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よくわからないけど~ゆいこの初めての恋?~

 9月1日の中休み、久しぶりに会った友達と夏休みの出来事を話しているうちに、いつの間にか初恋の話になっていた。

「ゆいこちゃんは、ひろし先輩とたくみ先輩のどっちが好きなの?」

と聞かれ、少し悩んで口にしたのは、

「うーん。どっちか決められないなぁ。」

だった。

「それは初恋はまだってことなんじゃない?」

「そうなのかな…。」


 放課後、ひろしとたくみを昇降口で待ちながら、さっき友達と交わした会話が気になっていた。

 初恋とは、初めての恋のことなわけで、ひろしとたくみへの気持ちは恋なのかな?どちらも好きという気持ちは変わらない。そして、初めてとは?2人との思い出はいくつもあるけど、小さい頃の記憶で一番に思い浮かべたのは、野原でのことだった。

「白い花をたくさん摘んできて」

 ひろしにそう言われ、クローバーの緑の絨毯の上を白いドットのように咲くシロツメクサを摘んで持っていく。ひろしは黙々とその花を使って何か編んでいた。何が出来上がるかワクワクしながら見ていたけれど、たくみに

「向こうにたくさんタンポポが咲いているところがあるんだ!ひろしはまだまだできなさそうだし、行ってみない?」

と誘われて、その場を離れた。たくみに連れられて辿りたいた場所には芝生の上に黄色のタンポポがたくさん生えていた。

「ゆいこ、手を出して。」

「手?こうでいいかな?」

 差し出した手を取りたくみは、摘んだタンポポを手首に巻いてくれた。そのままそこで遊んでいると、シロツメクサでできた輪っかを持ったひろしがやってきた。そして、私の前に立ち頭にそれを乗せてくれて…

 ふいに、賑やかな声が聞こえてきて、ひろしとたくみの姿がみえてきた。

「ひろし、たくみ、おっそーい。」

「悪い、ゆいこ。」

と答えたたくみの後ろにいるひろしのところまで行く。

「ひろし行くよ?」

と、ひろしの腕を掴んだ引っ張った。そして、もう片方の手でたくみの腕も捕まえると、いつもの場所にほっとする。

「初恋はよくわからないけど、ひろしもたくみも同じくらい好き。それはダメなことなのかな?」

と心で思った不安を打ち消すように、2人の腕をギュッと握ったのだった。


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