エピソード716 貴女は止事無い身分であらせられます目上の御方から可愛がられていますね
『令嬢花女史、迎えの馬車が到着しました』
『有難う御座います、帝国女騎士様』
帝都魔法学園にて治癒魔法の講義を担当されています、帝都憲兵隊を古巣とされる帝国女騎士身分の老女教授は、恭しく深々と御辞儀をしながら御礼を述べました私に対しまして、冷ややかな眼差しを向けながら。
『貴女は止事無い身分であらせられます目上の御方から可愛がられていますね、令嬢フロリアーヌ女史』
{どういう意味でしょうな?、我が主}
解りません、髪飾り?。
『恐悦至極に存じ上げます、帝国女騎士様』
老女教授は私に対してそれ以上は何も言われずに、背を向けて立ち去られました。
「老女教授は相変わらずフロリアーヌに対する当たりが強ぇな」
ゾーリンゲン家の男爵閣下の末子でもあります希望さんがやや声を潜めながら話されますと、幼馴染みでもあります恵さんも苦笑を浮かべながら頷かれまして。
「一応は伝えに来てくれたけれど、嫌々なのが見え見えだよね」
コクッコクッコクッ
ハンナさんによる見解に対して、ザスキア女史も黒髪を揺らしながら小刻みに頷いて同意を示されました。
「まあ、態度には問題ありだが、迎えの馬車が到着したのは教えてくれたからな」
デュッセルドルフ家の上級の騎士様の子息でもありますルネ卿の言葉に、親友でもありますレバークーゼン家の子爵閣下の庶子にして次男のアンリ卿が同意を示されまして。
『ルネの言う通りだな、馬車に向かうとしよう。令嬢フロリアーヌ女史と令嬢ナディーネ女史も宜しいですか?』
黒髪と褐色の肌色をされています、高潔な貴公子でもありますアンリ卿による確認に対しまして。
『はい、アンリ卿』
『ああ、行くとするかアンリ』




