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その21 靴屋にて

シャーリー視点では靴屋出てきません。


今回の章はルースメインなのでシャーリーパートはのほほんしてます。

次の日は生憎雨だった。ザイン公爵夫妻は今日も仕事らしい。忙しそうだ。さらに悪いことに今日はルースも用事があるらしい。

「ごめんね。シャーリー。今日だけだから。僕の用事は今日だけだから寂しいと思うけどお留守番しててね。」

「大丈夫。今日は本を読んでるわ。明後日は晴れるみたいだしどこか外に連れて行ってね。」


わたしは人様の別荘でお留守番になってしまった。


「シャーリー、今日はゆっくり話しましょう。」

綺麗なストレートの濃い目の茶色の髪を腰までのばし、緑色の瞳を輝かせたスラリとした女の人が話しかける。カールお兄様の奥さんのラリサ様だ。彼女は伯爵家の出身だ。カールお兄様と同じ歳の20歳。あ、ちなみにエルシーお姉様は24歳。3歳と5歳の男の子のお母さんです。

「ラリサお姉様。体調は?私と話していても大丈夫でしょうか?」

「ええ、この頃少し悪阻も収まってきたの。食べられるようにもなったし、お医者様も安定してきたから少しは歩くようにって言われてるの。今日は雨だからお部屋でゆっくりしましょう。」

カールお兄様とラリサお姉様には冬くらいに赤ちゃんが誕生する予定だ。


雨は止むどころかどんどん激しくなる。

「この時期わりとこの地域は雨が多いのよ。突然天気が崩れる時もあるわ。今日の雨はひどくなりそうだわ。みんな早く帰ってくるといいけど…」

ラリサお姉様は心配そうに窓の外を見た。先程から雨は窓に打ち付けるように降っている。

「シャーリー、雷は大丈夫かしら?」

私は首を横に振った。

「無理です…大嫌いです…」

「あら、この分だと夕方には雷が鳴るわ。怖かったらお昼寝したら?寝ている間に過ぎ去っているかもね。」


白い肌に妖精のようなラリサお姉様も私は大好きだ。もう微笑み方が綺麗で女の私でも見惚れてしまう。


「ラリサお姉様は16歳でカールお兄様と結婚したんですよね?どこで知り合ったんですか?」

「あら?突然何?」

「あ、いえ。私がルースと遊ぶようになった時はもう結婚していて、そういえば聞いた事ないなって思って…」

「あら、シャーリーも恋話に興味が出てきたのかしら?良いことだわ。ルースが喜ぶわ。」

ん?何故ルースが喜ぶ?私の世話をしなくてよくなるから?

「とある事件があってね。カールに助け出されたの。その時の彼がかっこよくてね。思わずOKしちゃったの。」

あ…いや。ラリサお姉様…端折りすぎです。


まあ何かの事件に巻き込まれて連れ去られたラリサお姉様を救い出したのがカールお兄様で、会ったその日、助け出されたその場でプロポーズされて、即承諾したらしい。まあ…素敵!って素敵か?会ってその日にはかなり驚かされました。

でも二人はラブラブだし、本人達が幸せならいいか。

「そうね。ちょうど今のシャーリーの歳にはもうザイン公爵家にいたわね。」

「えっ?」

「私がカールと出会ったのは15歳だったわね。懐かしいわ。」

「でも15歳じゃまだ結婚できないですよね?」

もしかしてそのとある事件が原因でラリサお姉様の実家の伯爵家が取り潰しになったとか…家が壊れて住むところがなくなったとか、伯爵様が転勤されて遠距離恋愛になるのが嫌だったとか?

「あらあと半年くらいで新年だったから、構わないからっておいでって言われて。」

婚前同棲ってやつですか。

「あら?シャーリー知らないの?割とこの国多いのよ。というかみんかそうじゃないの?」

そうなんですか?カルチャーショックです。


まあラリサお姉さまともゆっくり話せたし、使用人の人達が気を遣って楽しい話をしてくれたり、何故か突然マジックを披露してくれた人もいた。屋敷を案内してもらい、厨房でお菓子も作った。みんなに手つきがいいって褒められた。まあ何たって前世主婦ですから!料理は苦手でレパートリーは少ないけどこの世界では珍しいからみんな見たことも食べたこともないから多少失敗してもバレない!

それなりに充実した1日を過ごせた。


ルースがいなくても楽しかったが、やはり隣が寂しい。早く帰ってきてくれないかな。せっかく私も手伝って作ったマフィンがあるから一緒にお茶したいな。会いたいな。


雷が鳴り始めた。

空は黒い雲で覆われて雲が絶えず光る。

雨は更に強さを増す。まさにバケツをひっくり返したようだ。

私が前世で死んだ時も雨だったな。あれは台風のせいだった。だから雨は嫌いだ。

ましてやこんな激しく打ち付ける雨はあの瞬間を思い出してしまう。怖い。


ラリサお姉様の提案どおり、紅茶を飲んで昼寝することにした。


ルース大丈夫かな?早く帰ってきて。

雨の日は一人になりたくない…



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