当な宿でも紹介しましょうか?」


 少し進んで市街地に進んでいくにつれて、中年がそんなことを聞いてきた。

 ちなみに、センは久しぶりの王都に興味を示していて途中から中年の質問に対しての答えを考え始めた。

 センとしては特にこの後のことを決めていなかったので、どうしようかと迷ったが宿を教えてもらってから馬車を降りさせてもらうのが一番いいと思った。

 センの脳裏には紹介状の事が既によぎっていた。


「ああ、出来ればそうしてくれるとありがたい」

「そうですか、わかりました。おい、商人ギルドじゃなくて、まずそこそこ高めの治安のいい宿を見繕って行ってくれ」

「了解です」


 そう言うと青年は進行方向を変えて、また馬車を走らせ始めた。

 今の会話の内容からセンを優先して先に宿の方へ行ってくれると言うことをセンは察した。

 別に商人ギルドへ行ってからでも構わないのだが、そこは商人が気遣ってくれているし何より邪魔になってしまうことを危惧してセンはお礼だけ言っておいた。


「ありがとう」

「これぐらい当然ですよセンさん。私たちは命を救っていただいたんですから」

「そうですよ! 普通金貨一枚で護衛なんて安すぎますからね」


 センが感謝の言葉を述べた後、口々に違う反応が返ってきた。


「ここでどうでしょう?」


 そんな会話を繰り広げながら青年が馬を操って止めた先には、かなり大きめの宿が堂々と建っていた。

 センはそこそこ高いだろうなぁと思いながらも今日は紹介してくれた商人に免じてここを使わせてもらおうと考えていた。


「いい感じだな。ここならゆっくり休めそうだし、ここにするよ」

「お気に召されたようで何よりです」

「ちなみに値段はどれくらいするんだ?」

「銀貨五枚です」

「おお、結構安いな」


 宿をここに決めて、あとは値段だと少し不安を覚えていたセンだったが、一応何とかなりそうな値段で少し安心した。

 銀貨五枚と言うと、金貨一枚の半分なので最悪この宿に、二週間近くは泊まることが出来るのだ。


「じゃあ、俺はここで降りる」


 不安要素が無くなったことでセンは安心して、馬車を降りると申し出た。

 青年の方は少し寂しそうな顔をしていたが、中年の方はあまり何も感じていなさそうなので、そこは経験の差なのだろうか。


「はい、ここまでありがとうございました」

「センさんがいなかったら、命はなかったです!」


 センが馬車を降りていく際、そんなことを二人が口々に言うのを聞いたセンは少しだけ口元に弧を描きながら思った。


 ――案外人助けも悪いもんじゃない。


 やっと着きましたね王都。ここから本編です。

 ちなみに王都は19世紀のイギリスのようなイメージをしていただければいいと思います。


 2017.12.23 一部修正しました。

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