表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【狂気】生贄にされた少年、最強冒険者パーティーに育てられ、“最狂”のサイコパス冒険者になりました。  作者: 水定ゆう
2ー2:コボルトの眠る喉元

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/68

第68話 突入部隊

突入部隊って、一番ハズレなのでは?

「それっ!」


 四尺刀を地面に突き立てる。

 足を掛けると、パンと跳んだ。

 コボルトの頭を狙って拳を叩き込み、回し蹴りを繰り出す。

 バキッ! と鈍い音を立てると、エメラルはコボルトを薙ぎ払った。


「ふっ、どんだけ数がいるのよ」

「本当、ウザい」


 クロンも魔法で援護していた。

 他の冒険者達とは比べ物にならない練度を誇る。

 そのおかげか、杖を振るうと黒い魔法が放たれる。


「黒よ、唸りを上げよ。ブラックストリーム!」


 真っ黒な風が巻き上がった。

 唸りを上げると、ブラックストリームが放たれる。

 コボルト達を巻き込んで空へと巻き上げると、ドーンと地響きを立てて、地面に叩き付けられる。


「チッ、まだまだいる」


 これだけ派手な魔法を使っても、コボルト達の数は減らない。

 ドンドンコボル洞窟の奥から湧き出て来る。

 流石にこれは腹が立つと、僕も短剣を振り抜き続けた。


「はっ、それっ、どうだ!」


 まるで蝶が舞うように、僕は短剣を振り抜いた。

 スパスパとコボルトの柔らかい喉の部分を狙う。

 切り刻んで痛みを与え、苦痛と共にパタリと倒れた。


「えっ、なにあの動き……」

「案の冒険者がいたんだ」

「しかもエメラルの所って、もしかして〈《眩き宝石》〉の新メンバー?」


 男性、女性、問わない冒険者達が僕の戦いぶりに感無量。

 キョトンとした顔をすると、それも仕方が無い。

 僕は容易くコボルトを倒しまくると、地面に足が付いた瞬間、パッと走り出す。


「それっ!」


 短剣の柄に、透明な糸を付けていた。

 一応金属で出来ており、ワイヤーである。

 僕の腕に巻き付けると、狙ったのはコボルトの首。

 短剣がグルンと巻き付いてそのまま引っ張ると、コボルトは突然の奇襲に窒息死させる。


「ええっ!?」

「大丈夫?」

「は、はい。ありがとうございます」


 女性冒険者がコボルトに襲われ掛けていた。

 腰を抜かして倒れていたが、足が躓いたらしい。

 それも仕方ない。僕も余裕を持って立ち回っているけれど、流石に数が尋常じゃなかった。


「それにしても数が多いよ……」

「はいぃ、この数は流石に……」


 合いの手を入れてくれる冒険者達。

 僕はチラチラ視線を飛ばすと、一番善戦で戦っているのはアッシュとグリムロ、それからエメラルの三人。

 瞬く間にコボルト達を薙ぎ払って行くと、数がドンドン減る。


「おんどらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

「ふっ、これでどうだい?」

「もう、どれだけいるのよ、大変な作業ね」


 あまりにも豪快な戦いぶりだった。

 他の冒険者達が、疲労で動けなくなる中、まるで疲れを見せない。

 それでも汗は掻き、多少なりとも動きが鈍ったが、目を奪われるのは仕方ない。


「……凄い」


 僕は自分の感想を呟いていた。

 あまりにも目を見張る動きに、王都でも頂点に近い冒険者の洗練された動きだと理解出来る。でもそのためには並々ならぬ努力と経験、多少の才能が必要だ。

 だからだろうか? コボルトの数に圧倒され、倒しても数が減っていないことに披露する。


「「「はぁあぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ……」」」


 息を切らす冒険者達。流石にアグレッシブに戦い過ぎた。

 コボルト達を翻弄したものの、息切れは起こるもの。

 ある程度数を減らすのが関の山で、汗を流すエメラルはポッと不満が零れた。


「どうするのよ、こんなの切りが無いわよ」


 コボルトの群れが次々補充される。

 流石に僕達が参戦しても、この数は押される。

 それでもほんの少しだけ、コボル洞窟から出て来るコボルトの数がまばらになった。

 もしかすると、後少しで切れるかもしれない。


「ふぅ~ん、数は減っているね」


 ヘモンが喉を鳴らして事実を羅列する。

 それでも重要な事であり、勝機が見出される。

 とは言えこのままの状態で戦闘を続けるのは効果的じゃない。

 ここは一つ、このまばらな状況を利用したい。


「それじゃあどうするの~」

「うんうん、このまま数を減らすよね。みんな頑張って!」


 ニャンとハピラスが応援する。

 他にも戦えない、怪我をした冒険者もコクコク頷いた。


「でも数を減らしているだけだと、先には進めないよ」


 ガーンは冷静だった。少年冒険者なのに玄人だ。

 僕はそう思うと、グリムロは槍を構える。

 それなら強硬手段に出てみるのも悪くない。


「それなら僕達が道を開けよう」

「ああ、そうだな。誰でもいい、コボル洞窟に突入して、アイツらのボスを蹴散らせ」


 グリムロとアッシュが前に出た。

 コボルト達の群れを前に、まだ闘志を瞳に宿す。

 決して折れることの無い二人だからこそ、この状況でも率先して前に立つ。


「誰でもいいって、戦えないと無理でしょ?」

「それならエメラル達に任せるよ」

「えっ、私達!?」


 コボル洞窟に潜むロアコボルト。

 コボルト達のボスを倒すにしても、戦えないと意味が無い。

 疲労の蓄積した冒険者達では厳しく、正直危険だったが、そんな中でグリムロはパッと言葉を発した。


「それがいいな。お前達なら任せられるぜ」

「ちょっとまた勝手に決めて……」

「この中で一番体力に余裕があるだろう? 一番勝算が高く、なにより無事に戻れる可能性が高い。エメラル、クロン、それからオボロ、任せるよ」


 グリムロの中では僕達に任せることは確定みたいだ。

 今更断れる雰囲気ではない。

 どのみち誰かが戦うしかなく、全員コクコク首を縦に振っていた。面倒な話を押し付けられているようで、実際には一番信頼されていた。


「はっ、仕方が無いわね。それじゃあ……タイミングを合わせなさいよ」


 エメラルが了承した。

 ってことは僕とクロンもやることは決まる。

 全員の想いを背負うと、コボル洞窟に突入する部隊になった。


「言われなくても……」

「分かってるってよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」


 タイミングを絶妙に合わせるグリムロとアッシュ。

 発起人である以上、提案しただけの作業は任される。

 コボルト達を蹴散らし、道を切り開くため、同時に攻撃を仕掛けた。


「「よし、今だよ!」今だぜ!」


 グリムロとアッシュの合わせ技が炸裂。

 コボルト達が何匹か吹き飛んでいた。

 そのおかげか、ほんの少しだけコボルト達の間に隙間が出来た。


「クロン、オボロ、行くわよ」

「「うん」」


 エメラルの合図を受けて僕達は飛び出す。

 コボルト達に挟まれてもスルリと抜けた。

 小さい体が役に立つと、コボルト達を素通りし、コボル洞窟に突入した。


「頼んだぜ、エメラル」

「うん。僕達のやるべきことは……」


 すぐにコボルト達で壁が出来る。

 道が塞がってしまうと、僕達の姿は完全に冒険者から隔絶された。

 声援がくすぐったい中、暗闇に姿を消す。


「倒れんなよ、グリムロ」

「アッシュもね」

「分かってる、俺が倒れるかよ」


 グリムロもアッシュも互いを支え合った。

 激励し激昂し、互いに激を飛ばす。

 睨み付けるコボルトの壁を前にして、ニヤリと笑った。


「「さぁ、掛かって来てよ!」やがれ!」


 アッシュとグリムロはボロボロな体を奮起させる。

 コボルト達を前に一歩も退かない。

 そんな二人の背中に守られるだけではダメだと、動ける冒険者達も立ち上がって、外で待つコボルトの群れを相手取った。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。押すだけで簡単ですよ。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ