エピソード76 追跡調査
『追跡調査をさせています。花女史』
衛兵隊の詰所内で御礼を申し上げましてから、根元魔法の帰還で帝都魔法学園の学生寮へと戻って来ましたが。帝国女騎士身分の老女教授に、私達四人の女子学生は呼び出されました。
『衛兵隊から厳重注意をされた二人に対してですか?。帝国女騎士様』
私の確認に対して、帝都魔法学園にて治癒魔法の教鞭を執られていられます、帝国女騎士身分の老女教授は御頷きになられまして。
『その通りですフロリアーヌ女史。ああした手合いはまんまと逃げ延びたと思いますと、盛り場などで自慢話をしますが。酒が入った状態で話す武勇伝は、取調室で行う事情聴取よりも遙かに効率的に真相を聞き出せます』
成る程。
『事前に彼等の行き付けの酒場に、話を聞き出す役割を担う方が入り込まれているのですね。帝国女騎士様』
私の推測を聞いても、灰白色の髪の毛と藍色の瞳をされています、男爵閣下の御息女であらせられる令嬢の希望さんと。銀白色の髪の毛と緑青色の瞳をされています、免状貴族身分の豪商を御父君とされる真実さんは、平然とされていましたが。
『あっ、もしかして。油断させて口を軽くさせる為に、衛兵隊の詰所での取り調べをしたんだ』
思わず気が付いた内容を話した私と同じく平民身分の恵さんでしたが、直ぐに失敗したという表情を浮かべまして。
『もっ、申し訳ありません。帝国女騎士様っ!』
赤茶色の短いツインテールを揺らしながら慌てて頭を下げられたハンナさんに対して、老女教授は特に気分を害された様子は見せられずに。
『ハンナ女史は十四歳の女子学生の年相応の反応を見せただけですから、気にする必要はありません』
ナディーネさんとヴェレーナさんと私の反応は、十四歳の小娘にしては生意気で気に入らないと、婉曲的に仰せになられました老女教授は、冷ややかな眼差しにて、金髪と瑠璃之青の瞳をしている私を御覧になられまして。
『相応の報いを受けてもらう必要があるとフロリアーヌ女史には話しましたが、今回の件は令嬢ナディーネ女史の御爺様であらせられる准将閣下の他にも、止事無い身分の御方による御力添えを頂けていますので。帝都魔法学園にて根元魔法を学ぶ女子学生を攫おうとした人攫いは、決して逃げ果せられません』
ナディーネさんの御爺様であらせられる准将閣下以外にも、止事無い身分の御方による御力添えですか?。
『数日以内に結果が出る予定です。本日は下がってよいです』
これ以上の詳しい説明をするつもりは無いとの意思表示をされました老女教授に対して、私達四人は揃って恭しく深々と御辞儀を行いまして。
『『はい。失礼をいたします。帝国女騎士様』』




