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『西門大官人昇天艶遊記 第三巻』

『西門大官人昇天艶遊記 第三巻』


〜地獄縁談大戦なのだぁ〜


著:西門慶レイ(天上天下最強文豪)



前巻にて。


天界の物流を完全支配し、


仙桃流通を改善し、


天帝すら円滑にした吾輩、西門慶レイは――


次なる舞台として、


地獄へ向かうことになった。


理由は単純。


「地獄も絶対物流終わってるのだぁ」


うむ。


当然の予想なのだぁ。



地獄。


そこは暗黒であった。


炎。


悲鳴。


亡者。


鬼。


血の池。


針の山。


そして――


物流の遅さ。


終わっていた。


完全に終わっていた。



「亡者の振り分けに三十年待ちです」


鬼が言った。


吾輩は驚愕した。


「遅すぎるのだぁ!?」


さらに別の鬼が言った。


「罪状確認の判子が回りません」


吾輩は頭を抱えた。


「紙仕事地獄なのだぁ……」



そのとき。


巨大な宮殿の奥から声が響いた。


「西門慶レイか」


現れたのは

閻魔大王


巨大だった。


威厳があった。


恐ろしかった。


だが。


吾輩は平然としていた。


なぜなら。


もっと怖いのは赤字だからなのだぁ。



閻魔大王は言った。


「貴様、天界で好き勝手したそうだな」


吾輩は頷いた。


「円滑にしただけなのだぁ」


閻魔大王の眉が動く。



「地獄に何をしに来た」


吾輩は胸を張った。


「商売なのだぁ!」


地獄が静まり返った。



そのとき。


閻魔大王の背後から女たちが現れた。


妾たちである。


さらに妻もいた。


美しかった。


非常に美しかった。


しかも。


おっぱいがでっかかった。


うむ。


重要なのだぁ。



吾輩は深く頷いた。


「地獄、悪くないのだぁ」


閻魔大王の空気が凍った。



数日後。


吾輩は地獄を視察していた。


獄卒。


鬼。


亡者。


全員働いていた。


しかし。


効率が悪かった。


非常に悪かった。



「うむ!」


腕を組む。


「まず組織改革なのだぁ!」


鬼たちがざわつく。


亡者が震える。


だが吾輩は止まらない。



判決書類を整理。


罪人分類を効率化。


血の池の循環改善。


針山の耐久性向上。


鬼たちの食事改善。


さらに。


美女休憩室を増設。


うむ。


士気は大事なのだぁ。



そのころ。


閻魔大王の妾たちは――


完全に吾輩に夢中になっていた。


「西門大官人様……♡」


「なんてお優しい……♡」


「地獄で初めて残業が減りました……♡」


うむ。


当然なのだぁ。


人格者だからなのだぁ。



閻魔大王の正妻までもが言った。


「あなたが来てから地獄が明るくなりました」


吾輩は頷いた。


「照明増やしたのだぁ」


事実だった。



だが。


次第に空気がおかしくなる。


妾たちが吾輩の周囲に集まり始めた。


妻までもが吾輩の帳場に差し入れを持ってくる。


鬼たちがざわつく。


獄卒が目を逸らす。


完全に危険だった。



ある夜。


閻魔大王が吾輩を呼び出した。


地獄の王座。


炎が燃えている。


空気が重い。


非常に重い。



「西門慶レイ」


吾輩は言った。


「のだ?」


閻魔大王は低い声で言った。


「最近……妻たちがお前の話しかしない」


吾輩は少し考えた。


三秒。


五秒。


十秒。


そして言った。



「人格者だからなのだぁ」


地獄が静まり返った。



閻魔大王の角が震えた。


「妾たちが毎日お前の倉庫に行っている」


吾輩は頷いた。


「物流は大事なのだぁ」



「妻が“西門様は優しい”と言っていた」


吾輩は深く頷いた。


「事実なのだぁ」



閻魔大王の拳が震えた。


地獄が揺れる。


鬼たちが逃げる。


亡者が泣く。


だが。


吾輩は平然としていた。



「うむ!」


胸を張る。



「おっぱいのでかい美女に優しくするのは当然なのだぁ!」


閻魔大王の玉座が砕けた。


どぉぉぉぉん!!



その瞬間。


妾たちが吾輩を庇った。


「大官人様は悪くありません!」


「全部優しさです!」


「物流です!」


最後のは意味不明だった。



さらに。


正妻までもが言った。


「あなたは昔から女心を理解していません」


閻魔大王が止まる。


完全停止だった。



「西門様は話を聞いてくださいます」


「地獄の環境改善もしてくださいました」


「あなたは怒鳴るだけです」


閻魔大王のHPが減っていく。


見えるように減っていく。



吾輩は言った。


「のだぁ……」


少し困った顔をした。


完全に被害者の顔だった。



「吾輩、またモテてしまったのだぁ」


最低である。



その夜。


地獄では大宴会が開かれた。


鬼が酒を運び。


亡者が踊り。


妾たちが笑い。


正妻が微笑み。


閻魔大王だけが隅で膝を抱えていた。



吾輩は酒を飲みながら思った。


「うむ」


深く頷く。



「地獄も円滑なのだぁ」


【第四巻予告】


『西門大官人、ついに龍宮へ!?

爆乳龍女と海運改革なのだぁ♡』


超大ヒット発売中なのだっ♡

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