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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第106話 出られないのなら

 並行世界との境目から出られない。


『神』と言えど、人間と異なる存在でしかない。万能だと誰が謳うか。運命を司るなどと、決めたのも崇める存在らが勝手に決めたことだ。


 それはともかく、『ナツ神』は相対するパートナーである『ハル神』に出会えぬまま……『異世界ファーム』の中で過ごすことしか出来ないでいる。


 関所向こう側の『境』にはゴーレムの『サナ』として出向くが、チームリーダーになっているクルスはまだナツ神としての対応に慣れていないのか……少し畏れている雰囲気が丸わかりだ。妻になったリーナはだいぶ馴染んでくれたにしても、『神』と『女』というだけでこうも対応が違うのか。



(情けない。というよりも『畏れ』が強い。……人間って、都合がいいときにそんな態度取るのよね?)



 かといっても、クルスは『対応がわからない』以外は仕事には熱心でいた。炊き出しについても、作物を商品に加工する作業についても。管理者権限が『藍葉』中心ではなく、半分をナツ神が請け負ったことを告げたのでしどろもどろしながらも……訊ねてはくれるのだ。


 その仕事がまあまあ落ち着いたとは言え、実質『することがない』。


 ハル神が地球側の境目のどこかにいるのかはわかっているのに……意識を溶け込ませても全然会えないでいた。藍葉については、応答がないから『起きながら』もファームの維持やほかのことを頑張っているかもしれない。


 間接的な接触しか取れないので、神だろうがそれくらいしかわからないのだ。



「あ~あ……会いたいのに、会えないって哀しい……」



 逆に、地球側の『自分』に該当する存在がどうしているのかが『阻まれて』同調できないのも悔しかった。


 藍葉の兄である美晴の方にも同調出来ないので、おそらくコールドスリープの中で完全に眠りについているのだろう。その指示を出したのは、きっとハル神。並行世界をふたつ以上行き来していることで、関係各所に連携して彼らを移動させるなど簡単なことだ。



「その勢いで、私にも会いにこーい!!」



『サナ』のコテージの中で右往左往するも、なにも起きないので本気で暇すぎてつまらない。自分で言ったことなので、仕事以外でリーナたちの邪魔をしたくないのは本当だ。やろうと思えば分裂思考を使って覗き見ることは出来ても……そんな、ストーカー紛いな神の所業なんて使いたくない。


 場合によっては、いちゃこらしている可能性が高いので、視界の遭遇だけでも嫌で堪らないだろう。



「……意識を溶け込ませる濃度。それをもっと強める必要があるかしら?」



 藍葉とコンタクトを取ったときのような、あの疑似世界に近い境目での会合のように。


 ハル神がそこに侵入する力があれば、一瞬でも会えるかもしれない。その考えに行き着くと、コテージの中に作った『固定ベッド』の中に入り……まるで、蚕の繭糸の中に入るような感じでナツ神の身体が固定された。


 これは科学的にいうなら、コールドスリープと似たものだ。


 目を閉じ、身体の力をベッドにすべて預け……意識をゆっくりと寝かせ。


 次に意識が起きたときは、倒れている男性の前にナツ神が立つという空間が出来上がっていた。倒れていたのは、残念ながらハル神ではなく別次元の彼自身。小鳥遊美晴だった。随分と険しい表情で寝ているのが不思議だった。

次回はまた明日〜

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