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【狂気】生贄にされた少年、最強冒険者パーティーに育てられ、“最狂”のサイコパス冒険者になりました。  作者: 水定ゆう
2ー1:闇の円卓

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第40話 闇は語らう

※久々に投稿しました。

コンテストに参加するので、たくさんの人に届いて欲しい。皆さん、よろしくお願いします。


闇、闇、闇……

 何処かも分からない深淵。

 そこに設置されているのは、一つの円卓。

 集められているのは素性も分からない無数の男女。

 顔はフードで覆っており、表情を読み解くことは叶わない。


「前回の実験は失敗に終わったの」


 何を持って前回なのだろうか?

 それはこの場に集められた全員が把握している。


「トロールの一件、結果的には失敗じゃったな」


 トロン森で起こったトロールによる悲劇。

 本来の生態系を破壊し、有力と目されていた冒険者達の命を奪った。

 その経緯に隠されていたのは、崇高なる実験。結果は案の定、失敗に終わった。


「どう責任を取るつもりじゃ、ナンバー9」


 そう呼ばれたのは恐らく男性だろう。

 ピクンと背中が一瞬立つが、すぐさま丸みが出る。

 実験の失敗を追及されると、ナンバー9は舌を回した。


「責任なんて取るつもりはないよ!」

「「「!?」」」


 急に円卓が騒がしくなった。責任を取るつもりは無いらしい。

 トロールの実験に、どれだけの労力が掛ったのか分かっていないのだろうか?

 何よりも、この円卓の存在が明らかになりかねない事案だ。見過ごす訳にはいかない。


「どういうつもりよ、ナンバー9」

「そうだぜ。お前、実験の失敗がなにを意味しているのか、分かってんのか?」

「あはは、失敗には制裁。失敗には制裁。償って貰うよ?」


 完全に針の(むしろ)状態になっていた。

 正直な話、ここまでの謂れは釈然としない。

 重々承知敷いているとは言え、計画には無い誤算があった。


「仕方が無いよ? トパーザ達がいない隙を見計らったのに、それをどこぞの冒険者かは知らないけど、まさか倒されるなんてな。途中までは上手く行っていたのに」


 ナンバー9の計画は上手く行っていた。

 トロールに開発した薬を打ち込み、身体能力を向上させた。

 精神を乱させることで暴走状態を引き出し、生態系の頂点に押し上げたのだ。


 これが成功すれば、開発して来た薬が正しかったことを証明出来る。

 とは言え誤算もあった。用意周到にトパーザの居ない隙を見計らった筈。

 他にも有力な冒険者達は総出で出払っている隙を塗った筈だが。残念なことに新手の冒険者の登場が邪魔をした。


 強化トロールを容易くではないが倒してしまった。

 嬉しく無い誤算であり、そのせいで計画が狂わされた。

 結果的に実験は失敗に終わり、赤っ恥を掻く羽目になったのだ。


「要するに計算外、じゃと?」

「そういうことだ、ナンバー1。俺も充分反省しているよ」

「ふん、理解しているならばよいのじゃ。だが、失敗は失敗じゃな。実験に対する相当の報いは受けて貰うぞ」


 円卓の司会者、リーダー的な立ち位置の男性。

 ナンバー1は腕を突き出した。しわがれた腕は枝のよう。

 けれどその実力は衰えを知らず、確かに本物で、触れてもいないののナンバー9の首が絞まる。


「ぐあッ! な、んだッぁ……ま、くがッ、吸われてェ……ァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」


 ナンバー9は絶叫を上げた。あまりにも苦しくて悲鳴が反響する。

 けれど反響した音は虚空に消えてしまった。

 そのせいか、ナンバー9の苦しく歪んだ表情さえ把握できず、大量の|体液(血液)と魔力が円卓の器に注がれた。


「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ……死ぬかと、思ったよ」


 幸いなことに、ナンバー9は命を落としていない。

 許されたのだろうか? これが制裁と言うにはあまりにも重い。

 命が幾つあっても足りない中、ナンバー9は円卓に埋もれた。


「これに懲りたら、無駄な実験をするな。分かったな」

「あ、ああ……反省してますよ」


 ナンバー9はナンバー1から突き付けられた警告を受け取った。

 これ以上血と魔力を失えば、本当に死んでしまう。

 流石に死ぬのは勘弁なので、ナンバー9も弁えた。


「だが、ナンバー9の言葉も事実じゃな」


 ナンバー1は何もナンバー9の実験が無駄だとは思っていない。

 確かに魔物の潜在能力を発揮させ、結果的に暴走状態にすることに成功。

 小さな生態系ではあるが、瞬く間に生態系の頂点に上り詰めるだけの字付け力を与えた薬には、これから先待ち受ける大いなる試練を開く鍵になるだろう。


「ナンバー9、その薬はまだ残っておるのか?」

「もちろんだよ。一つしか用意しない訳が無いからね」


 ナンバー9はローブの中から薬を取り出す。

 注射器の中に入った怪しい液体。コポコポと気泡が浮いている。

 流石に打ちたいのは思わないが、それを見た小柄な恐らく女性が、一本奪い取った。


「へぇ~、これがそうなんだ」

「ナンバー5!?」


 取り出した注射器は、ナンバー9からナンバー5の手に移っている。

 人差し指と中指でクルクル回して見せると、注射器の中に入った液体が揺れる。


「まさかこんな薬一つで、世界を変えられると思ってたの~?」


 ナンバー5は嫌味を言った。グサリと胸を打つ言葉に傷付く。

 確かに薬一つで世界を変えられるのなら安いものだ。

 けれど成果はイマイチ出ていない。実際の所、過程に対して結果が出ていなかった。


「あはは、頭の中はお花畑かな? 愉快痛快面白~い。笑っちゃうよね」

「ナンバー5。いい加減にしてよ。こっちも本気で……」

「本気だったらさ? 冒険者相手に潰されないでしょ?」

「それは……」


 ナンバー9はぐぅの音も出なかった。

 確かにナンバー5の言うことは事実で、冒険者に、しかも名前もほとんど知らない冒険者に実験を台無しにされてしまった。その事実が付き纏うと、余裕を奪われてしまう。

 言葉を発することが出来なくなり、ナンバー5に言われるがままだ。


「まぁまて、ナンバー5」

「ああっ、返してよ!」


 ナンバー1はナンバー5から注射器を取り上げた。

 何をしでかすか分からないので、ナンバー5の手には置いておけない。

 流石の英断で、ナンバー1は注射器を見つめた。


「冒険者も油断ならないという訳じゃな」


 ナンバー1は冒険者の成長が目覚ましいことに気付く。

 それを受けてか、少し実験をしてみることにした。

 ナンバー9の作った薬が本物か、検証してみようと思ったのだ。


「ナンバー9、この薬を借りるぞ」

「ん? いいけど、なにに使うの」

「決まっておるじゃろ。ディスカベルの冒険者共が、どの程度の脅威になりうるか、試してみるんじゃ」


 ディスカベルの冒険者。有力視される四つのギルドが不在の中、どのような活躍を見せるのか。

 ナンバー1は脅威に成り得るか否か、その目で確かめることを選んだ。

 そのためにこの薬を使うのも悪く無い。フード越しにニヤリと笑っていた。


「試すって、当てはあるの?」

「ふん。幾らでもダンジョンはあるからの。まぁ、精々見ておれ」


 ナンバー1は新しいオモチャを手に入れて、少し楽しそうだ。

 ナンバー9は自分の築き上げた研究成果が杜撰に扱われることを快くは思わない。

 けれど一体何を考えているのか。ある程度は推測出来ると、泥を塗った冒険者共に復讐が敵えばいい。精々その程度の軽い気持ちを抱き、ナンバー1のお遊びに興じた。

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