エピソード707 時として誤解や勘違いにより新たな関係が築かれる事もあると
『本日の治癒魔法の講義はここまでとしますが、質問があれば何でも受け付けます』
帝国女騎士身分の老女教授によります治癒魔法の講義を受講しましたが、切りの良い所で終えますと少し時間が余りました。
スッ。
『ラジヴィウ女史』
平原諸侯連合からの留学生であらせられますエルジュビェタ・ラジヴィウ女史が挙手されますと、老女教授が指名をされました。
『ポルスカ諸侯連合の西側に位置します天命思想の帝国は根元魔法が盛んな封建制度を政治体制に採用している国ですけれど、帝都アーヘンにあります帝都魔法学園と、団体の盟主でもあります帝国自由都市リューベックにあります叡智学園の二つのみが、体系的に根元魔法を学べる教育機関なのですね』
ポルスカ諸侯連合の諸侯総会に議席を持たれますラジヴィウ家の次期当主となられますエルジュビェタ・ラジヴィウ女史の声は、帝国之住民の私が聞いても一切の違和感を感じさせない完璧な帝国語です。
{知らなければ異国人だとは信じられない完璧な帝国語ですな。我が主}
『その通りですラジヴィウ女史。帝国は御領地と領民を御治めになられていられます止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の大半が、私達と同じく天から根元魔法の素質を授かりし選良でもあります魔法使いと女魔法使いですので、家門内にて根元魔法を含む教育を行われる事もありますので。体系的な教育機関としては帝都魔法学園と叡智学園の両校があれば、現時点では必要性を満たしています』
レバークーゼン家の子爵閣下の庶子にして次男でもありますアンリ卿と、軍人一家でもありますゾーリンゲン家の男爵閣下の末子にして令嬢でもあります希望さんが、帝都魔法学園にて寄宿生活を送られながら根元魔法を学ばれていられますのは、ルネ卿のご父君でもありますデュッセルドルフ家の上級の騎士様の誤解が切っ掛けでしたから。本来でしたら止事無い身分であらせられます貴族諸侯の家門に御生まれになられましたアンリ卿とナディーネさんは、家門内にて根元魔法を含む教育を受けられていたはずです。
{そう考えますとデュッセルドルフ家の上級の騎士殿の勘違いは、我が主の交友関係にも大きな影響を与えましたな}
貴方の言う通りです髪飾り。時として誤解や勘違いにより新たな関係が築かれる事もあると、デュッセルドルフ家の上級の騎士様の行動は証明しています。




