エピソード690 帝国の官僚機構は五勤二休が原則なのだが
『軍務省の建物内部には、喫茶室の他にも様々な施設があるのですね』
軍務省の巨大な案内図を、瑠璃之青によります視線にて眺めながら話した私に対しまして、勝者之民少佐が御頷きになられまして。
『喫茶室と売店でもある酒保は、外部の人間にも開放をされている。令嬢花女史』
案内図によりますと他には、軍務省の建物内部には図書室や仮眠室や浴場等の施設もあります。
『軍務省に泊まり込みで働いている官吏も居そうだな。兄貴』
希望さんが藍色の瞳にて、案内図の仮眠室や浴場の部分を眺めながら兄君であらせられますニコラオス少佐に言われますと、苦笑を御浮かべになられまして。
『軍務省だけに限らず帝国の官僚機構は五勤二休が原則なのだが。宮城にて官吏として忠勤に励まれていられる父上を見れば解るように、重責を担われていられる止事無い身分であらせられる貴族諸侯の皆様方は、貴族街にある上屋敷に帰るのさえ困難な激務に日々耐えられていられる。ナディーネ』
ゾーリンゲン家の男爵閣下の長男であらせられますニコラオス少佐が、御父君からの家督と御領地の継承を拒否なされまして、皇帝陛下の軍隊であります帝国軍にて、職業軍人としての人生を送るのを望まれていられますのも。重責を担われていられます止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の苦労を、実際に目の当たりにされていられます点が非常に大きいのだと思われます。




