エピソード759 皇帝陛下御入来
『謹んで申し上げます』
帝都アーヘンにあります宮城にて、叙任式が執り行われます叙冠之間に、典礼省の式部官によります朗々たる声が響きました。
『絶対悪である死の王国を打ち倒されて、帝国を興された初代皇帝ヨハン大帝の皇統を継承し、歴代皇帝の御遺志を受け継がれ、天命の下、帝国と臣民を統べられる至尊、天命思想の帝国皇帝陛下、帝国軍最高司令官、ルートヴィヒ二世陛下、ここに叙任の儀を執り行われます』
叙冠之間という名称は、初代皇帝陛下であらせられますヨハン大帝が命名なされましたが。死の王国時代には禁呪であります死霊術の奥義を極めて不老不死の専制君主として君臨していました死の王が、同じ部屋にて儀式を執り行われていました。
『ザッザッザッ』
規則正しい足音を響かせながら、皇帝陛下と帝室の皆様方の玉体を御護りする近衛師団に所属をされています近衛兵の魔法使いと女魔法使いが、叙冠之間で配置に付かれました。
『本日、この御前に列する者は、皇帝陛下より帝国騎士・帝国女騎士の名誉を授かる栄誉に浴する者に御座います』
帝都アーヘンに駐在なされています各国の大使閣下と、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方によります視線が、私とアンリ卿と希望さんとルネ卿とアルトゥール卿の五人に注がれましたが、平原諸侯連合の大使閣下の姪でもありますエルジュビェタ・ラジヴィウ女史の眼差しも混ざっているのを感じました。
『諸侯閣下並びに列席の大使各位、御起立の上、皇帝陛下へ最敬礼』
式部官による御言葉を聞きました私達は、全員が揃って恭しく深々と最敬礼を行いました。
『皇帝陛下、御入来』




